■「矢祭町(取捨選択版Wikipedia)」の続編。

町長後継者いまだゼロ 「大物」との比較嫌う? 
福島・矢祭


退任宣言撤回を迫る町議会に対し、「出処進退は
さわやかにしたい」と決意を語る根本良一福島県矢祭町長
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 「合併しない宣言」で知られる福島県矢祭町の根本良一町長(69)が、14日の定例町議会で7選不出馬を表明してから2週間が経過した。町長選の告示が来月17日に迫る中、次期町長に名乗りを上げる陣営はまだ現れない。カリスマ町長の手腕に町民が安住し、後継者を育ててこなかったツケとも言えるが、町内外から「行財政改革のトップをひた走る町の行く末はどうなるのか」と案じる声が上がっている。(白河支局・野村哲郎)
 矢祭町議会は28日、全員協議会を開き、根本町長を招いて「町民の総意として退任宣言の撤回を求める」と迫った。しかし町長は「町政のトップが代わっても、町の進むべき道は明らか」と述べ、翻意はあり得ないと強調した。

 佐藤雄平福島県知事や国会議員、有名ジャーナリストらも説得に動いたが、「引き際をさわやかにしたい」と決意を変えなかった。

<「ほかにいない」>
 町民の間には困惑の色が広がる。50代の農業男性は、2001年の「合併しない宣言」の際に町長が見せた気迫が忘れられないという。「説得に訪れた総務省の高官に堂々と持論を述べ、一歩も引かなかった。あんな人はほかにいない。死ぬまで町長でいてほしい」と語る。

 後継者に課せられたハードルは高い。町は退職不補充による職員削減に取り組んでいるが、今後は活力維持のためにも計画的な採用が必要。町職員に負担を強いる改革路線を堅持するため、役場内のさらなる綱紀引き締めも求められる。政策立案能力、決断力に加え、強固なリーダーシップが不可欠だ。

<助役も出馬否定>
 「次の町長は町民が決めること」と語る根本町長だが、意中の人物がいなかったわけではない。その1人が古張允助役(66)。町議から助役に転じ、疾風期の町政を縁の下から支えてきた。しかし助役は「わたしは根本町長の跡を継げる器ではない。町長の退任と同時に辞表を出す」と固辞の姿勢だ。

 また、根本町長が統率力を評価するベテラン町議は「役場内の綱紀の緩みから、行財政改革が失速する懸念があるのは分かる。だが、わたしも高齢で、町長の職務を全うできるとは思えない」と言う。

 根本町長と親しい県幹部職員は「傑出した存在の根本町長と比較されるのを嫌って、後継者が現れないようでは、日本の地方自治のともしびが消えてしまう」と表情を曇らせる。

 29日には町長選立候補予定者の事前説明会が町役場で開かれるが、町民の間では「誰も来ないのではないか」との観測が漏れている。

2007年03月28日水曜日
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■「町議会は…全員協議会を開き、根本町長を招いて「町民の総意として退任宣言の撤回を求める」と迫った」っていうんだが、70すぎまでなら、元気だろうと、次期も当然「続投」してくれるだろうと、たかをくくっていたらしい。■しかし、なんたる、依存心。「あんな人はほかにいない。死ぬまで町長でいてほしい」とは、きいている方が、なさけなくなってくる。
■まあ、町長の意中のひとにされていた助役さんには、おもにだろうけど、全国から公募するぐらいの気迫がないんでは、総務省にいいようにつぶされても、しかたがなかろう。■「地元出身者であることが、ちいさいまちには、自明」といった前提自体をこわさないと。