■つぎの文章は、ポスト小泉問題が佳境にはいろうとする今年度はじめごろの風刺だが、かなりのできである。この批評精神をささえる知性、それをつつむユーモアの品性は、なかなかのもの。

2006/04/12
小泉シェフの次はだ?れ?

 横須賀海軍カレーは甘口だが、「俺のカレーは辛いぞ。イヤなら食うな」と激辛路線の横須賀変人カレーをメインのお品書きに掲げて、はや5年。自民食堂も次期シェフ選びのコンクールにいよいよとりかかる。小泉シェフのグレート・イエスマン武部現場長は、ブロックごとの料理大会を主張。物議を醸した。

 任期残りわずかともなれば、レイムダック料理ばかりなるのが普通だが、ついこの間までの小泉シェフは余裕綽々だった。中華人民飯店が、「次のシェフは靖国参拝しない人」などと横ヤリを入れても、「北京ダックは作らない」と節を曲げない。あくまで強気。
 余裕の背景には民主食堂のドタバタ騒動があった。4点セットで改めまくっていたのに、偽レシピ事件でオセロ・ゲームになったのだ。36歳の永田料理人が若気のいたりで偽レシピを掴まされ、食中毒事件勃発。その結果みんなで謝罪、謝罪の前方イナバウアー。平日営業中にシェフ交替となってしまった。

 民主食堂は前原シェフより20歳年長の小沢シェフを選んだ。先祖返りである。「自分自身が変わらなければならない」と言いつつ、世代間抗争を押さえつける剛腕料理法で、昔懐かし一致団結箱弁当がメインのお品書きに再登場。民主食堂の注目度上昇で、再びオセロ・ゲームか。余裕の小泉シェフに黄色信号が灯った。自民食堂にも懐古趣味調理法の流れが起きつつある。

栄枯盛衰この世の習い
 5年前の下馬評一番人気は岡山風カツ丼だった。一度シェフ経験のある橋本料理人の再登板かと思われたが、以前、山一・拓銀、長銀などの腹痛事件でシェフを辞めた経緯もあり、「油の中にポマードの臭いがする」という風評を拭い切れず、あえなく落選。

 橋本料理学校の1億円入れ歯混入事件の報告漏れも発覚し、橋本元シェフは自民食堂も追われてしまった。最近老朋友のいる北京飯店に行ったところ、袂を分かった料理学校元副校長の村岡被告の無罪判決が出て、大ショック。往年の「お龍様」もガタッと来てしまった。弱り目にたたり目とはこのこと。今や橋本料理学校派の凋落は目を覆うばかり。

 広島風甘々ケーキソース付きお好み焼きもあの頃の出品料理だった。その亀井料理人もまた自民食堂を追われ、昨年の料理人免許更新時には、ホリエモンの無国籍ヤミ鍋攻勢の前に危うしと思われたが、無事更新。ホリエモンも粉飾ヤミ鍋事件で塀の中に落ちた。しかし、今回は亀井料理人、国民食堂所属ゆえ大会出場資格なし。

 前回はお品書きが英語だった筑豊ハンバーグ。麻生料理人はこの5年間、小泉シェフの覚えめでたく、今や渉外担当重役となった。お口もますます滑らかで、米国料理協同組合へ出張した際は、「核爆弾ハンバーグ」も話題にしたとか(本人は否定)。

自民食堂秋の料理祭り
 さてさて、この秋の料理大会1番人気は段突、「下関タカトラフグ料理(DNA鑑定書付)」。ありとあらゆるお客様アンケートで半分近くの人気を獲得している。もともと安倍料理人は、フグ料理と言うより、平壌食堂・金正日総シェフの違法製造販売北キムチ追放運動で名を馳せた。安倍料理人が下馬評通りシェフとならば、自民食堂の年功秩序は一気に崩れる。

 そこで、ベテラン料理人達からは「民主食堂・前原シェフの失敗を見よ」との声が。自民食堂では、「民主食堂も先祖返りしたように、わが方も伝統回帰路線で」というヤカラが勢いづいている。民主食堂小沢シェフは、悲願の自民食堂分断作戦に再び着手か?

