■すてみ(?)のジャーナリズム 情報紙「ストレイ・ドッグ」(山岡俊介取材メモ)から、妙になごむエッセイ。


<日々歳々>(20)
先週、TVのワイドショーで「民家で被害急増。ならず者を追跡!」との番組をやっていた。タイトルに釣られ画面に目を向けると、水槽の熱帯魚や農作物が何者かに食い荒らされ、それを番組のリポーターが“重大事件”のように報じていた◆ならず者の正体は、北米原産のアライグマであった。アライグマは哺乳類の一種で、前足を水に突っ込んでカエルやザリガニなどを獲る姿が手を洗っているように見えることから、その名(洗熊)がついたそうだ。実際、アライグマの愛くるしさは、パンダに劣らない可愛らしさである
アライグマは、日本には生息しない動物だ。しかし、近年のペット・ブームで日本に輸入された後、飼い主が遺棄もしくは逃亡し、野生化した。野生化したアライグマは、天敵のいない日本で急速に生息域を広げ、今や全国で繁殖している。すごい生命力だ。彼らは、故郷の自然環境とは異なる経済大国の都会で、子を養い、子孫を残すために逞しくも、一生懸命に生き抜いてきたようだ◆テレビの画面が変わった。今度は、アライグマの巣を直撃すべく、民家の屋根裏にカメラが入った。ライトが天井裏を照らしたその時、隅っこの方で何かが動いた。リポートがカメラを向けるよう指示した。するとそこに、アライグマの子が脅えるよう身を屈めていた。アライグマの子は、親の留守時に襲ってきた突然のまぶしさに、天が落ちてきたような驚き…、恐怖に慄いてしまったのだろう◆彼らは元来、人間を襲ったりはしない。でも、人間さまに害を及ぼしている以上、「ならず者」と名指しされ、「狂暴な動物」とのレッテルを貼られても何もいえない…、それが人間さまのエゴ、ルールだから仕方ない。アライグマたちは、日本に連れてこられた運命をして、人間に牙をむく「ならず者」に徹してでも生き延びようと決心したのかもしれない◆パンダのように大切に育てられている動物もいれば、アライグマのような動物もいる。動物の運命も、人間と同じようなドラマで、紡がれていくのだろう。

■おつぎは、定番の『Wikipedia』から。

日本での野生化と害獣化〔Wikipedia アライグマ から抜粋〕

アライグマは北米原産であり、日本には生息していなかった。 しかし、近年ペットとして飼われたアライグマが遺棄もしくは逃亡したものが野生化するようになった。 国内で初めての野外繁殖は、1962年に岐阜県可児市で確認された(愛知県の動物園からの逃亡個体)。

野生化アライグマは、天敵が日本にいないため、急速に生息域を広げ、40を超える都道府県で生息確認され、北海道・東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県・石川県・岐阜県・愛知県・京都府・和歌山県で繁殖が確認された。 特に神奈川県三浦半島は、生息密度が高いことで知られる。

個体数が増加するに従い、農作物被害や野生在来種への脅威が増大している。 アライグマは知能が高いため、被害を受ける農家での防御手段は防除以外は存在しないと言ってよく、また捕食者の地位にあって食欲旺盛・繁殖力大・天敵不在のアライグマは、生態系に致命的な打撃効果を与える力をもつ。加えて狂犬病の媒介者となることも懸念されている。

アライグマのほか、ブラックバスやタイワンザル等、外来種(外来動物・外来植物)の問題は、生態系保護の観点から急務となっていたが、その解決を目的として、「外来生物法」が制定された。 同法では人的被害や環境影響から守るため、これらの外来種を防除できるとする。 しかし、防除対策の実行主体である自治体へは、一部の過激な動物愛護団体とその賛同者が、アライグマの防除を殺戮と決め付けて感情的に反対し圧力をかけつづけている。逆に、自治体の外来生物種対策は不充分であるとの意見もあり、推進派と反対派の対立がみられる。

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■人間というか、日本人のみがってって、すごくないか?■ニホンといっても、沖縄では、マングースっていうのが、毒ヘビの ハブの天敵にということで、輸入、はなたれた(こちらは、ペットをにがしたり、すてたりではないが)。
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沖縄に導入されたマングース
沖縄島のマングースは、ハブや野ネズミの駆除を目的として、明治43年(1910年)に導入された。動物学者・渡瀬庄三郎の勧めによって、インドで捕獲されたハイイロマングース(ジャワマングース、インドマングースであったとも)29頭が、沖縄島の那覇市および名護市周辺、渡名喜島に導入されたという。渡名喜島では定着しなかったのものの、沖縄島では着実に数を増やし、沖縄島北部の山岳地帯を除く広い範囲で生息が確認されている。また、奄美大島でも、1979年にマングースが放されて定着しているが、放獣した人物は不明である。

