■けさの中日新聞から。■ほかの各紙も一面で報じたりしているが、もっとも体系的かとおもうので、記録用に転載。

裏金問題で4421人処分 岐阜県が発表
 約17億円に上る岐阜県庁の裏金問題で、古田肇知事は28日、職員4421人を処分すると発表した。古田知事自身も減給10分の5(12カ月)とし、裏金の返還方法や再発防止策を盛り込んだ「県政再生プログラム」を明らかにした。懲戒免職は計4人で、古田知事は「組織的な裏金問題で懲戒免職者が出たのは初めて」と述べた。

 処分は県警と教職員を除いた職員の57・3%に上り、知事以下の管理職全員が対象。県は「他の自治体で起きた裏金問題に比べても最も重いレベル」と深刻さを強調。裏金を焼却するなど隠ぺい体質が際立った同県の裏金問題は大きな節目を迎えた。
 県は処分を「組織的な責任」(4410人)と私的流用などの「個人責任」(11人)に分類。懲戒処分(免職、停職、減給、戒告)は1006人、訓告と厳重注意が3415人。処分の日付は、個人責任を問われた11人が28日付。組織責任については、一般職が10月12日付で、特別職は条例改正後になる。

 懲戒免職の4人は、職員組合への裏金集約に直接関与した元知事公室次長の長屋栄・岐阜振興局長(58)や元組合委員長の坂上一秀・企業誘致課長(52)、約1千万円を着服したとして刑事告発された木下三千男・職員厚生課課長補佐(49)、約500万円を使い込んだ課長補佐級職員(47)。

 裏金約400万円を焼いた課長級の職員(54)は諭旨免職を前提とした停職6カ月とした。

 県は個人責任について、3、40人を対象に引き続き調査し、10月末までに結果を公表する方針。新たな刑事告発も検討するとしている。

 古田知事は28日、県議会での報告で「県政史上かつてない規模の不祥事。歯を食いしばって信頼回復に努めたい。心よりおわび申し上げる」と述べた。

 県政再生プログラムによると、返還総額は利子を含めて約19億2千万円。現職の負担分の約5億7800万円については、県職員互助会が金融機関から借り入れて10月をめどに一括返還。借入金は、現職幹部と管理職約800人で互助会に10年間かけて返済する。

 再発防止策では、年間約140万件の公金支出に関する情報をインターネットで全面的に公開する。旅費と会議費についての公文書は情報公開の手続きをしないでも自由閲覧できるようにする。

 また、県民の通報窓口として「県職員不正行為110番」を11月に設置。12月には職員倫理憲章も制定する。

 <県政再生プログラムの要旨>

 岐阜県が28日発表した「県政再生プログラム」の要旨は次の通り。

 【処分】

 ▽組織責任

 不正資金問題は公金意識の欠如や組織の隠ぺい体質に根ざし、発覚まで変わることなく、隠ぺいが続けられた。不正資金が内部から明らかにされる組織、体制づくりがなされず、現在の管理職員の責任は重い。組織責任を明らかにし、反省を促して厳しく戒めるため、知事以下すべての管理職員を処分する。

 ▽個人責任

 これまでに事実関係が明らかになった11人を本日(28日)付で処分した。今回の処分者以外に30―40人を引き続き調査し、10月末をめどに結果を発表。刑事告発の検討も続ける。

 ▽被処分者数

 総数4421人。懲戒処分1006人(うち組織責任996人、個人責任10人)。その他の処分(訓告、厳重注意)3415人(うち組織責任3414人、個人責任1人)。

 【返還】

 ▽19億1775万円の全額を返還

 既返還分1476万円。寄付、廃棄・焼却、保管分1億8637万円、県職員組合2億7142万円、退職幹部・管理職8億6712万円、現職幹部・管理職5億7808万円。

 ▽現職幹部・管理職(約800人)

 県に一括立て替え返還した岐阜県職員互助会に借入利息を含め6億3209万円を、幹部・管理職ポストごとに毎月の償還額を決めるポスト・リレー方式で2007年4月から2017年3月まで10年間で償還する。

 主な幹部の負担額は知事約1160万円、副知事約490万円、教育長約370万円、代表監査委員約320万円、部長クラス約220万円、課長クラス約150万円。早期退職職員との不均衡是正のため退職時負担金制度を設ける。

 ▽退職幹部・管理職(約1400人)

 8億6712万円を県に返還。返還状況はホームページで逐次公表。返還金は新たな基金を設置して管理する。

 【再発防止策】

 ▽徹底した情報公開と県民監査体制の構築

 11月から年間約140万件の公金支出情報を1件ごとにインターネットで公開。交際費と懇談会経費も出席者名を含め詳細情報を公開する。捻出(ねんしゅつ)の温床となった旅費と会議費は情報公開請求がなくても自由に文書を閲覧できる制度を導入。会計関係書類の保存期間を3―5年から15年に延長する。弁護士や公認会計士ら5人程度の「県政監視委員会」を創設し、「職員不正行為110番」を設置。監査委員の監査の強化、充実を図る。

 ▽意識改革

 12月までに「岐阜県職員倫理憲章」を制定。全職員対象の県税徴収実習など意識改革のための実地体験型研修プログラムを整備。徹底した経費節減を実施。管理職への部下からの意見具申制度を導入する。

 ▽内なる総点検の実施

 会計事務のチェック機能や予算執行基準について総点検する。10月から県顧問制度を廃止。管理職員の寄付の全面自粛など職員組合との適正な関係を構築する。

 ▽再生に向けた庁内体制の構築

 再発防止策の推進母体となる「県政再生推進本部」を設置。「監察監」「監察課」を新設する。

 <岐阜県庁の裏金問題> 古田肇知事が7月5日の県議会で存在を認めて発覚。弁護士による検討委員会によると、早くから全庁的に作られ、1992年度からの12年間で約17億円。梶原拓前知事時代の98年度末に、当時の森元恒雄副知事(現参院議員)が県幹部に指示して以降、約2億7千万円が県職員組合に集められた。職員個人や各職場でも約1億6千万円を保管、処分に困った職員が焼却したケースも。県は約1千万円を着服したとして元組合役員を業務上横領容疑で告発している。

(2006年09月28日 23時35分)

-----------------------------------------
■「副知事と出納長が辞意 岐阜県庁の裏金問題」といった、引責辞任もでるようだが、てらまちさんが「岐阜県裏金。大量処分。しかし・・・ 」とのべるとおり、少々やめたり返金したりしたところで、問題の所在がボケるばかりだし、ちゃんと責任をとったことにならない。■梶原前知事や森元恒雄副知事など前県政からの中核的な責任者たちが刑事罰をうけ、退職金等を全額返還するなどの、県民がなっとくできるような「幕引き」がおこなわれないかぎりね。
■前知事らに刑事罰がくわえられないかどうかは、時効制度がからむが、その本質的な問題点については、一人閑さんの「●847 岐阜県の公金横領 時効について」がくわしい。

■ちなみに、きょうトラックバックされた「岐阜県裏金問題(9/28)」は、実に的確なツッコミになっている。すばらしい!

■一方で、これまた てらまちさんたちの努力で、現在の古田岐阜県政が、おおきく前進してガラスばり化しつつあることも事実〔「◆岐阜県会計公文書、全てHPで公開。公文書の自由閲覧も。裏金の反省」〕。■ガンバレ! 古田。ちゃんとやりきれば、歴史にのこる大事業だ。
■しかし、市民のねばりづよい努力ってのは、みをむすぶことがあるんだねぇ。ホント感動した。


●『岐阜新聞』特集「県裏金問題」
●『中日新聞』「岐阜県裏金問題