■すこしまえになるが、秀逸な社会評論を展開する日記『★属国のビーチガール』に、「米兵がポルノサイトに提供した残虐写真」という紹介文がでた〔2005/10/05〕。■要は、ポルノサイトを運営する男性が、死体画像を提供した人物に、自分の有料サイトへのアクセスを無料にするというシステムをくんだせいで、大量の死体写真がポルノサイトをとおして世界中に配信されるという、グロテスクなはなし。
■このヘンタイ・サイト、もともとは、つまや彼女のエッチな画像をおくると、無料アクセスができるというシステムで運営されているようだが、それにくわえて、死体画像でも無料アクセス許可となったそうだ。■「属国のビーチガール」さんいわく、
駐留米兵はガールフレンドの写真なんて撮れません。危険地帯にいるのでクレジットカードも使えません。でも、このサイトにアクセスしたい。ならば、「リアルな戦争の生写真」を送ればかわりに無料アクセスOKにしますよ?と、ポルノサイトを運営するフロリダ在住の27歳の企業家は思いついたのでした
■ICチップとかによる年齢チェックじゃあるまいし、「18禁」の偽善的「門番」制には、めをつむろう。■問題は、運営者自身が「サイトの利用者の約三分の一、5万人以上が海外駐留の米兵だと推測して」いるってはなしだ。■「属国のビーチガール」さんの文章、もう少々転載。

9月29日のアルジャジーラの記事 は、ペンタゴンが捜査に乗り出したものの、「どの場所にいるどの兵士が投稿したのかわからないから」という理由で、早々と捜査を終了したことを報じています。

 しかし、アメリカイスラム協会(CAIR)のイブラハム・フーパー理事は、アルジャジーラに対しこう語っています。

 「捜査を終えるには早すぎる。われわれは3万人の米兵がこのサイトに登録しているという情報を得ている。この3万人は、軍から与えられた個人アドレスを使ってサイトに登録しているのだ」

 ・・・つまり、米兵の半分以上は、自分のIDがカンタンにバレちゃう軍のアドレスを使ってポルノサイトに登録したのね。アホや??。まー、結局は、ペンタゴンは「捜査終了・お咎めナシ」をさっさと決めちゃったので、投稿した米兵達は今頃胸をなでおろしてることでしょうけど。

■たしかに、日本の民間企業なら、組織のパソコンを業務外の私用、しかも いかがわしい目的に流用したという かどで、懲戒免職にあっても、モンクがいえまい。■調査を すぐに とりやめにしてしまった米軍当局の きもちも、わからんではない。およそ140万人ともいわれるアメリカ軍だが、そのうち3?5万もの将兵をクビにしたら、日常業務にさえ支障をきたすだろう。とりわけ、死体画像をディジタルカメラでおさめられるような最前線に はりついている将兵のなかで、しめるわりあいは、1わりとか、どういった水準に達しそうだから。■物資の流通・管理をになうロジスティックや通信部門だって、ブロックの中枢部門で数パーセント人材がぬけたら、パニックだろう。■そして、ロジスティックならぬ、人材補充は、マイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画「華氏9/11」がえがくとおり、かれの故郷のように、若者の半数ちかく
〔おおくはアフリカ系が失業している地区などを重点的にあたって「リクルート=新兵補充」しなけりゃいけないからだ。■とはいえ、先進地域であれば、被害者の尊厳/被害者家族の人権にかかわるような次元の大スキャンダルにあたるはずで、「どの場所にいるどの兵士が投稿したのかわからないから」といった、みえすいたウソをもちだして、捜査をやめてしまうのは、あまりにひどすぎる。
ベトナム戦争〔1960-75〕当時から、ロコツに 人命格差をつけて、人材を消耗させることをはじとしない「国柄」とはいえ、イラク戦争で露見した、米兵のよる「アブグレイブ刑務所」などでの虐待とか、沖縄戦以降、米兵は、レイプをはじめとした戦争犯罪
〔国際法でも厳禁された〕が やめられずにきた集団と断定してよい。■第二次大戦までの日本軍のひどさは、いうまでもないが、1940年初頭から、ほぼ10年おきに 戦争をくりかえしている米軍。しかも、すくなくとも60年間とぎれることなく、駐留軍として世界各国に基地を配備してきた米軍指揮下の20前後のわかものたちが、史上最悪のレイプ集団だったといってよかろう。■かれらのほとんど、たとえば99.9%が自制心をうしなわなかったにしても、50人ぐらいの レイピストは、常時発生しているという計算になる。60年間ずっとね。■戦地で、ひとをひとと、おもわなくなるよな精神状態、しかも もともと「人種差別」な意識をはぐくまれ、あるいは訓練で鈍感になるようにたたきこまれた わかものたちが、99.9%が自制心をうしなわないという保証など、できるはずもなかろう。
■そして、こういった ポルノサイトへの 人権侵害的アクセスを、おそらく 人材の 欠乏回避という理由だけで、黙認してしまうのは、ある意味、米軍という組織の構造的体質の必然的産物だろう。■せめては、アクセスできないように 処置ぐらいは したんだろうね。指揮官のみなさん。

