epoleさんによる ウェブログ「自動販売機と地域経済」は、ふかい日記だ。■これまで、「アマゾン化/マクドナルド化」とか「ジャスコ/コンビニ化」など、流通の激変について、何度も論じてきたが、自販機の根源的な問題は、うっかりとりこぼしてきた。
自動販売機は、日本列島には20世紀初頭に登場したそうだが、ハラナの記憶では、1980年代、コンビニの点数などとともに、急速に台数をふやしたような感じがある。■ま、そのような あやふやな印象論はともかく、ありとあらゆる自販機が 膨大に、しかも過疎地以外全国に 遍在しているという状況は、たしかに世界のなかでも、特異な現象であり、一種の日本特殊論として、けっしてトンデモ文化論ではなく、成立するとおもわれる。

epoleさんは、つぎのような問題意識を開始期(2004年2月)にしるしている。

自動販売機の諸問題
 自動販売機については、便利である反面、さまざまな問題点が指摘されてきました。
  ?景観への悪影響
  ?道路への占有
  ?容器ごみの散乱
  ?倒れる危険性
  ?CO2排出による地球温暖化問題
 これらの問題について、自動販売機業界はそれぞれ対応し、それなりに解決を図ってきています。
 しかし、自動販売機については、その性質からくる宿命ともいえる問題を持っています。
 それは、
  ?雇用の喪失、地域小売の圧迫、中央への利潤集中による地域経済への悪影響です。
 このブログでは、この問題について考察していきたいと思います。


■たしかに、自販機は タバコアルコールなどの無人販売の問題だとか、さまざまな犯罪の対象となるなど、諸問題をかかえているばかりでなく、流通業界/都市生活のの本質的問題のひとつとなっている。■コンビニや24時間スーパー、宅配などとならんで、「便利でいい」という風に、てばなしで 正当化できる現象でないことは、いうまでもない。しかし、ハラナ自身、あまりに 「日常風景」化にマヒしたのか、冒頭でのべたように、「アマゾン化」とか「ジャスコ/コンビニ化」、「マクドナルド化」などと、流通の諸問題をとりあげながら、自販機は完全に死角にとびだしていたようだ。

epoleさんの めくばりは ひろい。■「統計から見る自動販売機と地域経済」シリーズはもちろんのこと、「自販機による販売戦略」など、経済学・商学部系の先生方にもヒントになるような、あるいは、卒論のネタが いろいろみつかりそうな、おいしい記事がたくさんある
(笑)。■もちろん、「愛・地球博と自動販売機」をはじめとした 環境問題への言及もあるし、「震災と自販機」「天災と自販機 」「これからの自販機」など、災害対策や障碍者対策を論じた文章群も用意されている。■つまりは、表題こそ『自動販売機と地域経済』とは なっているものの、『自販機からみた現代社会』とでもいうべき、めくばりだ。

■まだ全部をよみきれていないが、ハラナが感動した箇所を、少々転載。

たばこ業界反論する〔2005-11-08 23:21〕
 11月8日に開催された厚生労働省の生活習慣病対策を審議する部会に日本たばこ産業株式会社とフィリップ・モリス・インターナショナル社が参考人として出席し、自動販売機撤去や値上げなどによる喫煙規制の動きに対し「目的達成のためにはどのようなやり方をしてもよい、ということではない」と反論。「バランスの取れた規制をすることが大事」「現実的な解決策にはならない」などと答えたとのことです。
Excite エキサイト : 社会ニュース その1
Excite エキサイト : 社会ニュース その2

 出席したのは社団法人日本たばこ協会を構成する3社のうちの二社なのだな。詳細はまもなく厚生労働省HPに掲載されることでしょう。感想は2つ。
 1 自動販売機撤去による喫煙規制の動きが現実にあるのだな。
 2 残念ながら、たばこ業界の言い分は反論になっていないようなんだな。

 それにしても、自販機によるたばこ販売が失敗であることをそろそろたばこ業界も気づいているはずで、今回の反論は自販機設置者へのポーズなんじゃないかな。

 失敗1 自販機の乱立により、個々のたばこ販売店の売り上げを減らし、意欲あるたばこ店の多くを閉店に追い込んだ。
 失敗2 成人認識機能を自販機につけざるを得なくなり、膨大な費用負担を負うこととなった。(たばこ自販機の多くがたばこ会社からのリースのため。)
 失敗3 自販機によりたばこ販売促進を図ったが、喫煙者は固定し一定量を麻薬的に求めるので、自販機がなくなっても、(未成年者以外の)喫煙人口は変化しないだろう。


■「失敗1」については、

失敗1 については間違ってると思います。
たばこは販売には免許が必要な訳で、たばこの自販機は何処にでも置けるものではない。
対面販売する店は必ず人間が介する。
たばこ屋の人の高齢化もあると思います。
また、コストの中で一番高いのは人件費なんです。
だから、街のたばこ屋さんは店を閉め、自販機を置いたのです。


という批判がよせられているが、epoleさんの真意を誤読している。■タバコ店の高齢化がすすんで、店番をできなくなるのなら、早晩、そういった零細店は高齢化で廃業になるだろう。免許が次世代にひきつがれないだけだ。■問題は、自販機の「成人認識機能」といったものを もちこんでまで、無人化=コスト削減をはかる姿勢=理念の倫理的・社会的次元にある。■そして、その 「成人認識機能」が コストをあげるとは、皮肉なはなしだ
(笑)
■「酒自販機では2000年から成人識別機能が導入されている」というのは、初耳だったが、「すぐに成人識別機能を導入できないのかという点について、何の検証もされて」いないとか、「違法状態であるにもかかわらず、監督官庁である財務省はほとんど指導をしないままたばこ自販機の設置を容認してきた」とか、「成人識別機能のたばこ自販機への導入決定は2001年。しかしこれまで導入実験を理由に業界は実施せず現在に至っている」、さらには「成人識別装置敷設は2006年から開始するが、稼動は2008年である。これは業界保護のため以外のなにものでもない」など、行政が業界団体の利害保護組織であり、徴税にしか関心がないなど、いろいろな矛盾が、うかびあがって、非常に興味ぶかい。

■あと、ハラナにとって、新鮮だったのは、自販機ではないが、パリにあるらしい「自動型公衆便所」。なんでも「歩道の真中にあるトイレボックスに入ってお金を入れると壁から便座がせり出してくる、用をたし終わるとまた便座が壁に吸い込まれて洗浄される」なんだとか
(笑)。■モノをうらないが、サービスをうるという点では、「スピード写真」「プリクラ」とも、にている。■SF的な わるふざけを はたらかせるなら、「薬物自販機」などはもちろん、「幻影自販機」や「カウンセリング自販機」とか「売春自販機」などまで、出現を警戒しておくべきかも(笑)