コンビニについては、いろいろかいてきたし、弁当とかの安全性についても疑問を呈してきた。■少々まえだが、昨年末の『朝日』の記事。

弁当、売れ残ったら飼料に
農水・環境両省が認定制度へ
2006年12月26日11時00分(asahi.com)
 コンビニエンスストアや外食チェーンの食品廃棄物のリサイクルを促すため、農林水産・環境両省は、売れ残った弁当を飼料にしてブタを生産し、その肉を再び弁当の材料にするといった「リサイクルループ(食の循環利用)」の認定制度を創設する方針を決めた。コンビニと外食チェーンでのリサイクルが最大で計50万?60万トン増える可能性があるとみられる。
 廃棄物の収集・運搬をする業者は市町村ごとに許可をとる必要があり、広域展開するコンビニや外食チェーンは食品リサイクルがしにくい。このため両省は食品リサイクル法を改正して「ループ」の認定制度を設け、その認定業者には廃棄物処理法の特例措置を適用し、市町村だけでなく都道府県境を越えて広域に食品廃棄物を収集・運搬できるようにする考え。

 「ループ」は、コンビニや外食チェーンが賞味期限切れ弁当や食べ残しなどをリサイクル業者に渡して飼・肥料をつくってもらい、契約農・畜産家で用いてブタや野菜を育て、それを調理した弁当や総菜を再び販売するなどの仕組み。コンビニ大手も一部地域で始めている。認定制度創設で、こうした「ループ」の広域利用を促す。

 農水省の調べでは、04年度に発生した食品関連事業者の食品廃棄物は約1100万トン。うち、食品小売業は約260万トンでコンビニはその1割弱を占める。外食産業は約310万トンで、牛丼などファストフード店からはその1割強が排出されているとみられる。

 認定制度の創設は、26日の両省の諮問機関の合同会合で承認を得られれば、来年の通常国会に食品リサイクル法改正案として提出する方針だ。

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■ついで、『読売』のおとといの続報。

環境審、「ループ制」認定提言
…食べ残し再利用促進で
 中央環境審議会は2日、外食産業やコンビニエンスストアなどの食品廃棄物のリサイクルを促すため、「リサイクル・ループ」と呼ばれる仕組みの認定制度の創設を、若林環境相に提言した。

 環境省は、認定制度創設を盛り込んだ食品リサイクル法の改正案を、農林水産省と共同で今国会に提出する。

 「リサイクル・ループ」は、外食業者などから出た食べ残しや売れ残りを肥料や飼料にして、農林漁業者が農畜産物を生産、それを再び外食業者などが購入する仕組み。リサイクルを効率的に進めるためには、食品廃棄物の広域での一括収集がカギになるが、廃棄物の収集・運搬は市町村ごとの許可が必要で、障害になっている。そこで、食品リサイクル法を改正し、認定業者には廃棄物処理法の特例を適用、市町村の枠にとらわれず広域収集を可能にする。

 農水省によると、2005年度の食品関連産業の食品廃棄物は約1140万トン。このうち、食品小売業は約260万トン、外食産業は約300万トンを占めるが、食品廃棄物のリサイクル率は、食品小売業で3割、外食産業で2割にとどまっている。

(2007年2月2日21時28分 読売新聞)

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■あのさ。ごく特殊なケースかもしれないが、「コンビニ弁当の安全性」でとりあげたような問題は、どうなるんだ? ■かりに、食品添加物の一部にハイリスクな要素が複合的に作用したばあい、「売れ残った弁当を飼料にしてブタを生産し、その肉を再び弁当の材料にするといった「リサイクルループ…」」といった構造が一般化したら、それこそ「生物濃縮」がおきるとおもうんだね。なにしろ「リサイクルループ」っていうぐらいだから、「化学物質濃縮ループ」ってことになりかねない。
■でもって、それは、貧乏ヒマなしで、弁当をつくる心身のユトリをうばわれる労働者層を直撃することになるだろう。■それはまさに、戸田清さんが『環境的公正を求めて』(新曜社,1994年)で指摘したとおり、「環境破壊は主としてエリートによってもたらされ、環境被害は非エリートにしわ寄せされ、環境の修復は非エリートの犠牲を伴いながら行われる」って、構造をもたらしかねない。「保存用の塩辛い食品,食品添加物を含む安価な食品を利用する者とそうでない者のガン死亡率」には、統計学的に有意な差がしられているのであり、それこそ「貧乏人は、化学物質のリサイクルループでたらふくくって、わかい元気なうちだけ力仕事にいそしみ、はやく死ね(福祉の対象としての「老後」など用意してない)」って、エゲつない論理がまかりとおりそうだ。

■琉球列島や朝鮮半島/中国大陸で伝統だった「ブタ便所」じゃないんだぞ。


●「コンビニ食品 危険と分かりつつも買いますか」〔充実した記事〕
●中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会食品リサイクル専門委員会「食品リサイクル制度の見直しについて(とりまとめ(案))
●「『食品リサイクル制度の見直しについて(とりまとめ(案))』を読む ?食品リサイクル制度の課題」「?情報公開とエネルギー利用促進」「?廃棄物処理法特例制度の拡充など
●「Wikipedia食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律