■インターネット新聞『JANJAN』から転載。■米軍の18番。無意味な誤認殺人と、その隠蔽〔インペー〕



米軍の市民殺害隠蔽工作 2006/06/19

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【バグダッドIPS=ダール・ジャマイル/アルカン・ハメド、6月12日】

 米海兵隊によるハディサ市民虐殺事件の調査が行われる中、サマラ市では、出産のため病院へ急ぐ2人の女性が米軍により射殺された。

 同事件の調査に当たったある人権擁護団体の調査員(イラク人)によると、「殺された2人は共に後方から頭を射抜かれ、車を運転していた妊婦の兄は飛び散った脳を浴びていた」という。
 米軍は、「検問所」の標識があったにもかかわらず車が進入して来たため、何度も停車するよう促したが、警告を無視したため車めがけて威嚇発射したと説明した。しかし、車を運転していた兄のジャシムさんも近くに住む2人の目撃者も、標識は出ておらず、警告も発せられなかったと証言している。

 ハディサ同様、この事件でも米軍の隠蔽工作が見え隠れする。先述の調査員は、「標識が付けられたのは、事件直後のこと。射撃した米兵は、2人を助けようともしなかった」と語っている。

 ジャシムさんは翌日警察に呼ばれ、米軍から5,000ドルを渡された。その際彼らは、「これは賠償ではなく、習慣によるもの」と語ったという。ジャシムさんは、この申し出を断った

 米国防総省は、2005年の対イラク人賠償は1,900万ドルとの報告を議会に提出している(支払いの半分は海兵隊による)。軍は、600件の事故に対する賠償と説明しているが、非戦闘員の死亡に対する賠償は通常2,500ドルであることから、死亡者は数千人に上るはずである。

 ジャシムさんは先ほどの調査員に、「米軍通訳から英語の文書に署名するよう要求され、意味も分からず署名した」と語った。通訳は、彼に2,500ドルを支払おうとしたが、彼はそれを拒否したという。調査員は、「米軍は犠牲者を騙そうとしたのだ。事実解明には米軍ではなく、第3者の独立調査が必要だ」と語った。

 イラクにおける米軍の市民射殺事件について報告する。(原文へ

翻訳/サマリー=山口ひろみ(Diplomatt)/IPS Japan山口響

IPS関連ヘッドラインサマリー:
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イラク、孤立し爆発寸前のシニヤ
イラク:破壊は再建より易し
イラク:町が刑務所になった

(IPSJapan)

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イラク戦争が、徹頭徹尾デタラメな根拠で開戦(というか、一方的攻撃開始)されたことは、いまや世界中の常識的な事実だが、日米の大半の国民は、御用メディアにダマされて、いまだサッダーム・フセイン体制をたたきこわしたことを、ソボクにいいことと、信じている。ないし、そうおもいこもうとしている。■そして、なにしに駐留しにいったのか、さっぱりわからない自衛隊イラク派遣
……
迫撃砲による駐屯地攻撃が数回にわたって発生したが、奇跡的に死傷者は出なかった。サマワは地方都市であるため、首長間や住民同士の付き合いが濃密で、市外からのテロリスト・武装勢力が侵入しにくい点が、専守防衛に徹しなければならない為にテロを阻止することができない自衛隊の救いになっている。首長の1人は「自衛隊に手を出したものは一族郎党皆殺しにする」と公言し、サマワ住民が自衛隊を守っている面が多々ある(当初、日本の一部メディアは「自衛隊はオランダ軍に守られている」という論調で報道したが、オランダはムサンナ州全域を警備しているのであって、自衛隊もその影響下にあるとはいえ、駐屯地を守っているのは自衛隊の警備要員であり、豪軍に変わっても同じである。)。
……
2005年(平成17)5月末から6月にかけて、自衛隊への投石、日章旗落書き、手製爆弾攻撃(負傷者なし)が一時的に発生した。このため急遽、任務が終わった給水要員の一部を転用して警備要員を増やし、駐屯地外での活動を削減するなどの対応をとった。自衛隊の活動内容と、一部の地元首長や住民の要望に乖離があったためと見られるが、日本はサマワに対して資金的な援助も行っており、この資金の分配を巡って首長間の意見対立が起こり、一連の事件の要因になっているとも言われる。事件後に陸上自衛隊がサマワ市長に苦言を告げたところ、このような行動は一切無くなった。また自衛隊では、これらの事件のたびに各首長と面談し、自衛隊の活動に理解を求めると共に、自衛隊の活動停止をカードとして、首長や住民代表と慎重な調整を行っており、サマワの平穏をもたらしている。
「Wikipedia 自衛隊イラク派遣

■「サマワ自衛隊、早ければ月内撤退開始も」とかいうんだけど、どんな成果があったわけ?■米軍が各地でくりかえしている無意味な虐殺・拷問とかの、お先棒かつぎって位置づけの自覚は、自衛官にあるんだろうか? ■戦地(ということは、違憲状態なはずだが)で、ご苦労なことだが、その分スマトラ島沖地震の被災地にもっとはりつくとか、ジャワ島中部地震に即応するとか、そういった復興事業の方が急務ではないのか?
■そして、ブルドーザーやらの土木作業をのぞけば、ペシャワール会のような、まるごしの市民ボランティアの方が、現地住民に不安感をあたえないし、平和的復興が促進されるはずだが、サマーワといった地方都市に、何百人も軍人がはりつく必然性があったのか?