2006年10月

「必修科目の履修漏れ」その3

ワタリさんのコメントをうけての、一連の文章の補足。

■くりかえしになるが、今回のスキャンダルは徹頭徹尾ナンセンスである。■偽善的なオトナが、おためごかしに、生徒の負担軽減をいいたて、所詮は入学実績をあげて、より評価のたかい受験校の校長に転身とか、教育委員会いりといった野望の次元に属する、実に俗っぽい構図の露呈でしかない。■東アジア諸地域への、アリバイ的国際理解とやらで、必然性をまともに作文できるともおもえない官僚たちが、世界理解のためには世界史と地理あたりをまなばせないと、といった、実にあさはかな「配慮」で必修化したにすぎない。■世界史が、どんなに学問的かつ教育学的に破綻した科目であることは、その時空のひろがりだけとりあげて一目瞭然であることは、これまで何度ものべたので、くりかえさない。■能天気に東アジア旅行(バックパック・ツアー)にでもでないかぎりは、世界史やら地理やらをまなばねならない必然性は、日本列島住民にはない。商社づとめであろうが、輸入業者であろうが、世界各地の地歴的見識なんぞを、ひろくあさくそなえている必要性なんて幻想だ。■世界帝国アメリカの国民の大半が、日本のおおまかな位置とかしらずに、世界中をあいてにできていることで、よくわかるはず(笑)。
■この期におよんで、「わかものをあやまかすといかん」とか、「ひろくあさくでも、一度ふれるかどうかは、おおきなちがい」とか、もっともらしい議論をたれるエリートおじさんとかは、日本やアメリカの一般大衆の世界史・世界地理についての見識の水準に無知な放言を発しているのだという自覚をもとう(笑)。
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アジアのことをアジアに任せる(田中宇の国際ニュース解説)

■田中宇(さかい)さんのメールマガジンの最新号を転載。

田中宇の国際ニュース解説 2006年10月31日 http://tanakanews.com/

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アジアのことをアジアに任せる
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 アメリカのライス国務長官が10月19日から22日にかけて日本、韓国、中国、ロシアを歴訪した。歴訪の目的の一つは、核実験実施を宣言した北朝鮮に対する制裁について各国と話し合うことだったが、目的はそれだけではなかった。ライスは「北朝鮮問題に関する6カ国協議の参加国をベースにした、東アジアの多国間の集団安全保障機構を作るべきだ」と各国の首脳に説いて回った。ライスの歴訪は「アジア版NATO」の設立を関係国に呼びかける旅でもあった
 ライスは北京で、アメリカの記者団に「東アジア諸国が、地域の安全保障を脅かす諸事態について皆で話し合う組織すら持っていないことは良くない。北朝鮮の核実験で、この欠陥が明白になった」という主旨の発言を発している。ライスは、6カ国協議の枠組みを地域安保機構に格上げしていき、北朝鮮も核廃絶と引き替えにこの安保機構に加盟できるようにして、オーストラリア、フィリピンなど東南アジア方面の国々も参加させる構想を明らかにした。
http://www.washtimes.com/world/20061024-114535-9108r.htm

 北朝鮮の核実験後、アメリカがアジア版NATOを作りたいと考えていることは、すでに以前の記事(http://tanakanews.com/g1019korea.htm)の末尾に書いたが、この構想を改めてライスが公式に東アジア諸国に提案して回ったことは、アメリカの対アジア戦略の大転換を意味している。

 第二次大戦後、アメリカのアジア戦略は一貫して、日米、米韓、米台、米中など、アメリカと各国の2国間関係のみを重視する「ハブ&スポーク戦略」だった。この戦略は、アジア諸国に横のつながりを強化させず、バラバラでアメリカに頼らざるを得ない状況を永続化するものだった。ライスが、地域の集団安保機構をアジア諸国に説いて回ったことは、アメリカが従来のハブ&スポーク戦略を捨て、逆にアジアに団結を求め始めたことを意味している。

 アメリカの方向転換は、イラクやアフガニスタンの泥沼化、イランとの対立の行き詰まりなど、ブッシュ政権の強硬戦略が失敗した結果、アメリカは東アジアのことに関与する余裕を失っていることに起因している。
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倫理教科書買わせ偽装=「ムダ」とはなにか12

