■本シリーズは、いわゆる 産廃の偽装処理としてのフェロシルト問題をとりあげながら、行政と業者の ユチャク、そこに動員される 研究者(「フェロシルトと御用学者」シリーズ)という、ある種普遍的な問題として、一貫した構図を問題化してきたといえる。■本日記の読者の一部には、東海地域など地方のズサンな行政の腐敗構造であるとか、一部の倫理観にかけた公害企業の不祥事、といった、「対岸の火事」視するむきがあるかもしれないが、「フェロシルト問題の本質」や「現代もひきずる四日市公害」、「三重県・環境保全事業団」「産廃ビジネスの経営学」「検証 岐阜県史問題」などでも論じたとおり、これは政官財学4者の構造的な権力犯罪であり、一地方/一企業の不祥事などの次元にはとどまらない。
■たとえば、三重県のフェロシルト問題を内部告発的に発信する某日記では、「文系のための「フェロシルト問題に関する検討調査最終報告書」の読み方 」は、三重県庁のHPに、「表紙からフェロシルト問題へ直接リンクなし」「広報責任者やる気ゼロ」という、痛烈な批判がかきこまれている。■たしかに、「石綿(アスベスト)に関する相談、問い合わせ」などが特記されながら、「フェロシルト」問題はHP=表紙にはみあたらない。■「環境」という箇所をチェックしてはじめて、「フェロシルト問題にかかる対応状況」(三重県環境森林部)にたどりつけるというのは、意識的な不作為だろう。
■「フェロシルト問題に関する検討調査最終報告書(平成17年12月15日)」という、三重県フェロシルト問題検討委員会の情報公開についても、つぎのように痛烈だ。

部下がなんちゃって知事に説明したポイントはこう推測されるという例

 六価クロムの生成および製品中への混入を予見することは難しく
 したがってこの申請書をもとに行われた認定審査に過失があったと断定することはできない
 しかしチタン鉱石中に不純物としてクロムが含有されていることは化学技術者にとって予見可能と考えられるから、その予見性がゼロではなかったと考えられる
  12月6日会見 
【中略】
さてこれを意訳してみますと
 申請書だけでは六価クロムの生成および製品中への混入を予見することは難しい
 だから県に過失はない
 しかし化学技術者=石原産業なら予見できる
 てことで県庁には化学技術者が存在しない

石原産業と名指ししたくないので『化学技術者』なる言葉で逃げたわけだが
そうすると県庁の技術屋は化学技術者ではないとしても
認定に関与した環境技術振興センターの研究者は立場がなくなるが
組織を守るためなら切り捨ててしまうのは朝飯前
【以下略】


■某日記の筆者が指摘するとおり、三重県は石原産業を、まだかばっている。刑事告発するにいたったのちもである。■これは、石原産業に責任転嫁しつつも、石原産業が証拠をできるかぎりかくしてくれることを、ねがっていることを、うかがわせる。

▼技術屋と事務屋、越えられない壁

 申請書に添付された「フェロシルトQC工程図」の中和酸化工程のpH管理目標値(pH8.1±0.2)も併せて検討すれば、フェロシルト自体に六価クロムが含まれることの予見性はゼロではなかった
 第5章 50頁 

ここに鍵があるのはわかっていたが
 中和酸化工程って具体的にどの部分を指すのか
 それが何を意味するのか
報告書は県の化学系の技術屋さんが書いたので
 技術屋が読めばわかってて当然という説明が省略されてて化学の基礎知識がない事務屋が理解するのは難しい
【中略】
言わんとしていることは半分くらい分かるが
スマン技術屋
わしのアタマではギブアップだ
次からは猿でもわかるような報告書にしてくれ

■技術者以外には できるかぎり わからないようにしたいという動機がロコツだ。■問題は、この報告書を第三者がちゃんと検証し、しろうとにもわかるようにするうことだ。それをしないかぎり、「専門家」=三重県フェロシルト問題検討委員会の 「結論」の位置づけができない。「三重県フェロシルト問題検討委員会」は、三重県が事実上指名したのであって、第三者機関だなんて、だれも信じないしね。



田中議長より松林総括に責任ありという文章では、県議らが企業とむすびついていること、それを報じた地元紙も、ネット上への公開はおさえこんでしまったことなど、あやしげな腐臭がただようが、行政内部に、やはり責任をおうべき人物が実在することにせまる。


疑惑の議員 

……議員だけでなく意を汲んだ職員こそ実名で書かないといけないのに
分からないで濁すのはバランスを欠く報道だよ中日新聞さん
田中議長より松林総括のが責任ありでないかい?


