■もう、成立して1か月もたってしまったが、「とおってしまったからには、しかたがない」では、すまないとおもうので、論点整理。


沖縄タイムス』社説(2006年5月18日朝刊

[改正入管難民法]監視社会にしてはならぬ

 改正入管難民法が参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立した。十六歳以上の外国人に入国審査時の指紋採取、顔写真撮影を原則として義務付けるという内容だ。
 改正案は、米中枢同時テロなどを受け、政府が二〇〇四年十二月に策定した「テロの未然防止に関する行動計画」を踏まえたものだ。

 指紋などの生体情報をコンピューターに登録し、過去の強制退去者らと照合し、テロリストが別人に成り済まして入国するのを阻止することができるとしている。法相「テロ関係者」と認定した人物は強制退去させられる規定も盛り込まれている
 在日韓国・朝鮮人特別永住者らを対象外とする規定はあるものの、人権の観点、運用規定などに問題点があることを指摘しておきたい。

 蓄積された指紋情報は、個別の事件で捜査機関から刑事訴訟法に基づく照会があれば、提供されることになり、指紋照合の目的外利用が常態化する恐れがある点だ。さらに、それらの情報の保管期間が「当分の間」と明確になっていないこともある。

 日弁連は「プライバシー権や自己情報コントロール権を侵害し、外国人があたかも危険な集団であるかのような偏見を生む恐れがある」と指摘している。

 難民受け入れに積極的ではない日本だけに、地域社会の一員としての外国人に対し、差別と偏見が生まれることのないようにしなければならない。

 法相が判断し、強制退去処分にできるのは、航空機の爆破などテロ資金提供処罰法が定める「公衆等脅迫目的の犯罪行為」の実行や準備を行う恐れがある外国人としている。

 テロへの過剰反応で恣意的な判断がなされないように歯止めが必要だ。退去処分とする認定要件を、あいまいにせず厳密にすることが重要であろう。

 テロは許されるものではない。未然に阻止することは必要だが、治安維持を名目にした監視社会にしてはならない。慎重な対応が求められる。

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■以前ものべたことだし、弁護士さんたちも心配しているが、?「蓄積された指紋情報は、個別の事件で捜査機関から刑事訴訟法に基づく照会があれば、提供されることになり、指紋照合の目的外利用が常態化する恐れがある」という不安は、ぬぐえない。■これは、徹底的な監視以外になかろう。監視カメラ同様にね。
■?「外国人があたかも危険な集団であるかのような偏見を生む恐れがある」という不安も同様だが、同時に、これは日本国内部にも「非国民」をうみだしかねない。■以前ものべたとおり、セキュリティーを理由に、「指紋などの生体情報をコンピューターに登録し」、入場を拒否するとか、さまざまな「危機管理」のなのもとの排除が実現しかねない。
■?それと、やっぱり、共謀罪とのからみだろうね。


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