■最近まちでめにつくのは、ミニの半ズボンと、ハイヒールブーツ、ないしヒザうえまである、ながめのソックスである。■女性雑誌などをひらいたりはしない ハラナには、どのヘンが流行の発信源なのか、わかりかねるが、わかい女性たちのあいだで はやっている〔といっても、スリムな下半身という、事実上かなり限定された層にかぎられるファッションではあるが〕ことはあきらかだろう。

■ほそみで長身のわかい女性たちが、より下半身をほそくみせたい、あしをながくみせたいという願望は、よくわかるのだが
〔そういったかっこうが不自然でないのは、実際のところ、かなり短期間でしかないので〕、気になることもある。■それは、ブーツにかぎらず、ハイヒールであるく女性たちのあしもとだ。
■あしをほそくみせるだけでなく、ながくみせたいというばあい、イロなどによる視覚効果だけでは不充分と、実際にヒザしたをながくすべく、ハイヒールにはしりたくなる気分はわかる。■しかし、彼女たちがかっぽする際の、カツカツないしコツコツという硬質な反響音は、かなりの衝撃を女性たちのヒザ/こし/せなかなどにあたえていることをうかがわせる。■いかにも「カラダにわるそう」な反響音だ。

■それだけではない。■最近ときどきみかけるのは、階段をてすりをたよりに、ソロソロとくだっていく女性たちのうしろすがた。おいぬきざまに、ちらっとみたかぎり、その様子は、まるで高齢者か障碍者をおもわせる。■かのじょたちは、それこそ、高齢者や障碍者同様に、エレベーターエスカレーターを切望するだろう。
■実際、地下街地下鉄文化というのは、文明ではなくて野蛮なのである。■おおきな馬力をもつエンジンで斜面の昇降などラクラクのはずの自動車こそ、高架や地下道へとのぼりおりをくりかえせばいいのであって、ヒトが自動車走行の犠牲になって、階段をのぼりおりするというのが、まちがっている。■つまりは、交通弱者である高齢者・障碍者と同様に、ハイヒールの女性たちは、自動車文明の野蛮さを告発していいのである。■それは、はからずもバリアフリーユニバーサルデザインの要請ということになるだろう。

■しかし、それにしてもである。あの、すさまじいばかりの美意識は、いいのだろうか。■あの階段のあるくさまは、まるで「てんそく(纏足)」をおもわせるのだけれども。