PAC3「ノドン迎撃は無理」 沖縄配備で梅林氏指摘


 米国の情報公開法を活用し在日米軍の実態を調査するNPO法人ピースデポ梅林宏道代表が29日、宜野湾市内で開かれた沖縄対外問題研究会宮里政玄代表)の会合で講演し、米軍のパトリオット・ミサイル(PAC3)の沖縄配備について「落とす(迎撃対象の)ミサイルがない。PAC3は移動式で、沖縄に置くのは沖縄から外へ迅速に持っていくための意味だろう」と述べ、沖縄防衛のためだとする日米両政府説明に疑問を呈した。また在沖 米海兵隊グアム移転で恒常的に減るのは約4千人にとどまるとの見方を示した。
 梅林氏はPAC3は戦場の軍隊を守るためのもので、射程数100キロ程度の短距離ミサイルが対象だと説明。迎撃する弾道ミサイルは飛距離が長ければ速度が速くなり、射程約千キロとされる北朝鮮のノドンミサイルのPAC3での迎撃は「無理だろう」と指摘した。
 在日米軍再編での在沖米海兵隊員約8千人のグアム移転に関連して、米情報公開法で明らかにした部隊数などから推測し「4千人くらいが司令部で、残りはローテーション(交代)部隊。(現状から)恒常的には4千人くらいが減ると考えている」と述べた。
 米軍がなぜ沖縄駐留にこだわるのかについて「アメリカが今一番沖縄の海兵隊で大事なのは(住宅などの)インフラ。これを手放せないのが最大の理由だ」と指摘した。その上で「現在の米国の軍事的要求からすると、より機敏に動けるセンターとして、日本の資金でグアムに移った方が絶好のチャンスと考えている」と話した。

(7/30 10:23)
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■この件については、以前「テポドン―MDに関して」というページをコメント欄で紹介している。本文で「■アメリカが成功していない「ミサイル防衛システム」。日本軍が実用化しているはずがないよね。だって、はらいさげなんだから。人工衛星ひとつ、まともにうちあげることに必死になるような技術水準のくにが、ミサイルを迎撃なんて、わらいもの。■それに、巨額の予算が執行されるこの国のおめでたさ。ナショナリストを自任する層は、なにをやっているのか自覚しよう。」とツッコミをいれつつね。
■「日本版BMD」とかいうけど、「PAC-3」っていうシステムは、梅林さんの指摘どおり実用性が全然ない(笑)。
■以前紹介した「てっく」さんの文章には、実によくわかる図解があるが、文章を一節だけ転載しよう。
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陸上配備のPAC3なんてのは、対航空機用のPAC2と比べて射程が格段に短い
地図を見ても分かるように、陸自の基地に配備しただけじゃカバーしきれない
(というか、カバーというよりは「点在」って感じ、ムチャクチャ小さいほうの円がPAC3の射程ね)
で、カバーしなきゃいけないところってのは・・・都市部でしょ?

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■「ムチャクチャ小さいほうの円」が、いかに極限されているか、地図でたしかめてほしい。ホントわらえるから(笑)。

■それにしても、日本政府は、どこまで沖縄をバカにするんだろう。単なるメイドつき「巨大浮沈空母」だって現実を、一所懸命かくしている。
■それと、日本人はどこまで鈍感なんだろう。■日本軍が沖縄の住民をまもったことなんか、一度もない。アメリカ軍もね。単なる巨大なリスク/ムダであり、「失業対策事業」だなんて、デマにのっちゃいけない。

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