■『朝日新聞』にかぎらないが、ウェブ上にはじめからあがらない記事や、すぐさまリンクぎれになってしまうもの、会員制になっていて会費をはらえばよめるものなど、一度紙面にのったあとでも、ガンコによませないという媒体はおおい(笑)。■商業紙としては、「アンタらが、すぐコピーしてくばるから」「こちらとしては、タダではみせられない。コストがかかっているんだから」というんだろうが、こちらだって、ずっと貯蔵庫に保存されていて、すきなときに参照できるんなら、リンクはるだけで充分なんだよね。■写経するにあたいする記事なんて、それほどおおくないし(笑)。
■それはともかく、ペットのイヌ・ネコの「処分」問題の17日・20日の記事も、なぜかよめない。■なので、17日分は、どなたかのページから転写。20日分は、必要最小限の部分だけ、うちこむことにする。

朝日新聞

2006.09.17 Sunday - 14:37 comments(1) trackbacks(0) by sky size横山

今日の朝日新聞の記事ですがとっても悲しい記事でした
長くはなりますが、興味のある方は読んでみてください

【犬・猫引き取り有料化拡大】
年36万匹殺処分 飼育放棄防ぐ

 飼い主が飼えなくなった犬や猫の引取りを有料化する自治体が急増している。引取りをしている全国105の都道府県や政令指定市などについて朝日新聞が調べたところ、今年は10県市が加わり、半数を超す計53自治体で有料になる。引き取り・捕獲された犬猫の9割以上、年36万匹が殺処分されており、安易な飼育放棄を減らすのが主な狙いだ。来年施行される改正遺失物法では、飼い主不明の犬猫を落し物として預かってきた警察が原則として対応しなくなるため、自治体に集中して殺処分が増えるのではないかと懸念する声も出ている。
 引き取りはもとは無料だったが、「飼い主が負担すべきだ」などの理由から77年にまず横浜市、新潟県などが有料化。00年の動物愛護法施行以降、「殺処分減少」への機運が高まり、有料化で引き取り数を抑えよとの動きが広まった。「かえって捨て犬や捨て猫が増える」との懸念もあったが、導入した自治体でその兆候がないことも普及を後押しした。
 料金は、東京都の3千円が最高で、一番多いのが28自治体の2千円だ。
 千葉県は今年6月から、成犬・成猫2千円、子犬・子猫400円の徴収を始めた。
 島根県は10月から有料化する。市町村の公民館単位で決まった日時にトラックで引き取る「定時定点回収」をすでに4月に廃止。7保健所に飼い主が持ち込むようにした。
 三重県は猫のみを有料化していたが、6月から犬も有料化。猫の手数料を引き上げ、成犬・成猫2500円、子犬・子猫500円になった。
 05年度に全国で引き取り・捕獲された犬は約15万7900匹で、約13万900匹が殺処分された。猫は約22万6400匹が引き取られ、ほとんどが殺処分されている。譲渡は犬猫で毎年計1万5千匹ほど。
 現状を受け、環境省は、6月に施行された改正動物愛護法に基づき、近く動物愛護管理基本指針を決める。2017年度までに犬と猫の引き取り数を半減させるとともに、譲渡を推進して殺処分の減少を図ることが盛り込まれる方針だ。
 自治体関係者が心配するのが改正遺失物法の施行だ。現在、比較的長期間預かっている警察で犬猫を扱わなくなり、直接自治体に持ち込まれる可能性があるからだ。
「手厚い」といわれる大阪府警は、署で2週間保管し、さらに拾得者や民間団体に預けて計1ヶ月ほど保管するという。昨年は犬約6千匹を拾得し、4千匹を返還した。影響を受ける大阪市生活衛生課は「収容場所を広げるなど、何らかの対応が必要になると思う」と懸念している。
……

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■でもって、20日の記事「ペット、捨てられ続け
犬・猫年36万匹が殺処分、半減遠のく」という記事には、脳腫瘍をわずらってネコ2匹の面倒をみられなくなった80歳の女性がヘルパーにつきそわれてきたとか、「妊娠したら、犬アレルギーになった」というわかい女性が生後10か月の白い雑種犬をつれてきたといった事例(成田空港ちかくの「千葉県動物愛護センター」)とかが紹介される一方、虐待としかおもえないケースも。

