■きのうの『朝日』の夕刊1面の記事から。

東京マラソンで都心「大封鎖」
2月18日、銀座6時間
2007年01月28日10時06分(asahi.com)
 銀座、皇居、浅草と、東京都心の観光名所や目抜き通りを約3万人が走る――。2月18日の日曜日に開かれる第1回「東京マラソン」だ。普段は走れないコースとあって、参加の応募は定員の3倍を超えて抽選になり、国内最大規模の大会となる。ほとんどが市民ランナーだけに、ゴールまでの制限時間は7時間。主要道路は長時間にわたって「大封鎖」される。都心の機能はマヒしないですむかどうか。

 東京マラソン構想は石原慎太郎都知事が03年秋に打ち出した。2016年の五輪招致を目指す都には、「東京の魅力を知ってもらう絶好の機会。五輪招致に弾みをつけたい」との思惑がある。

 スタートは午前9時すぎ。ただ、ゴールまでの制限時間は7時間。11月の東京国際女子マラソンの約2倍だ。沿道への影響は大きい。

 慶応義塾大は、商学部の受験票に急きょ、こうつけ加えた。「三田校舎周辺の道路に交通規制がかかります。車での来校にはご注意ください」

 商学部では毎年約6000人が三田(港区)と日吉(横浜市)の校舎に分かれて受験する。「マラソンのことは入試日程を組んだ時点では知らなかった」と同大学。試験開始は午前10時。JR田町駅と三田校舎の間を通る国道15号(第1京浜)が朝9時前から通行止めになり、歩行者も横断できない。「当日は誘導の職員を増やして対応したい」

 JR浅草橋駅前の通行止めは約5時間。軒を並べる人形店は3月の桃の節句を控え、かき入れ時だ。創業170年の老舗(しにせ)・久月は「お客様に『この日は避けて』とも言えないし」と困惑する。

 銀座4丁目交差点はランナーが2度通過するため、封鎖は約6時間に及ぶ。日曜日には約10万人の買い物客が訪れる銀座三越の担当者は「歩道にも観衆が押し寄せるかも。店の出入り口の確保や安全誘導のため、警備員を増やさなければ」と準備に追われる。

 都は、歩行者が地下道を使って道路を横断できるように、コースはなるべく地下鉄の上にしたという。

◇走者3万人、警備5000人

 「どんなことになるのか全く見えない」「大事件が起きないことを祈るばかり」。警視庁の幹部は口々に不安を漏らす。

 都心の要所の長時間封鎖は「初体験」(同庁幹部)だけに、交通部は昨年3月、16人で検討委員会を結成。警備やテロ対策も必要で、同10月には警備部や刑事部とも連携した特別対策委員会に格上げし、20人以上が専従になった。同庁はマラソン当日、過去最大の5000人態勢で臨む。

 ロンドン・マラソンニューヨークシティー・マラソンを視察した交通部幹部は「いずれも歴史ある大会で、その日は混雑するから注意しようという意識が市民に根付いている。何もかも初めての東京とは訳が違う」。

 渋滞対策では、コースのほとんどを占める目抜き通りを全面通行止めにする。コースと交わる約610本の道路も、通行できるのは住民と救急車やパトカーといった緊急車両だけだ。都心に乗り入れる車には迂回(うかい)路を用意し、当日は案内標識で誘導するが、かなりの混雑が予想されるという。同庁は「地下鉄や電車を極力利用してほしい」と呼びかける。

 警備や治安対策も重要な課題だ。コースの主要な場所には警察官とパトカーを配置。12署は管内をコースが横切るため、交通規制で事件発生対応が遅れないよう、隣接署同士で応援態勢の打ち合わせを進めている。

◇名所巡り、人気呼ぶ

 「世界基準のマラソン大会が日本にもできたということです」。東京マラソンの招待選手が発表された17日、日本陸上競技連盟の沢木啓祐・強化委員長はそう話した。

 今年で111回大会を迎えるボストン・マラソンをはじめ、ロンドンベルリンニューヨークなど世界のメジャーなマラソン大会は、すべて男女の一流選手と市民ランナーが一緒に走る。

 今回の東京マラソンでは、男子で2時間9分30秒を切って日本選手トップになれば、大阪で開かれる世界選手権の代表に内定する。参加資格を満たした男子のエリートランナーが10カ国から116人出場し、日本からも04年アテネ五輪で5位に入賞した油谷繁選手(中国電力)らが参加する。

 フルマラソンには7万7521人の応募があり、抽選で2万5000人が選ばれた。10キロ、車いすマラソンを含めると計3万人。「予想以上」と、東京マラソンの田中学・競技運営推進部長は言う。市民マラソンではこれまで、毎年12月に開かれる沖縄のNAHAマラソンが国内最大規模で、昨年の参加者は約2万1000人だった。

 国立競技場(新宿区)発着の東京国際女子や、昨年まで開催された男子の東京国際とは違い、今回のコースは都庁からお台場のビッグサイト(江東区)まで。東京の名所を巡るのが「売り」で、これが市民ランナーの注目を集めたようだ。

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■まさに、つぎの都政も自分がしきるのが当然といった、石原氏のゴリおしといえるだろう。■警察官僚が不安をかくさないような「大封鎖」を、自分のスタンドプレイのためにおしとおすとは、かれらしい。■政治の私物化。これをズルズルゆるす東京都民は自業自得だが、周囲の首都圏住民や、当日首都圏をトラック・バス等でとおりぬけねばならない当事者には、いい迷惑だ。


●「在日を「怪しげな外国人」よばわりする「怪しげな首長」(石原都知事)