■「小田嶋先生はずしてますよ(柳沢発言)」の続編。


「労働時間だけが売り物」発言を削除へ
柳沢厚労相

2007年02月19日12時59分(asahi.com)
 柳沢厚生労働相は19日の衆院予算委員会で、生産現場で働く労働者について「労働時間だけが売り物」などと15日の参院厚生労働委員会で発言したことについて「発言全体を見ていただければ誤解が生じるとは思わないが、『だけ』という言葉はある人々を傷つけるのではないか、という指摘なので相談したい」と述べ、議事録削除を申し出る考えを示した。川内博史氏(民主)の質問に答えた。

 柳沢氏は15日の参院厚労委で「工場労働というか、ベルトコンベヤーの仕事、労働時間だけが売り物です、というようなところ」と述べていた。


柳沢厚生労働相のサイト内(asahi.com)検索結果
■まずは、「「労働時間だけが売り物」発言」『住まいってなんだろう?』から、

2007/02/16(金) 09:37 -
またやってしまいました、柳沢厚生労働大臣。

柳澤伯夫厚生労働相は15日の参院構成労働委員会で、ホワイトカラー・エグゼンンプション(残業代ゼロ制度)に関連し、生産現場で働く労働者について、「工場労働というか、ベルトコンベアーの仕事。労働時間だけが売り物です、というようなところ」と述べた。

逆にホワイトカラー・エグゼンプションが適用される労働者について「(家事や育児を分担できるよう勤務時間の)自由度をもってもらうことがふさわしい」と、制度導入の意義を強調した。(2/16付東京新聞朝刊)


もうこういう方は黙っていたほうがいいですね。
発言すればするほどヤブヘビです。
「産む機械」であれほど非難されたのに、全く反省していないことの表れではないでしょうか。

「女性」「工場で働く若者」をまるで機械のように一段低くみるような
東大出のエリート意識が見え隠れしています。

同じ新聞の肩(左上)には「気がつけば貧困層?格差の実相」という連載記事。
「派遣の若者?夢は正社員、食事は150円」という見出し。

大学で専攻した理論物理の知識を生かすこともできず
メーカーの工場で派遣社員として働く27歳の男性の例が出ています。

重さ30キロ以上の部品を動かすキツイ仕事なのに
手取り13万円。年収270万円。食事は安い肉を使って1食あたり150円。
まさに柳沢大臣が冒頭の発言に挙がった人たちです。

「労働時間だけが売り物」という発想は「長時間労働しなければオカネがもらえない」という「長時間労働推奨」にもつながるニュアンスを含んでいないでしょうか。

上記の27歳男性がこれからの人生に希望をもって結婚し、子供をもち、
ましてやマイホームを買おうという気持ちには到底ならないような気もするのですが。。。

「人口減少」という火に「格差社会」という油が注がれて
住宅市場は急スピードで萎んでいくという構図。
この業界は少子化よしむしろ後者のほうに目を向けるべきではないでしょうか。



■もう一丁、きつめのコメントを。

生産現場「労働時間だけが売り物」また柳沢厚労相 誤解を招く発言 」『薔薇、または陽だまりの猫』

東京新聞2007.2.16(金)朝刊1面に、
     *        *        *        *        *
       生産現場「労働時間だけが売り物」
       また柳沢厚労相 誤解を招く発言
  柳沢伯夫厚生労働相は15日の参院厚生労働委員会で、
ホワイトカラー・イグゼンプション(労働時間の規制時間除外制度)に関連し、
生産現場で働く労働者について「工場労働というか、ベルトコンベヤーの仕事。
労働時間だけがうりものです、というようなところ」と述べた。
【以下略】
  *  *  *  *  *

私は、柳沢厚労相の女性は「産む機械」発言の時、男性は「働く機械」と思っているのだから、
本人の中では全然差別意識はないのでは!?と思っていましたが、
やっとこれで 首尾一貫・本音吐露・論旨貫徹 分りやすくなりました。

