■もちろん前便のつづき。■『沖縄タイムス』のけさの朝刊1面記事が、具体例をあげているので、それを転載。


  「集団自決」軍関与を否定/08年度教科書検定
文科省「断定できず」/専門家「加害責任薄める」


【東京】文部科学省は三十日、二〇〇八年度から使用される高校教科書(主に二、三年生用)の検定結果を公表した。日本史A、Bでは沖縄戦の「集団自決」について、日本軍が強制したとの記述七カ所(五社七冊)に、修正を求める検定意見が初めて付いた。文科省は「集団自決」に関して今回から、「日本軍による強制または命令は断定できない」との立場で検定意見を付することを決定。これに伴い、各出版社が関連記述を修正した結果、いずれの教科書でもこれまで日本軍による「集団自決」の強制が明記されていたが、日本軍の関与について否定する表記となった。
 文科省は「最近の学説状況の変化」や大阪地裁で係争中の「集団自決」訴訟での日本軍元戦隊長の証言などを根拠に挙げているが、教科書問題に詳しい高嶋伸欣琉球大学教授は「合理的な根拠がなく、日本軍の加害責任を薄める特定の政治的意図が透けて見える」と批判
 さらに修正後の記述についても「住民がどのように『集団自決』に追い込まれていったのか、実態がぼやけてしまっている」と指摘した。

 「集団自決」関連で検定意見が付いたのは実教出版(日本史B二冊)、三省堂(日本史A、B)、清水書院(日本史B)、東京書籍(日本史A)、山川出版社(日本史A)の五社七冊。

 いずれも検定前の申請図書では「集団自決」について「日本軍に…強いられ」「日本軍により…追い込まれ」などと記述、日本軍による強制、命令を明記していた。

 しかし検定意見書ではそれぞれ「沖縄戦の実態について、誤解するおそれのある表現である」との意見が付き、修正後に検定決定した記述では「集団自決」がどのように引き起こされたかがあいまいとなっている


 今回の検定意見に至った経緯について文科省は「軍の強制は現代史の通説になっているが、当時の指揮官が民事訴訟で命令を否定する動きがある上、指揮官の直接命令は確認されていないとの学説も多く、断定的表現を避けるようにした」と説明。

 その上で「今回の検定から、集団自決を日本軍が強要した、命令したという記述については検定意見を付し、記述の修正を求めることとした」とし、来年度以降も同様の検定となる見通しを示した


 昨年度まで検定合格した教科書についても各出版社に訂正を通知する予定だが、強制力はなく、各出版社の判断に委ねられるという。

 今回の検定意見について、検定に直接携わる「教科書調査検定審議会」からは否定的な意見は出なかったという。


[ことば]


教科書検定民間の出版社が編集した原稿段階の教科書(申請本)を、文部科学省が学校で使う教科書として適切かどうか審査する制度。学校教育法、教科書検定規則で規定されており、合格しないと教科書として認められない。学習指導要領に則しているか、範囲や表現は適切か、などを教科用図書検定調査審議会に諮って審査する。出版社は指摘された「検定意見に沿って内容を修正、合格した教科書は市町村教育委員会などの採択を経て、翌年春から使われる。検定対象の学校や学年は毎年異なり、各教科書の検定はおおむね4年ごとに行われる。


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■御用組織である 「「教科書調査検定審議会」からは否定的な意見は出なかった」というのは、いわずもがなの情報。■それと、「昨年度まで検定合格した教科書についても各出版社に訂正を通知する予定だが、強制力はなく、各出版社の判断に委ねられるという」という、公式見解とやらが、全然空文化していることも事実。■『タイムス』らしくない。というか、『朝日』あたりの姿勢にひきずられているのか?

■「沖縄戦の実態について、誤解するおそれのある表現である」って、調査官の連中、なにさまのつもりなんだ。■沖縄戦のききとり調査とか膨大なつみかさねを地元の歴史家や社会学者がくりかえしてきたのい、それをひっくりかえせるぐらいのデータを新発見したとでもいうのか?■到底信じられない(笑)。
■かれらのやろうとしていることは、「沖縄戦の実態について、本質をただしく理解するおそれのある表現」を生徒たちの日常からけすこと。入試作問者が、「範囲外」だなどと、出題範囲からはずすことで、受験生さえも基本的知見としてほとんどしらない世代をふやしていくことで、「つごうよくトリミングされた自画像」を定着させることだ。
【つづく】

●「トラックバック・ピープル 安倍晋三