▼総括の性格

 窮地に立つ幹部

捜査に協力すると称し同行してみたり
はたまた環境省のお墨付きが欲しいと発言してみたり

そうかと思えば
国がやらぬなら三重県が先頭切ってやってみせる
とか北川かぶれな事を言ってみたりして
気の小さい人なのか大風呂敷なのかよくわかりません

ご都合主義にもほどがあるってもんだが
産廃税の立案当初から産廃行政に深く関わり続けるキーマンは
彼だけである

 環境部職員録 
 座談会 

知らない分からない覚えてない
で済ませられる話ではない


■やはり、こういった 特定の人物にたどりつけるのだ。■もちろん、特定の「悪者」のせいで、事態がわるくなったはずがない。そういった人物を許容するような政官財学のユチャクが構造化している「風土」がある。日本列島全土に。


■寺町ともまさ さんの 追及も、腐臭をかぎわけている。


◆石原産業と三重県共同研究サンプルから六価クロム110倍検出。研究情報非公開で訴訟準備



 三重県は12月になって、「石原産業株式会社との共同研究時における研究用サンプルについて」という発表をしました。
 新聞報道「110倍の六価クロム検出 研究用のフェロシルトから」は、このページの最後に引用しておきます。
 私たちは、先立って、11月14日に 三重県知事へ申し入れ を行っています。


 (再掲・抜粋) 「・・三重県は・・石原産業のフェロシルトなどを使い植物育成効果に関する研究を行いました。しかし・・フェロシルトの使用でパンジーには「育成が抑制される」、ハクサイやモロヘイヤについても「草丈の伸長が抑制された」と評価しています。植物の生育「抑制」はフェロシルトが「毒」であることを意味します。・・それにも関わらずリサイクル製品として認定し、販売促進に荷担しました・・・・また、共同研究の結果は公開されるべきものですが、三重県はフェロシルトに関する植物育成効果の有無に関しては公開していません。植物にとって害があるとの結果が公表されていれば、・・・」
 私たちは、科学者が試験研究するに当たって、材料(この場合、フェロシルト)の成分分析をしないことは通常考えられないと指摘しました。つまり、本来なら、この段階で、フェロシルトがきちっと分析されていたはずだと。

● 12月9日の三重県発表の冒頭は、

 「平成14年度、15年度に科学技術振興センターが石原産業株式会社と共同研究を実施した際に用いた、フェロシルトから特別に加工された研究用サンプル等で、現在センターに残っているものについて、六価クロムとふっ素の溶出試験及び放射線量の測定を行いました。
 その結果、フェロシルトから加工された研究用サンプルについては、7検体のうち1検体のみから、土壌環境基準値を大きく上回る六価クロムが検出されました。
 ・・なお、このサンプルは研究用に特別に加工されたものであり、これまで埋め戻し材として使用されたフェロシルトとは異なるものです。・・
 1 研究用サンプルの分析について
 (1)平成14年度、15年度にセンターが石原産業株式会社と「農業用土壌改良資材、花壇苗・野菜苗・水稲育苗用土、汚泥処理への活用」の共同研究を行いました。・・」
 以下略。
 詳しくは 平成17年12月10日
 をご覧ください。なお、関連資料として「研究サンプル名等と分析結果」「科学技術振興センターで保管しているフェロシルト加工品等」もリンクされています。
 「別物のフェロシルト」と言って逃げるとは想定外でした。
 これが三重県?
 だって、そもそも「正規のフェロシルトは3%」程度だったというし。 
 関連は 11月14日のブログ

● 三重県としては信じられない非公開姿勢
 上記の申し入れは 兼松さん と行いました。
 三重県は、前北川知事の時代に情報公開では全国トップレベルになりました。私も何回か公開請求しましたが、キレイな文書(隠さないということ)に好感を持ちました。
 ところが、今回、三重県の共同研究について二人で公開請求したところ、ナント、非公開部分がいっぱい。変な共同研究をたくさんやっていて、それを隠したいのではないか、と受け止めざるを得ない状態です。 「何もないかもしれない、でも、何かあるかもしれない」 率直に、そう感じています。
 ということで、この冬休み中に、訴訟の準備をする予定でいます。
● 標記の新聞記事
 110倍の六価クロム検出 研究用のフェロシルトから
 石原産業(大阪市)の土壌埋め戻し材「フェロシルト」から有害物質が検出された問題で、三重県科学技術振興センターは9日、同社との共同研究で使ったフェロシルトのサンプルから環境基準の110倍の六価クロムが検出されたと発表した。
 同センターによると、サンプルは2002?03年度に実施したフェロシルトの植物育成効果を調べる実験のため、同社が約100キロを提供した。
 研究用に特別に200度の高温で乾燥させ、粒状にしたもので、各地で埋め戻し材として使われたフェロシルトと性状が異なるという。同センターは「高温で熱した際の化学反応で大量の六価クロムが発生したようだ」としている。(共同通信12月9日)


■石原産業をめぐる産廃事件にとどまらず、三重県の産廃行政は、前知事時代にこそ責任がある。■しかし、それにもかかわらず、現県政は、前知事時代以上に情報をかくそうとしてるいる。なぜ、全部「責任転嫁」しないのか? ■それは、知事と退職した官僚・議員以外、県庁・議会としての連続性があり、当然、当時の当事者が「現役」であり、「腐臭をもとからたつ」という態度は、とれないのだろう。みてみぬふり、ないし、ふしあなだった、周囲の関係者にとっても。■日本列島全体にあてはまることだろうが、「ムラの はじは、絶対にさらすな」という論理が、この問題にも貫徹しているような気がする。

寺町さんの、この文章に対するコメントの応酬も必見だ。


■寺町さんの「◆岐阜市の不法投棄の後始末方針の方向付け。フェロシルト問題と似るところ。」でも、第三者機関たりえない「検討委員会」の普遍性=腐臭を、かぎとれる。■ニヒリズムは不毛だが、研究者への不信感はもっと組織化され、権威主義は解体されるべきだ。真の意味での第三者機関を制度化しなければ。