■「「非人道的な兵器」?」の続編。■そのときは「社説」を参照したが、また『朝日』の記事から。

クラスター爆弾禁止へ条約 
日本など宣言に加わらず
2007年02月23日22時41分(asahi.com)
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 国連などが非人道的だと批判しているクラスター爆弾をめぐり、ノルウェーが呼びかけた国際会議は23日、08年末までに使用、製造、移動、備蓄を禁止する条約の締結を目指す「オスロ宣言」を採択し、閉幕した。49カ国と国連機関、NGO(非政府組織)が参加。このうち日本とポーランド、ルーマニアの3カ国だけが宣言に加わらない意向を表明した。今後、条文の整備などを急ぐ









クラスター爆弾
 97年の対人地雷禁止条約に至った「オタワ・プロセス」と同様、意欲のある国々が国連外で軍縮を進める。宣言自体に拘束力はないが、地雷のように軍事大国も意識せざるを得ない枠組みに発展するかが注目される。

 会議参加国は最終日にコロンビアが加わり、49カ国となった。米国、ロシア、中国は会議に参加していない。日本代表の平野隆一・外務省通常兵器室長は「議論の進め方、方向性について立場を決める状況にない。今回は主に人道的な観点だったが、安全保障上の問題について議論することも必要だ」と話した。

 宣言には、備蓄している爆弾の廃棄、使用された爆弾の除去のほか、被害者のケアの分野で国際協力する枠組み作りも盛り込まれた。

 クラスター爆弾の一律的な禁止に消極的な英国やフランス、日本などは「禁止するクラスター爆弾の種類の精査が必要」と主張。そのため、宣言では対象を「民間人に受け入れがたい苦痛を与えるクラスター爆弾」として具体的な中身は今後の検討に委ね、英仏は賛成に回った。

 当初案には、条約締結までの間、クラスター爆弾の使用・移送を禁じる国内法整備などを検討することも盛り込まれたが、一部の国が難色を示したため見送られた。

 クラスター爆弾をめぐっては、昨年のイスラエル軍のレバノン侵攻やイラク戦争による被害をふまえ、国際的な規制を求める国が増えている。だが、国連の「特定通常兵器使用禁止・制限条約(CCW)」での議論は進まず、昨年11月の締約国会議でも規制への動きはなかった。

 今回の動きの中心は、ノルウェーのほかアイルランド、ニュージーランド、メキシコ、オーストリアなど。対人地雷禁止条約締結で中心的な役割を果たした国々と重なっている。

 ノルウェー政府は会議に関心を示したすべての国を受け入れており、英国、仏、ドイツなどのG8メンバーも参加したが、CCWでの議論を進めるべきだという意見が強く、全面禁止に向けた早急な動きを牽制(けんせい)していた。

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 〈クラスター爆弾〉 多数の子爆弾を容器に詰めた形で、不発率が数%?数十%あるとされ、戦闘後も多くの死傷者が出ている。航空機からの落下のほか、ミサイル搭載も可能。米国のNGO「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」によると34カ国で製造され、米英など73カ国が備蓄。日本も自衛隊が保有している。イラクやアフガニスタンで米軍などが使用した。

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■Wikipediaの記述も転載。


クラスター爆弾

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クラスター爆弾 (CBU-87/B)クラスター爆弾(クラスターばくだん)とは、対人・対戦車用の空対地爆弾である。集束爆弾(しゅうそくばくだん)ともいう。

概要
この爆弾は、通常の空対地爆弾とほぼ同サイズのケースの中に、数個から数百個の子弾(爆弾や地雷)を搭載し、母機から投下後に空中でケースが分裂することにより子弾を散布して広範囲にわたってダメージを与える。主に人的被害やあまり強固ではない施設・兵器への広範囲の被害を狙うものである。

ベトナム戦争においても使用され、当時は『ボール爆弾』と呼ばれた。爆弾本体に野球ボール程度の大きさの子爆弾が300個ほど内蔵され、その子爆弾ひとつにつき600個ほどの金属球が入っており、これが爆発によって飛散する。加害面積は親弾の炸裂高度によって変化する。

子弾1個1個の威力は弱いため鉄筋コンクリートビルやトーチカのような強固な建造物などに対する攻撃には向かないが、通常の爆弾より広範囲にダメージを与えられる分、対人、対装甲車両用の面制圧兵器としては絶大な威力を誇る。また、子弾として地雷を搭載した場合は敵の進軍を妨げるなどの効果がある。