 愛媛県動物愛護センターには、手入れがされず、毛がドロドロになって持ち込まれた小型犬、病気で脱毛したり、白内障だったりする犬がいる。ほとんどが飼い犬だった。殺処分される犬に面会に来て……記念写真を撮って帰る親子、年老いた犬を持ってきて「子犬と交換してくれ」という中年男性……。佐伯敬造所長は「治療代が高い、犬が死ぬところを見たくないといって持ってくる。みんな人間の都合ですよ」と話す。
 今年4月にオープンした青森県動物愛護センター。これまで保健所で無料引き取りをしていたが、センター開設と同時に有料化した。同センターの定孝さんは「千円払えばペットを処分することが許されると思うのか、抵抗感がない」という。入り口にある盲導犬協会の募金箱には、ほとんど寄付する人がいない。

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■ペットショップやブリーダーとよばれる業者は、実は、動物を愛する層ではなくて、単にモノあつかい、カネもうけ対象としかかんがえない連中という酷評があるが、それは「かいぬし」とよばれる層の相当部分にもあてはまるようだ。■各県にあるらしい「○○県動物愛護センター」という名称も、実に皮肉。いくら、年に数百匹ひきとりてをみつけたからといって、数千匹単位で処分するわけだから、「○○県ペット処分センター」というのが実態を表現しているといえそうだ。職員さんたちは、動物ずきだとおもうけどな。

英国では7~8割譲渡 「自治体、窓口充実を」
 日本動物福祉協会(東京)によると、欧米は愛護団体を通じての譲渡が盛んで英国は7?8割が譲渡されているという。
 日本では犬と猫を合わせると、9割以上が殺処分される。地球生物会議の野上ふさ子代表は「自治体は、飼い主に終生飼育や不妊手術を勧める対面窓口を充実し、愛護団体と協力して譲渡を増やして欲しい」と話す。
 朝日新聞の調査では、犬の譲渡数は01年度の約1万3800匹から05年度には約1万1900匹に微減。猫は微増にとどまる。多くの自治体が、施設が劣悪で譲渡をしていなかったり、猫や成犬を譲渡対象外にしたりしているためだ。
 その中でも岐阜市は譲渡数が多い。01年から千葉県内にある「ライフボート友の会」(吉田淑子代表)に猫を大量に譲っているためだ。この影響で同市の譲渡数も01年度は100匹を超え、05年度は438匹に達した。「犬は6割、ネコは4割が助かるようになった」。同団体は、山梨、福井両県を含め、現在までに2千匹以上を引き取り、譲渡してきたという。
 どこの自治体も飼い主に「終生飼育」を呼びかけているが簡単ではない。犬の場合、15?20年生きる。
 ある動物病院の獣医師は最近、がんにかかった小型犬を治療した。抗がん剤投与を25週続け、治療費は約20万円。その後まもなくして再発。余命2年。飼い主は、追加の抗がん剤治療を選択しなかったという。
 この医師は飼い主に複数の治療方法、治療費、平均余命を説明する。「助からない短い命なら、家で最後まで世話してほしい」という。