「必修科目の履修漏れ」その2」の続編。


倫理教科書買わせ偽装
2006年10月27日

 進学指導重点校の都立八王子東高校(北沢好一校長)でも26日、3年生の半数以上が卒業に必要な科目を履修していないことが明らかになった。本来、履修させなければいけない「倫理」の教科書を生徒に買わせるなどして発覚を回避していた。学校側は「進学のため」と説明するが、そのつけは補習という形で生徒たちにのしかかる。

 「履修不足」がわかったのは都内では初めて。

 問題となったのは公民科。学習指導要領では、「倫理」と「政治・経済」をセットで履修するよう定めている。同校では2年時に全員に「政治・経済」を履修させたが、3年時は「倫理」を「日本史」「世界史」「地理」とともに選択科目にしていた。このため、3年生320人のうち181人が「倫理」以外の教科を履修していた。

 同校はこうした「履修不足」を隠すため、履修科目を記して都教育委員会に毎年提出する教育課程届で、「倫理」を全員の必修科目と虚偽の記述をしていた。

 さらに、履修しているかどうかにかかわらず、3年生全員に倫理の教科書を購入させ、通知表の「倫理」の成績欄には、実際に選択した別の科目の成績を記載していた。こうしたつじつま合わせは、少なくとも00年度から続けていたという。
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「普天間」建設計画先送り 滑走路安全基準に抵触(琉球新報)?

■10日ほどまえの、これまた『琉球新報』の記事から。


「普天間」建設計画先送り 滑走路安全基準に抵触
 在日米軍再編に伴う名護市辺野古沿岸部への米軍普天間飛行場代替施設建設で、滑走路や移転施設の配置を定める建設計画(マスタープラン)の策定は当初19日に合意予定だったが、米軍機の安全飛行面で、複数の技術的課題が残っているため協議が遅れており、見送られる方向になった。政府は10月中の合意を目指すが情勢は不透明だ。
 滑走路建設に伴いキャンプ・シュワブ内の兵舎が移築されるが、政府関係者によると、ヘリが安全に運航するために滑走路周辺には建造物の配置や高さに一定の制限がある。現在の計画では米側の安全基準に合致しない部分があるため、日米両政府間では必要な建造物の規模とヘリ運航の安全を両立させるため協議が続いている。
 日米は5月の米軍再編最終報告の合意以降、代替施設建設計画の取りまとめに向け、米本国や在日米軍司令部(横田基地)、在沖米軍基地で協議を重ねてきた。日米は10月の取りまとめを確認していた。
 協議の遅れの一方で、11月19日投開票の県知事選への影響を考慮し、建設計画をまとめても県や関連市町村への提示は知事選後になるとの認識が政府内に広がっている。政府関係者は「米側と調整を続けているが、稲嶺恵一知事の任期中に県と協議するのは現実的ではない」と話し、沖縄側との協議再開は知事選後に持ち越す考えを示した。
(10/19 9:42)
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「県民喜んでほしい」 PAC3沖縄配備で久間防衛庁長官(琉球新報)?

■「半植民地 オキナワ2」の続報。■ウソのような、マコトのハナシ。『琉球新報』の26日の記事〔maxiさんの記事も参照。〕

「県民喜んでほしい」 PAC3沖縄配備で久間防衛庁長官
 【東京】久間章生防衛庁長官は26日午前の参院外交防衛委員会で、米軍パトリオット・ミサイル(PAC3)の沖縄配備について、「幸い沖縄については米軍がPAC3を置いてくれた。沖縄の方までは今のわが国の予算の中で追いつかない点を先にやってくれた。むしろ沖縄の人は喜んでもらいたいと私は思っている」などと述べた。岡田直樹氏(自民)への答弁。
 自衛隊のPAC3配備について久間長官は「ミサイル防衛はできるだけ前倒ししてやりたいという思いがある。そのため予算も2007年度で要求しているが、(PAC3配備は)07年の末になるだろう。しかし、私たちの気持ちとしては、できるだけ前倒しで、可能なものならばやらせたい」と述べ、ミサイル防衛体制の整備を急ぎたいとの考えを強調した。

◆「県内では誰も感謝してない」 県幹部が批判
 久間長官の発言について県幹部は「PAC3配備について沖縄県では誰も感謝する人はいない。むしろ問題があると言っている」と述べ、不快感を示した。
 さらに「県民と本土では完全に意識のズレがある。これはなかなか収まりがつかないかもしれない。いずれにせよ政府には説明が足りない」と、政府の姿勢を批判した。
(10/26 16:05)
……
PAC3搬入「遺憾」 稲嶺知事 (10/20 16:03)
……
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