搭載する子弾の数が多いためどうしてもいくつかが不発弾となってしまい、それが戦闘終了後も残留し、戦闘に無関係な市民を殺傷する事故が起こってしまう(子弾が地雷の場合さらに危険度が高い)。そのため、非人道的であるとして、禁止するべきという運動がある。


戦闘後の被害
この兵器の最も特徴的なところは、広範囲に小型・低破壊力の爆発物を散布することであるが、これが戦闘後に不発弾の形で残留することで大きな問題となっている。その不発率は約5~40%である。

この爆弾の子爆弾不発率は高く、国連のレバノン南部地雷活動調整センター調査によれば2006年8月までにレバノンで使用されたクラスター爆弾は子爆弾の4割までもが不発のまま残っているという。この戦闘ではイスラエル軍によりヒズボラに対して子爆弾644発を積載したクラスター爆弾が最低1800発使用されたが、これの不発分が市街地などに散乱しており、全ての撤去には1年以上かかるとみている。

これらでは戦後復興に対する影響が大きく、先に挙げたレバノンでは戦闘中避難していた市民が乗用車で戻ってきたところ、その車列で爆発が発生、驚いた市民らが車から降りて更に爆発が発生、30分で市民15人が死傷したケースもあると朝日新聞は2006年09月20日に報じている。中には「木に引っ掛かったまま」になっている子爆弾もあり、2006年10月23日の朝日新聞報道では、果樹園で取り入れを手伝っていた子供の死亡事例が多いと報じられている([1])。同記事によれば同年8月14日から10月22日までのあいだに、20名が死亡・120名が負傷した。

このほか子爆弾は清涼飲料水の缶ほどの大きさしかなく、また回収を容易とするため目立つ色(黄色など)で着色されているものもおおいが、これを知らずに子供が触れて死傷したり、あるいは難民救済用に空中散布された食料パック(→レーション・不発弾を参照)と間違えて触れるという事故も報告されている。

英国に本拠のあるNGO団体Handicap Internationalは「この爆弾で被害を被るのは、98%が一般市民だ([2])」として、同種兵器の使用を非難している。このほかにも同兵器の使用は、平和団体や人権団体などより、問題視する声が挙がっている。


外部リンクWeapons Schoolによる解説
FASによる解説(英語)

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■ヒトを 電子レンジの原理で焼殺するって装置をオウム真理教がもちいていたといった疑惑など、「アメリカ産殺傷光線兵器」やら、「安価で数多く使われる小型のものは、敵兵を殺すことではなく、敵兵に重傷を負わせることにより戦闘不能にすることを目的としている。敵兵を1人戦死させれば、それは敵の兵力を1減らすことになる。しかし、敵兵1名に重傷を負わせれば、敵は重傷者を後送する兵・手当てする兵を確保せねばならず、前線の敵兵力を2名以上減らすことができることに加えて、重傷者が身近で苦しむ姿を見させることにより、戦闘可能な敵兵の戦意をも喪失させることができる」「対人地雷」やら、軍事技術者や死の商人の連中の悪魔的な知力には、したをまく。■ただ、今回は、日本政府(防衛庁・外務省)の連中が、アメリカ軍のてさきとして、世界のながれに無意味な抵抗をこころみる、そのみぐるしさが、めだつ。

■しかし、朝日新聞は、以前も優等生的で不徹底な社説をかいたので批判した。■そして、その意味では、「規制が議論されている兵器」という分類自体の偽善性が、いまだ認識されていないようなので、今回も、おなじ文章をはりつけておく。

■クラスター爆弾が、「NBCR兵器」や地雷などとともに「規制が議論されている兵器」にあげられ、非人道的であることは、論をまたないわけで、その国際的規制による廃絶をめざすことには、なんら異存はない。■日本はもちろん、アメリカ・ロシアなど核大国が条約に反対ないし難色をしめすとは、はじしらずもいいところだ。

■しかしである。「規制が議論されている兵器」にあがっていない兵器は、「非人道的」ではなくて、必要悪なのか?■たとえば、「「人類史上最も人を殺した兵器」とも、「小さな大量破壊兵器」ともいわれている」「AK-47(カラシニコフ)」は、非人道的な武器にははいらないのか?
■およそ、凶悪犯人の攻撃をおさえこむための警官用武器以上のもので、「人道的」な殺傷兵器があるのだろうか?