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■朝日新聞の調査(2005年、全都道府県+政令指定都市対象)によると、「処分数・対策とも地域差」がおおきいとのこと。■イヌの「殺処分数」上位5県(数値は10の位の四捨五入)は、茨城(8000)、千葉(7400)、福岡(6600)、沖縄(6400)、熊本(6000)。下位の神奈川(1200)や埼玉(4000)とは、おおきな差がある。しかも、茨城にいたっては、「03年に作った県動物愛護推進計画で07年度までの引き取り半減を目標に立てた」結果、05年には、01度年の処分数半減に成功してのはなしなんだとか。■しかも、「半減したといっても、野良犬の捕獲数は大幅に増えていない」ということなので、「愛護センター」にもちこまれてころされはしないというだけで、「手入れがされず、毛がドロドロになって」いたりとか、「病気で脱毛したり、白内障だったりする犬」が激増して、「暗数」化しているだけなんじゃないか?
■しかも、ネコのばあいの「殺処分数」上位5県の数値は、愛知(13700)、福岡(11400)、大阪(10900)、長崎(10800)、兵庫(9800)といった感じで、おおむねイヌの1.5倍といった印象。■そして、イヌとちがって、野良猫を行政が大量捕獲・処分といったはなしはきかないし、イヌとちがって、狂犬病対策ほか届出制になっていない以上、自治体が把握していないずっと「暗数」化したままの膨大な、野良猫が大量に生息・野たれ死にをくりかえしているにちがいない。■繁殖行動は自然で、避妊はヒトのみがって。飢え死にするよりは、自分がかわりにしなせてあげるとか、いいはなつ作家先生もいるくらいだしな。

■ところで、岐阜県が譲渡数で上位だというので、最近、岐阜県や岐阜市のわるぐちばかりかいてきたので(笑)、てらまちさんや一人閑さん以外にも、ほめるところがあるわいと、おもっていたが、事情は単純じゃない。■人口比で2%にみたない岐阜県がイヌの譲渡数5位、ネコの譲渡数2位というのは、たしかに突出している。人口比2%強の茨城がイヌの「殺処分数」で1位(約6%)とか、人口比1%強の沖縄が4位(約5%)とかが突出しているようにね。■しかし、岐阜県の「優等生」ぶりは、なんと千葉県の愛護団体がネコをひきとるなどしたことによる助力こみだった(イヌの6わり譲渡の方は自助努力?)。これって、矛盾の外部化にすぎないよね。
■ついでに、千葉県の愛護団体、エラいとはおもうけど、おひざもと千葉県も、イヌに関しては野放図。■譲渡数600(4位)は、人口比5%弱(6位)ゆえに、「優等生」とはいいがたいし、「殺処分数」で7400(2位)は、占有率5%強で人口比からすれば、平均以下。総数だけでわるくいうのは、まちがっているけど、特定の団体が奮闘するだけでは、焼け石に水だよね。
■ちなみに、朝日の記者さんたとは、なんで、人口とか飼育推定数とかで「殺処分数」や「譲渡数」をわって比率を地域比較するといった、「算術」処理しないで、大小をいうのかね?(笑)


■じゃ、こういった事態に抜本的な打開策をうつとすれば、どうしたらいいか。■①幼児など保護責任に準じた刑事罰をもってとりしまり、意図的に遺棄したり、放置・虐待が通告されたら実刑をもって処分する。■②民事的に、大型家電製品や自動車に準じて、業者に「ひきとり」責任をおわせる。コストは「かいぬし」と「業者」の責任分担を比率化する。
■①によって、夜間の遠方への不法遺棄などがふえそうだ。■しかし厳罰がかされるとなれば、不心得者たちが安易にかうという悪習は激減するはず。
■②双方によって、ペットショップやブリーダーの大半は壊滅的な打撃をうけ、撤退・失業することだろう。■それでいいとおもうが。小動物をモノを粗末にあつかうような感覚で「かう」連中は、生産・流通・消費の各段階で壊滅的打撃をうけるべきだ。■「アライグマ」など、にげだすペット、すてられたペット問題の大半は解決するはず。
■単純にたとえるなら、ペットっていうのは、育児とか愛人の確保にそっくりなわけだ。動機はさておき、無力な人格をかわいがるという行為に、責任がともなうのは当然。「あきた」「つかれた」は通用しない。奴隷やモノじゃないんだ。■状況がかわっても、まずは「養子」に準じて 信用できそうな人物に託すことが急務だし、保護者が責任をおわなくてもいいのは、保護者自身の急死・大病といった不測の事態だけだろう。■そういった自覚がない層がペットを放棄しようとするばあいは、刑事・民事・行政的に、きびしい処遇をもってあたり、シビアなコスト感覚を共有させるべきだ。


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