 本命あれば対抗あり。2番人気は「群馬コンニャク御膳」。アメリカンスタイルの小泉シェフのもとでスポークスマンをやっていた福田料理人は、中華風や韓流味付けも得意だった。小泉シェフのもとで売れゆきが悪くなったアジア料理を復活しようとする向きは、福田料理人に白羽の矢をたてる。コンニャクは健康食品だし、激辛変人カレーの後は、お口直しに丁度良いと考える人が増えている。

 問題は福田・安倍両氏とも森調理学校派であること。従来なら2人擁立はありえない。伝統派のドンである森校長は一本化を主張。橋本料理学校凋落後、最大勢力となった森調派は、福田シェフ3年、安倍シェフ6年とつなげばあと9年は天下維持できるのに、早くも分裂の危機にさらされているのだ。

 本命・対抗とくれば大穴はやはり、「核爆弾ハンバーグ」の麻生料理人だ。反中華でアメリカンの小泉シェフ路線をマンガ風にアレンジして堅持する。森調派が分裂回避で麻生シェフ擁立にまわるとのうわさもあり、この辺は先祖返り手法。都民食堂の石原シェフも支持を表明しており、正に大穴。

 もう1人は「京風手打ち蕎麦ワイン風味」の谷垣料理人。玄人受けは一番だ。ただ、日本料理協の財務担当理事として、料飲税アップを明言しているし、蕎麦とワインのミスマッチで素人のお客様人気はイマイチ。今回は出ることに意義のあるオリンピック精神?

     ×××   ×××   ×××   ×××   ×××

 番外は「とちぎ和牛のハイパワード・ステーキ」だが、今のところ仕込み期間中で様子見。今回はフリーハンドか

------------------------------------------------
■賢明なる読者は、おわかりのとおり、今回、「2006年12月-自らの政治団体が、実際には存在していない事務所の経費などとして、約7800万円の支出を政治資金収支報告書に記載していたと指摘された問題の責任を取り、大臣を辞任(Wikipedia)」するハメになった佐田玄一郎内閣府特命担当大臣(行政改革担当)の後任、渡辺喜美氏の政界エッセイ「小泉シェフの次はだ?れ?」である。
■『日本がアブナイ!』の「安倍くんのお買い物+渡辺新大臣のユーモア?+民主党CM+また石原問題が!」いわく…


……父の渡辺美智雄氏も名物議員で、大蔵・外務大臣や副総理などの要職を歴任し、いずれは総理かと言われた人だ。父親の秘書をやっていたこと、父親が総理への志半ばで倒れたことなどでは安倍氏と共通点が見られる。以前から安倍氏や塩崎氏などと親交があり、勉強会などでは一緒に活動していたようだ。

 実は、私は彼に対して、そう悪い印象を抱いていない。二世議員にしては、そんなにボンボンっぽくなく、それなりの常識的な感覚もあるし、また経済政策に明るい。そして<父親もそんな感じだった記憶があるが>、ここが二世の強みなのか、それとも性格なのか、政府や自民党を批判するような意見でも、自分がおかしいと思うことはポンポンと言うところがある。

……何だかブロガーが政府&自民党議員たちを
ツッコンでいるような感じの記事だ。それも、ちょっとオチャラケながら、なかなかユーモアがあって、内容も的確な部分が多かったりする。> 

 これは、本人が書いたものなのだろうか? 仮に他者が書いたものをアップしているとしても、こういう記事をHPに出していること自体が、好感触だったりもした。

<ただ、父親もわかりにくかったのだが、本人もタカ派なのか、そうでもないのかわからないところがある……

------------------------------------------------
■さて、では、その推定に役だちそうな「素材」を、おなじサイトから紹介。


この国のかたち

 私には3人の子供がいる。もちろん女房はひとりだけ。私の子供たちが私ぐらいの年になる頃、日本は一体どうなっているだろうか、とよく考える。

 人口も減り続け、資産価格も右肩下がり、相変わらず官僚統制が続いて、みんなで平等に貧しくなっていく「たそがれの国」と化すか。

 メルティングポット社会になり、外国語しか通じないゲットーでは蛇頭やマフィアがヤクザを駆逐し経済はハイパーインフレ、弱肉強食、醇風美俗もヘチマもあるもんか、という「支離滅裂の国」になっているか。

