■もう、何人ものかた日記でふれているので、あたらしい見解でもなんでもないが、やはり一連の「公教育スキャンダル」ともいうべき、「イジメ自殺」と「必修科目未履修」問題は、「教育現場に自治(当事者)能力なし」という印象を国民にうけつけるために、当局(もちろん、文部科学省ではない)が画策した「官製スキャンダル」とうたがうほかない。■まだ、ウラとりできていないが、うたがわしい理由は、以下のみっつ。

■?「イジメによる自殺」「学習指導要領における必修科目」という、現場教員が反論できず、しかも国民の関心をひろく、つよくよびおこす話題が、ほぼ同時期に発生していること。■?「イジメ自殺」はそれこそ、散発的に、とぎれることなく発生している現象であり、「必修科目関連の偽装書類」も常態化=常識化していたはずであり、双方ともこの時期にふきでて焦点化されるにしては、不自然すぎること。■?とりわけ、「世界史未履修」問題は、絶妙のタイミングとしかいいようのない時期に問題化している点が、あまりにできすぎであること。
■安倍政権が、金正日体制とはかって、たがいの窮地を打開すべく、地下核実験の強行+発表→「東北アジアの危機」/「核武装も要検討」といった危機感助長といった、一連の茶番をうったというのは、さすがにうがちすぎだろう。■しかし、一連の報道キャンペーンが、国会審議で防戦一方にまわり、まったくいいところがなくなった安倍新政権の「いきつぎ」となる絶好の機会・期間だったことは、あきらかだ。■メディアが新政権批判のてをあきらかにゆるめたのは、安倍政権批判を当分とりやめ、態勢をととのえさせるための「時間かせぎ」であったとかんがえられる。「より重要な国際情勢の危機」といった、いかにももっともらしい「いいわけ」によってカムフラージュされてはいるが。

■今回の一連の「公教育スキャンダル」の続発、というかマスメディアのさわぎぶりは、安倍新政権の「教育改革」構想の地ならしをするために、一役かうことは、あきらかだ。■そして、一連の「北朝鮮」騒動のばあいとちがって、今回の「未履修」リークほかの不自然な問題化と、メディアによる「騒動」は、首相周辺が「やらせ」「たきつけ」をウラではかったとしても、全然不自然ではない。■文部科学省を一時的にわるものにしたてあげてでも、そして、リベラル右派あたりがヘゲモニーをにぎっている現在の文部科学省の政治的布置関係を一挙に右派的に旋回させるべき絶好機という意味でも、「文部科学省・教育委員会・学校現場というタテ系列をつるしあげにする必要があった」と、うたがわせる状況がそろいすぎている。■いってみれば、文部科学省=監視・監督能力の欠如、教育委員会=監督当事者の怠慢、校長・教頭=学習指導要領の構造的違反者/生徒の管理能力の欠如という、メディアによるイジメの構図を意識的にあおることで、国民の新政権へのきびしい視線はあきらかによわまる。■より本質的な問題から視線がそれて、一見「わかりやすい問題」に注意力をうばわれるのである。

■今回の一連のスキャンダルを、かりに首相周辺が意識的に画策していなかったにせよ、おきたスキャンダルを最大限に活用すべく暗躍しているだろうことは、うたがいえない。■そして、そこに悪意が介在しているかどうかはわからないし、メディアそれぞれがちがうだろうけれども、「イジメ自殺」「未履修」問題でさわぎたてているメディアは、こぞって安倍新政権による体制を補完するだけでなく、「教育改革」構想の「おいかぜ」をおくっていのである。■朝日や毎日、共同通信あたりが、この一連の構図に無自覚でさわいでいるのなら、大バカというほかない。

●「教育基本法、危ない再スタートで「いじめ」論議」「やらせの「教育基本法改正賛成」の声を捏造した内閣府 」「内閣府「やらせFAX」の全文を読む」『保坂展人のどこどこ日記
●「学校での「いじめ自殺」問題の解決を阻害する安部政権の「目標管理シート」政策?成果主義賃金の最悪性ー」『未来を信じ、未来に生きる。
●「「共謀罪」強行採決か?」『競艇場から見た風景

『asahi.com』ニュース特集「必修科目履修漏れ」
『asahi.com』ニュース特集「安倍新内閣」
『asahi.com』ニュース特集「北朝鮮核実験」