1: 江崎玲於奈の『遺伝子レベルでの出生選別
   (日本を背負って立つエリートを見つけ伸ばす為の)とも取られかねない発言』
2: 三浦朱門の『100人に2?3人でもいい、必ずいる筈”のエリートを見つけ伸ばす為の
   「選民教育」である事を明言(「出来ん者は出来んままで結構、
   エリート以外は実直な精神だけ持っててくれればいい」
   「限りなくできない非才、無才には、せめて実直な精神だけを養っておいてもらえばいいんです』
3: 奥田碩の『「楢山節考」はよいことだ』

私たちは生まれる前から管理されようとし、生まれてからはもちろん、
死に関しても管理されようとしているのです。
彼らは私たちを、「産む機械」・「働く機械」と思っているのだから、管理しようとするのは当然です。
そしてこの機械に該当するのは、石原都知事のババア発言にみられるように、
自分のところのババアは、別なのです。つまりエリートは別なのです。

でも、ほんの少しのトップのエリート以外は、エリートと云えども知らず知らずのうちに管理されているのだ、
ということに気づいてほしいと思います。
その一例が天皇一族・皇族です。

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井上 敏子
mail : inonon41@ybb.ne.jp
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■小田嶋先生なら、「ホラ、『野党議員であれ、与党の大臣であれ、区議会の下っ端であれ』『政治家というのは、どっちみち国民をコマに将棋をやろうとしている人たち』って、いったじゃない?」って、おっしゃりそうだ(笑)。■で、こういったかたがたに、国政とやらをまかせきりにして、「ホワイトカラー・エグゼンプション導入の是非」とやらを、議論していただくんですか? ■「農業研修のはずが、「性暴力」 外国人実習生が損賠提訴(朝日)」などといった労働現場が現実にあって、「過労死は自己管理の問題」とか「倒産しても、会社は社員を守ってくれない。早くから自律的な意識をもつべきで、労働者への激励のつもりで発言」とか、本気とも冗談ともつかないような、おっかない発言をくちにする経営者が「労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)の分科会委員」とかにおならびとかきくと、正直冷静な気分でいられないんですけど。■小田嶋先生ぐらいの達人になると、作家=自営業でもあらせられるんで、「あたりまえでしょ」などと、すずしいおかおで ながせるんでしょうが。■小生ら、こものは、とても達観できません。
■いや、「生産労働から完全に距離化した経営トップ層は、株式会社という経済合理的官僚制組織の管理者として、「「流体」=量的資源としての人材」視をえらびとらないかぎり、中長期的に組織を同業他社に敗北させるか、自身が退陣においこまれる宿命にある」とか、巨視的・普遍的なモデルを提示されても、こまるんですが。■それって、いわゆる「蜘蛛の糸」症候群、ってヤツで、「『利他的行動が中長期的に自分に還流する』なんて、あまっちょろい人生観にひたるやつは敗者。勝者は、ドンドン弱者・愚者をふみつけにして、むしれるだけむしるしか、活路はないの」って、二流の暴力団幹部みたいな人生観じゃありません? ■ま、そのての品性下劣な連中が、国会とか財界には大勢いるらしいことは、推測できます。かの奥谷先生のセリフにしたって、「あ?あ。それいっちゃおしまいよ(そこまで暴露するか?)」ってのが、「良識ある」オジサマがたの「品性」というもので、いわゆる「教養が邪魔する」おかげで、そこまで正直におっしゃれなかっただけ、って御事情も拝察するものではありますが。 


●「asahi.com「ホワイトカラー・エグゼンプション
●「「過労死は自己管理の問題」発言で参考人招致要求 民主(2007年02月19日19時20分 asahi.com)
●「どうしょもない柳沢厚労相と、それを擁護する人々」『嗚呼、負け犬の遠吠え日記(新館)』
●「トラックバック・ピープル 安倍晋三