■もちろん、前回の続編。

環境省、奄美のマングース根絶へ「バスターズ」増員
 鹿児島県・奄美大島で2015年までに外来種マングースの根絶を目指す環境省奄美野生生物保護センターが、駆除に携わる専従スタッフ「奄美マングースバスターズ」を増員するなど態勢強化に乗り出した。

 保護センターは、昨年度結成したバスターズを8月、12人から23人に増員したほか、わなを従来の2倍の2万個確保。車両は5台から13台に増やした。

 バスターズは本年度中にもさらに増員予定で、マングースの捕獲が困難な林やその周縁部にわなや自動カメラを設置し毎日点検。捕獲のほか、在来生物も含め生態のモニタリングを行う。

 東京の環境専門学校を卒業後、友人とともにバスターズの一員に加わった埼玉県出身の小林淳一さん(22)は「奄美の自然に興味があった。この島の特徴的な生物を守りたい」と意欲を語る。

 27年前、ハブ駆除のため同島中部に導入されたマングースは、畑の作物を食い荒らしながら島の南部へと生息域を拡大してきた。ハブを捕食することはほとんどなく、アマミノクロウサギなどの希少生物の被害が大きいとされる。〔共同〕 (15:47)

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■あのさ「この島の特徴的な生物を守りたい」なんて、ソボクにいっちゃっていいの、首都圏のひと? ■この論理をヒトにあてはめるとさ、南北アメリカ大陸/オセアニアに入植したヨーロッパ人や、シベリアに進出したロシア商人たち、そして北海道に入植した農民たち(もと武士)とかは、先住者たちをころしたり、だましたりしながら「生息域を拡大してきた」から、駆除されなきゃいけない、ってことになる。■「マン・バスター」の養成こそ、先住者たちのみかただろう。そして、「マン・バスター」による「ヒトの駆除」こそ、生態系の回復の根本的解決策だろう。
■比較的冷静に淡々と事態を紹介しているのは朝日新聞である。

ヤンバルクイナ、推定生息数が717羽に激減
2006年09月12日10時21分(asahi.com)
 沖縄本島北部、山原(やんばる)の森にすむ国の天然記念物ヤンバルクイナの推定生息数が「717羽」に激減した。山階(やましな)鳥類研究所(千葉県我孫子市)の01年調査で出た1220羽から4割以上減り、絶滅の危機が高まっている。

 生息調査は05年10月、沖縄県国頭村(くにがみそん)などで実施した。ヤンバルクイナが仲間の声に反応する習性を利用して、録音した声を流して反応数や方向から推計した。

 環境庁による85年の調査では「約1800羽」だった。その後、生態が明らかになり、調査の精度が上がったため、単純な比較はできないものの、生息域も狭まっている。南限は20年間で約15キロ北上し、生息域は約4割減少した計算だ。

 原因は、沖縄本島中南部から分布を広げたマングース、捨てられて野生化したネコ、ハシブトガラスによる捕食が大きいとみられる。とくに農耕地でカラスの群れが目立つようになり、ヤンバルクイナの巣から卵を盗むカラスも目撃されている。ヤンバルクイナの生息地をフェンスとネットで囲んだ「保護シェルター」や、マングース侵入防止フェンスもできたが、効果は未知数だ


 山階鳥研の尾崎清明・標識研究室長は「717羽という数字は日本固有種では最少で、絶滅の恐れが強い。カラスを減らすなどあらゆる手段を試みるべき段階ではないか」と話す。



■一方、地元ゆえに一歩ふみこんだ次元まで議論をすすめつつも、「希少種」死守の意義はなんなのか、自己矛盾に無自覚な、少々気の毒な例が『沖縄タイムス』の以前の記事。

<2004年10月30日>
マングース阻止網
希少種保護へ設置急げ

 沖縄本島北部で急速に生息域を広げているマングースの北上を阻止するため、県は来年度、「防衛線」としてフェンスを設置する方針だという。
 これまで実施してきた「かごわな」方式では北上の勢いを止めることができず、さらに厳しい手を打たざるを得なくなった。ヤンバルクイナなど希少動物の生息環境が、予想以上に深刻な事態に陥っている証拠である。

 島を横断するようにフェンスが設置されると、在来種の移動を妨げ、生息域を分断するなど、自然界にとってはマイナス面も懸念される。

 しかし、在来種そのものがマングースに食べ尽くされ、絶滅してからでは遅い。とにかく北上を食い止めることが緊急かつ最優先課題だ。

 もはや一刻の猶予も許されない。


 在来種や農林業への影響を最小限に抑えつつ、北上の勢いを止める効果的なフェンスの形状や設置方法を決め、実施に移すべきである。

 マングース北上の最大の被害者は、ヤンバルクイナに違いない。発見された一九八一年には名護市北部にも分布していたが、わずか二十数年で東・大宜味の両村で姿を消し、ついに最北の国頭村に追い詰められた。

 消滅した地域は、マングースの侵入域とピタリ一致する。山階鳥類研究所は、ヤンバルクイナの個体数が発見当時から半減し、千羽を下回った恐れがあると指摘している。

 マングースの胃の内容物から、イボイモリやホントウアカヒゲなど他の希少動物も確実に被害に遭っている。

 環境省は、ヤンバルクイナの人工繁殖を含む保護増殖事業計画を本年度中にまとめる方針だという。ただ、グアム島のクイナで前例があるように、人工繁殖は最終手段だ。まず生息できる自然環境そのものを残すことに全力を挙げる必要がある。

 マングースは、クイナ加害の重要な“容疑者”に違いないが、すべてではない。ネコの野生化、輪禍、乱開発など深刻な加害の“犯人”は、私たち人間であることを忘れてはならない

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■あのさ。在来の「希少生物」に「絶滅の危機が高まっている」っていうとき、それを死守しなければいけない、生態系上の意味はなに? わかりやすく説明してほしいんだけど。■でもって、沖縄タイムスの論説委員が自覚しているとおり、「ネコの野生化、輪禍、乱開発など深刻な加害の“犯人”は、私たち人間であること」、そしてハブの天敵でなどなかったマングースを輸入し、野にはなったのは、まぎれもないヒトだよね。
■もともと、在来の「希少生物」に「絶滅の危機が高まっている」っていう構造は、ヒトの生態系破壊のせいであって、「外来種」導入は、その「総しあげ」でしかなかったはずでしょ?■そうなると、「絶滅してからでは遅い。とにかく北上を食い止めることが緊急かつ最優先課題だ。もはや一刻の猶予も許されない。」とかさ、「カラスを減らすなどあらゆる手段を試みるべき段階ではないか」とかさ、ものすごく自分かってでないかい? ■カラスふやしたのは、ヒトが残飯放置したからでしょ? だとしたら、「ヒトを減らすための、あらゆる手段を試みるべき段階ではないか」という結論しか、みちびかれないとおもうが。
■希少種死守って姿勢は、単に「つみほろぼし」意識か、動物学的なマニア意識以外にありえないとおもうが、どうだろう?

■昭和天皇ヒロヒトをはじめとして、皇族・旧皇族に、異様に生物学者・エコロジストがおおいことの政治性も再検討する必要があるね。


【関連データ】「4.外来生物対策について」〔内閣府大臣官房政府広報室『自然の保護と利用に関する世論調査』(世論調査報告書平成18年6月調査)〕