■先日の「偽装請負で事業停止命令へ 大手コラボレートに厚労省(朝日)」の続報。■やっぱり、ムリした急成長のウラには、大体不正がかくされている。ま、当然といえば当然だが。

偽装請負のコラボレート親会社、15年で年商10倍
2006年10月04日07時31分(asahi.com)
 事業停止処分を受けた「コラボレート」が属する「クリスタル」グループは、労働者派遣や業務請負で急成長した。バブル崩壊以後の15年間で、年商を10倍近くに伸ばし、売上高が国内だけで5000億円を超える隠れた大企業だ。「コラボレート」が手がける製造請負はその中核部門だったが、「偽装請負」に対する批判の高まりや受注単価の下落により、抜本的な転換を余儀なくされた。
 クリスタルは1974年、京都市で設立された。当初は工場の清掃の請負が主な事業だった。やがて、メーカーの人手不足を補うため、製造請負に乗り出した。

 生産量の増減にあわせて人数を自由に調整できるし、人材育成のコストも減らせる。人件費を抑制したい不況下のメーカーにとって、製造請負は都合のいいことだらけだった。

 クリスタルグループは業績を一気に伸ばした。90年ごろ500億円余だった売上高は、国内だけで5000億円を超えた。グループ企業は昨春の時点で200社を超え、従業員は12万9000人を数えた。

 しかし、メーカー側の工場内を仕事場とする構内請負は、発注者側が直接、請負労働者に指示する偽装請負に陥りやすい欠陥を当初から抱えていた。厚生労働省は04年、偽装請負の取り締まりを強化。法令順守を求める世論も強まった。

 ところが、外注に慣れきったメーカーの中には、是正に消極的な企業も多く、工場という密室の中で偽装請負は温存された。

 同業他社との競争も激化する一方だ。クリスタル出身者が同じ業態の人材会社を次々と設立するなどノウハウの流出も目立った。賃金の安い外国人労働者との競争も激しくなり、昨年5月ごろから受注単価がどんどん下落していったという。

 昨年、クリスタルは、競争力アップを目指してグループ企業を再編。業態ごとの統合を進めた。製造請負を主な業務とする6社は昨年夏に合併し、コラボレートとなった。それでも製造派遣・請負の部門は今期、赤字に転落する見込みだという。

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■以前は、パートでくいつなぐ母子家庭とかをのぞけば、専業主婦→パート労働者、そして学生アルバイト、そして地方からの「でかせぎ」「期間工」「季節工」が、いわゆる第二次労働市場の主軸だった。■でも、アジアの急成長とか「価格破壊」、多品種少量短期間生産といった機動性などの要請が、企業への圧迫となってからは、常勤スタッフにはサービス残業など過労死一歩てまえの労働強化、外部調達のアルバイト/派遣労働者は徹底的な「つかいすて」と、実にエゲつなくなってきた。
■戦前だって、ホワイトカラーとブルーカラー、そして現場も日給制の工場がごくあたりまえだったが、ホワイトカラーが過労死するところまで労働強化はしなかったし、当時は学歴格差がおおきく事実上の準身分制がのこっていたのだから、労働条件の格差だって、いまほどの不公平感はなかった。■現在は、4年制大卒者でも、派遣やアルバイトとみれば、容赦なく「つかいすて」だし、常勤職の中軸スタッフだって、いつほうりだすか、わかったもんじゃない。■労災がおきても、ひたすら「不払い」運動をつづけようとする。なんと、殺伐とした風景か?
■家族関係や教育現場、あるいは若者の日常の殺伐さをなげく議論はおおいが、労働現場のさむざむとした空気以上のものがあるだろうか?