先日紹介した 元産廃Gメンの行政書士、尾上雅典(おのえ まさのり)氏のメールマガジンの最新号を転載【冒頭部の口上、省略】。
■産廃処理の巨視的状況が、非常によくわかる解説。

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よく分かる!!廃棄物問題(第37号) 2006.5.11 発行
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□ご挨拶
【略】
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□ 監視カメラの功罪


 プロセスカット・・・・

 チーズの商品名みたいです(笑)。
 プロセス(過程)のカットのことですね。
 日本は資本主義社会ですので、お金を出せば、ほとんどのことがプロセスカットできます。
 私の事業の一つである行政書士は、それの典型例ですね。
 「面倒な許認可関係の手続きを、あなたに代わってやりますよ!」というわけです。
 経済原則が働く世界では、あらゆる行動原理の根本に、このプロセスカットがあります。
 しかし、プロセスカットすべきではないものも、たくさんあります。
 今回から、「プロセスカットすべきではないもの」の連載を始めたいと思います。
 記念すべき第1回は、「監視カメラ」です。
 数年前、ある少年が幼児を殺害した時商店街の監視カメラに、少年と殺害された幼児の2人が一緒に写っていたことが決め手となり、スピード解決したことがありました。
 そのことをきっかけにして、全国の商店街で、監視カメラの導入が進みました。
 商店街利用者のプライバシーや肖像権を侵害しないよう、慎重に運用しなければならない問題がありますが、「商店街内」だけに限れば、監視カメラの設置により、犯罪が減少したようです。
 「ようです」というのは、正式な統計資料がないためです。

 ただ、人間が体感する治安状態というものも非常に大切ですので、「商店街の監視カメラの設置効果は無かった」と言い切ることは、適当ではありません。
 では、なぜ、商店街の監視カメラに犯罪の抑止効果があったのか? を考えてみます。

理由1 犯罪の模様が録画されることにより、検挙される確率が高くなるのを犯罪者が恐れた
理由2 監視カメラを通して、カメラの向こうに座っている人間の視線を意識するようになり、自制心が生まれた
理由3 上記の理由1・2と相まって、犯罪者が商店街を忌避するようになった

 上記では、便宜上「犯罪者」という用語を用いていますが、正確には、「犯罪をしようと意図していた者」という意味です。
 実際に犯罪をしていない以上、「犯罪者」とはなりえないからです。

 上の3つの理由で大切なのは、「1」よりも「2」と「3」です。

 従来、「犯罪者は、理由1のような、直接的な罰則の適用を恐れるため、犯罪をしなくなるのだ」という考えが大勢を占めていました。
 もちろん、そういった効果があるのは事実です。
 しかし、罰則を強化していくだけでは、犯罪は一向に減りません。
 それは、中国の老子の時代から言われていることです。

 では、何が重要か?

 上記のように、犯罪が発生しにくい環境を作っていくことだと思います。

 このあたりのお話は、下記の書籍に分かり易く記されています。

 犯罪は「この場所」で起こる 光文社新書
 小宮 信夫 (著)
 http://amazon.co.jp/o/ASIN/4334033199/sangyohaikibu-22/ref=nosim


 ここまでは民間部門のお話です。
 今、日本で密かに進みつつあるのは、公的部門での監視カメラの普及です。
 駅や行政庁舎への設置のみならず、積極的に監視カメラを活用?しようと動き出した行政が増えました。
 行政の真意はどこに?
 そして、監視カメラの効果はあったのか?

 次回に続きます。
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□編集後記
【略】
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 今日もありがとうございました。

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■小宮信夫『犯罪は「この場所」で起こる』〔光文社新書〕については、以前、批判をかいた。■小宮氏の予防論が、犯罪予備軍がその気になりそうな空間=死角をシラミつぶしにするという姿勢で議論を展開している点については、総論的に賛同し、しかし、監視社会的な規制については鈍感らしいことを指摘しておいた。いまのところ、つけくわえることはない。
■尾上氏がどのように、小宮氏の議論をふまえつつ産廃アウトローの監視網を具体化しようというのが、注目したい。

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