被害
沖縄島には、元来ネコ目の動物は生息していなかったが、マングースの導入により生態系のバランスが崩れ、特別天然記念物であるヤンバルクイナをはじめ、ホントウアカヒゲ、ノグチゲラ、ケナガネズミといった固有種や絶滅危惧種の生息が脅かされている。奄美大島でも同様で、特別天然記念物のアマミノクロウサギや天然記念物のトゲネズミのほか、島の固有種で推定100羽ほどしかいないオオトラツグミや、同じく固有種のオーストンオオアカゲラ、さらに、ルリカケス、アマミヤマシギ、イボイモリなどの捕食も危惧されている。

これらの島では、従来、ネコを除けば生態系の頂点はハブであり、固有種の多くはもっぱらハブに対する防御手段を発達させているが、これらはマングースには通用しないことが多い。

また、養鶏農家がマングースに卵やひなを襲われる被害も出ており、さらに、マングースには人にも伝染するレプトスピラ菌の保菌率が高い。ヒトがレプトスピラ菌に感染すると腎臓が侵され、最悪の場合、死に至ることもある。マングースが狂犬病ウイルスを運ぶ可能性もあると言われる。

環境省(旧環境庁)では、2000年度から奄美大島のマングース駆除事業を行っている。大和村の環境省奄美野生生物保護センターによると、2003年度までの4年間に、マングース約1万2千匹が駆除されたが、生息分布が島全体に拡大し、年々捕獲が難しくなっており、当初の五年計画の撲滅は不可能と見られている。

また、2002年1月、環境省は沖縄本島北部の山原(やんばる)地区で、希少野生生物の保護のため、マングースとノネコの駆除を始めた。沖縄県は2002年10月からマングースの駆除を始め、その後ノネコの駆除も開始している。

2004年5月には、移入種対策を盛り込んだ特定外来生物生態系被害防止法が成立し、環境省ではマングースを集中的に駆除する方針だが、マングースやノネコの捕獲・殺処分を残酷であるとして、一部の動物愛護者の間からは反対運動も起こっている。

「ハブ殺し」の誤り
現在では、マングースは実際にはハブをほとんど捕食しないことが知られている。

奄美大島のマングースの糞から発見された獲物としては、昆虫・クモ・多足類が多く、そのほかに、アマミトゲネズミ、アマミノクロウサギ、ケナガネズミ、ワタセジネズミ、アカヒゲ、バーバートカゲ、キノボリトカゲなどが見つかっているが、これらはいずれも絶滅危惧種である。一方、このときの糞の分析からは、肝心のハブの捕食は、まったく確認されなかった。

考えられる理由の1つとして、わざわざ危険なハブを獲らなくても、島にはマングースの獲物となる動物が数多く生息することが挙げられる。また、ハブが夜行性であるのに対して、マングースは(厳密に言えば)主に薄明性であり、両者は時間的に棲み分けが可能である。すなわち、人間によって移入されたマングースは、期待されたように、(野犬・野猫を除けば)これらの島々の生態系ピラミッドの頂点に位置するハブを駆逐してこれにとって代わるのではなく、時間的な棲み分けによってハブと共存し、ピラミッドの頂点にハブと並び立つことによって、餌となる動物たちを著しく圧迫する存在となっている。

ちなみに、奄美大島では、マングースの放獣以前に、ハブ駆除のために2,363頭のホンドイタチが放されたが、間もなく絶滅している。これは、イタチがハブの攻撃を避けるすべを知らなかったためと見られる。

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■わるいのは、どうみても ヒトである。■沖縄のタレント藤木勇人が、「ハブとマングースー」って、徹底的な皮肉を、ひとり芝居でやったのには、当然の事情があったんだ。

■ハラナは、「ムシキング」の設定みたいに、「外来種がせっかくの秩序をみだして平和がこわれ……」式の排外主義は、ウルトラマン以前の知的野蛮(鎖国論)だとおもうが、「ゲームフィッシング、どこがわるいの?」式のスポーツ感覚で動物虐待をたのしむ「バスフィッシング」も、キツネがり同様、野蛮な趣味だとおもうから、放流するなよと、かんがえている。■しかし、一度もちこまれて、はなたれた動物には、責任はないんだな。
■わるいのは、どうみても ヒトである。自業自得。つみほろぼしの「人生」をおくるほかないじゃないか?■Wikipediaの「アライグマ」と「マングース」の記述がいかにひどいか、みがってな人間中心主義をよーくあじわおうじゃないか。