 公用語は英語、通貨はドル、弁護士の数がやたら多く、何か起こるとすぐ裁判所にもちこまれ、人口の1%が個人資産の半分近くを保有し、すべて大事な決定はワシントンの指示待ちという「51番目のステート」になっているか。

 はたまた、文明の中心地域たる中華の周辺異民族として軍事的な庇護と引き換えに貢物をもっていく「朝貢国」になっているか。

 どれもイヤだ。やはり日本は、先祖を大事にする心を失わず、死せる人々が正しく祭られ、自由で活力があり、個人が大切にされ、困った時に助け合う醇風美俗が生き続ける国であって欲しい。

 官僚統制は歴史上の話になり、総理大臣が政治の世界のスタープレイヤーとしてひとり平均5?6年はその座にあり、官邸主導の政治を行う。総選挙は各党党首が競い合い、次の総理を事実上決める選挙となる。グローバリズムは相対化され、排除もされないが、盲信もされず、国益を第一義として健全なナショナリズムが共通の認識となる。

 人々の埋もれたニーズに気づいて、それをビジネスチャンスに生かすことのできた人々は、ジャパニーズ・ドリームの体現者としてリッチになれる。彼らは国に税金を払うだけでなく、様々な公益を増進する活動に積極的に寄付を行い、人々から尊敬を得る。

 権力という悪魔とおつきあいをしていく政治家や官僚の幹部はいろいろな分野から参入が可能となる。その座にある間は、徹底して国家と国民の利益の為に尽くし、40年も50年も国会議員をやり続ける人や、特殊法人を渡り歩く人はいなくなる。

 人々は多様な選択肢の中から「自分の幸せはこれだ」というものを自らの責任において決定する。家族の絆がやはり大切だということになり、子育て支援体制が完備して、結婚する男女が増え、奇跡的に平均出生率は2を超えていく。困った時に助け合うことは、お金では購えない尊いことだという認識が定着する。

 子供たちが私の年になる頃は、そんな国であったらいいなと思う。

------------------------------------------------
■いかにも自民党/民主党の支持者の大多数にこのまれそうな、保守政治家の未来像である。■先日の記事のコメント欄で「「文化的には伝統主義を、そして経済的には「小さな政府」(ないし)「非常に小さな福祉国家」を追求するイデオローグ」との定義を紹介した「新保守主義」者の典型だろう。■「思いやりのある保守主義」(Compassionate Conservatism)を自称するブッシュ大統領と同類の、「集票のための二枚舌=演出」であり、「総理大臣が政治の世界のスタープレイヤーとしてひとり平均5?6年はその座にあり、官邸主導の政治を行う。…グローバリズムは相対化され、排除もされないが、盲信もされず、国益を第一義として健全なナショナリズムが共通の認識となる。…人々の埋もれたニーズに気づいて、それをビジネスチャンスに生かすことのできた人々は、ジャパニーズ・ドリームの体現者としてリッチになれる」という「プチ・アメリカン・ドリーム」をなぞることで、「世襲議員や同族会社など特権層の既得権益保全」というホンネをオブラートにつつみ、中間層の反発をかわしているだけとおもわれる。
■ハラナの日記のこの文章がキャッシュなどで半永久的に保存されるとしたら、渡辺氏が「40年も50年も国会議員をやり続ける人」でないかどうかが、確実に立証されることになる。■もっとも、渡辺氏は、まだ議員としては10年目だが、ご尊父の秘書としての政治経歴はすでに四半世紀ちかい。2036年まで議席を維持したりすれば、もうそれだけで84歳(=2036?1952)。政治経歴半世紀あまり(=2036?1983)であり、多選=老害批判をうけるまでもなく「勇退」なさっている公算がつよいけど…。■その意味では「40年も50年も国会議員をやり続ける人」という数値は、実に巧妙な演出かもね(笑)。