■この件について、「属国のビーチガール」さんが、つぎのように のべる心情は、よくわかる。

 それにしても、自分のデジカメを戦場に持ち込み、こんなむごたらしい写真を撮影し、それにこんな最低のキャプションをつけ、ポルノサイトに投稿する神経って異常。ヤフー掲示板に「米兵の一部には確実に精神的に壊れた人たちが混じってますよね、こわっ」と書いたら、「米兵の神経を気分悪くなる程壊さないと、地球の裏側まで縁も無く恨みも無い他人を殺しに行かないでしょう。」とレスつけてくれた人がいました。たしかにそういわれたら、そのとおりかも。

■しかし、「確実に精神的に壊れた」一部の層だけでは、3?5万といった利用者にはならないだろう。これは、そう信じたい ごく普通のひとびとの願望にすぎない。■南京大虐殺にくわわった日本軍兵士の どのくらいが 「確実に精神的に壊れた」層だったろうか? かれらの大半が、ごく普通の父親として復員していったこと、戦後復興の にないてだったという事実こそ、おそろしいのである。■あるいは、ホロコーストを現場で運営したドイツの係官たちの大半が、ごく普通の、決して破綻した人物ではなかったという事実と比較してもよい。■だからこそ、戦争やファシズムは、くりかえしちゃいかんのだ。
■また、「米兵の神経を気分悪くなる程壊さないと、地球の裏側まで縁も無く恨みも無い他人を殺しに行かないでしょう」という認識も同様に、願望の産物だ。■ベトナム戦争や湾岸戦争での、戦争神経症やPTSDは有名だし、覚せい剤の起源が、軍需工場の夜間作業用に開発され、戦争末期には、知性あふれる学徒兵を特攻機にのせるための麻薬(「特攻錠」)だったことも、よくしられている。■しかし、兵士の大半は、やりたくない殺人を「任務」としてやらされているのだし、やらされた行為によって かなりの層が トラウマをかかえて後半生をおくることになる。■「神経を気分悪くなる程」こわされたから、「地球の裏側まで縁も無く恨みも無い他人を殺しに」いくのではなく、失業などで、いやいや志願した社会的弱者
〔アフリカ系や白人貧困層〕が、死刑執行者=刑務官のように、殺人を余儀なくされ、実際に一部は、「確実に精神的に壊れ」てしまうのだとおもう。
■ポルノサイトに無料アクセスをくりかえしていた米兵たちが、どのくらい 精神をやんでいたか、それはわからない。■しかし、因果関係をといかえすことなく、単に「悪魔のような存在」ときめつけるだけでは、なにもかわらないし、現実を直視しない 願望への逃避だとおもう。
■ちなみに、ハラナは再三、沖縄駐留の海兵隊員を危険だと、位置づけてきたが、それは あくまで潜在的被害者
〔女性や男児〕からの視点でとらえた属性=本質であって、アメリカ国内にもどれば、また社会的弱者にまいもどる層という位置づけと矛盾するわけではないので、読者は誤解しないでほしい。■あくまで、「海兵隊員といった、危険でセクシスト的空間を経験しなくても、失業せず、のぞむなら進学できるような制度を、超大国アメリカは、その巨大な国富のごく一部を再分配にまわせば、沖縄の住民も不安から解放される」という意味である。

■と同時に、「属国のビーチガール」さんの つぎの指摘には完全に同意する。

 ああ、しかし、なんで、日本のマスコミは、これを記事にしてくれないの? 今このブログを書いている現在、上記のアルジャジーラの記事は「もっともEメールされた記事」の第二位!なんです。ヤフーUSAも大きくとりあげてました。世界中でたくさんの人がこのニュースを読んでることは間違いないのに、なぜ日本だけ「無視」なの? 報道する価値のない、たいしたことのない事件だから? わたしにはアルグレイブ級、ランセットレポート級のショックだったんですが・・・・。

■ちなみに、「ランセットレポート」については、以下の文章などが参考になる。 
米国はイラク人死者数を数えることを拒否しているが、2004年10月に英国のトップ医学誌ランセットに掲載された調査は、米国侵略後に9万8000人の「過剰な死者」が出ていると報じている。この数値は実際には控えめなものである。というのも、米軍が行った最悪の攻撃の現場である「ファルージャの死者群」を除いているからである。「米軍侵略後、暴力的な死を迎える危険性は、戦争前の58倍になった」。
「これほど状況がひどいことはかつてなかった」(続き)