■フェロシルト問題を 内部からエグりつづける、某日記。すさまじい調査能力と破壊力。おそれいる。■2003年のフェロシルト認定(リサイクル製品)について、三重県が石原産業や三重大学との関係があやしいのではないかと、痛烈なツッコミ〔選任認定委員と所属(当時)〕をするだけでなく、今回のフェロシルト問題検討委員の人選についても、きびしい視線をおくっている。
■たしかに、「選任認定委員」の座長ほか1名と、今回の「フェロシルト問題検討委員」の座長ほか1名は、「三重県生活環境の保全に関する条例に規定する専門委員」〔2002/10/31〕として、同席している。■審査されるがわの人物と審査する組織とが、おなじ県の専門委員として同席するような経緯をかかえていて、冷静かつ客観的な判断がくだせるかあやしい。
■今回のフェロシルト問題検討委員の座長名古屋大教授廃水問題の専門家で近県在住と、まさに適任者のようだ。■しかし、石原産業によるフェロシルト廃棄が大問題となり、行政責任をきびしくとわれるがわにある三重県。それが、問題化したあとの委員選定でも、そういった人選をとったというのは、「李下に冠をたださず」という格言に、あきらかに もとる行為だろう。■要は、「フェロシルトの認定に係る選任認定委員」が4名全員 三重大教授で、うち3名は おなじ工学部と、ロコツにコネが連想される人選をさけて、すべて県外の有識者にして、イメージ刷新をはかったということにすぎないのではないか?
■のこりの2名、静岡大のY氏は 放射線の専門家、明星大のM氏は 「資源廃棄物学」専攻と、無難な人選にみえる。■しかし、だったら フェロシルトを「リサイクル製品」だという「おすみつき」をおこなった「選任認定委員」が「放射線量の測定頻度をあげること」しか進言していないらしい経緯などとあわせてかんがえると、少々、妙だろう。■なぜなら、?「選任認定委員」4名の先生方に、放射線の専門家は いなかったし、?にもかからず、放射線について 進言しているということは、関係者(県の官僚も委員も、もちろん石原産業など業者も)が 放射性物質の問題に自覚があったらしい、という問題が 皮肉にも浮上するからだ。■特に、官僚と委員の先生方は、どうもうしひらきするのか?

■某氏は、11月6日の「第4回フェロシルト問題検討委員会」〔11月6日(日)13時?,名古屋グリーンホテル大会議室〕を傍聴して、つぎのように指摘。
議題(2)フェロシルトにかかる認定審査プロセス

 主査 部会は室長クラスが出席
 委員 故意を見抜くのは難しかった
 座長 私もハンコ付いたと思う

三重県は認定検討会と専門部会で審査したとする資料を提出するだけで
未だに誰という「個」を明らかにしていないが
もしかしてうやむやにして終わらせるつもりかい?

いま君たちの目の前に当時の認定関係者がいるのに……
そいつに喋らせないなんてちゃんちゃらおかしいし
認定委員だった三重大学の教授らに聴き取りしないのなら馬鹿にするなと言いたい
マスコミも同罪だ

さらに

 メカニズムはわかった
 後は行政責任の追及に移っていく

と言いながら

 事務局と座長で時間をいただき整理したい

非公開協議で追及できるのですか?
最終報告書が楽しみですね

 リサイクルに後ろ向きになるのは避けたい

なんてピンボケした発言もしてましたが大丈夫ですか?
これは単なる大掛かりな偽装投棄事件ですよ
金の絡んだ経済事犯なんですよ

リサイクルと呼ぶに値しない認定品は一掃すべきだ
ぐらい言うべきではないのですか?
あなた自身も

 経済的に成り立たないリサイクルだった

と委員会後の記者会見でおっしゃってるじゃないですか
よくわかっているじゃないですか
そんなものに手を出して無茶苦茶したのが石原産業じゃないですか

三重大学と石原産業の癒着がなかったと言い切れますか?
大学と就職先もしくは共同研究企業との力関係ぐらいあなたなら百も承知でしょう
だから県は三重大教授を検討委員に委嘱させなかったのですよ
 

■このあとに、ウェブログをはじめとしたネット情報が検討委員にもつたわっているようすとか、ネット情報を行政当局が関心をもってよんでいるとか、記者クラブ制度で腐敗したメディアをとおさなくても、直で意見がとおる時代になったといった、元気のでる指摘があるが、ここでは割愛。■要は、?行政が業者の利害を保護する やくまわりをはたしていること、?その「おすみつき」を大学人が くりかえす土壌がなくなっていないこと、?しかし、そういった産学官の もたれあい三角形の責任を、すくなくとも大学人はおっていないかのような、うやむやが 今回もくりかえされそうなこと、が、くっきりと うきぼりになっている。■薬害エイズ事件でも、大学関係者は無罪判決をうけた。ふるくは、水俣病の原因解明や認定問題で、ウソ・デタラメをくりかえしただろう御用学者たちは、結局なにも責任をおわずに、一生をおくったのではないか?
■フェロシルトを「リサイクル製品」とみとめさせた大学人は、今後はたして責任をとわれるのだろうか? また 官僚たちは、どうなるのだろう? そして、記者クラブ経由で情報をテレながしてきたメディア、記者と編集長たちの、責任は?

■それにしても、大学の研究室と企業とが、就職口とか 共同研究とかで つながっていたら、公害摘発とか 環境アセスメントとか、そういった局面で、まったく たよりにならない、というか、モジどおり「御用学者」だろう。「お上」のみならず「御用商人」ともつるんでいるね。■「行政改革」やら「民営化」の一貫で、「独立法人」化した国立大学。これまで以上に心配だね。


【つけたし】ちなみに、きょうの『朝日新聞』
〔名古屋本社版社会面〕によれば、「認定委員」の4人は2001年当初は会合をもっていたものの、その後は戸別訪問にかわり、すくなくとも2003年3月のフェロシルトをリサイクル製品として認定した際にも、会合はもたれなかったそうだ。■県職員が石原産業の提出した化学分析の資料などを持参して個別に聴取しただけと。理由は、日程調整が「非常に大変」ってことで、「条例上も会合を開かねばならない規定はなく、問題はない」と、三重県の真伏秀樹・環境森林総務室長はのべているそうだが、くるしい いいわけだ。■三重大という地元大学の先生ばかりで、4人中3人がおなじ工学部で、いそがしい先生方を招集できないというなら、今回の先生方、県外ばかりで、あつまれるんですか? 東京からもあつまれるような「 ヒマな先生」では、逆に まずいんでは(笑)