■「あきれた政治家とその「ブレイン」=マッチョでネオリベしか東京の首長になれないというが 6」の補足記事。■中長期的には敵にシオをおくるようでイヤだが、今回にかぎっては、石原・佐々ラインに致命的打撃をくわえるだろうWallerstein氏のツッコミをそっくり転載。

二〇〇〇?三〇〇〇人の根拠 2007-04-28 00:55
石原慎太郎氏の発言。

ちょっと数字は違ったかも知れないけど、佐々(さっさ)さんの受け売りでね。

実は当時の内閣官房にも責任がある。とにかく知事、市長の要請が遅れた。おそらく自衛隊は7、8時間、手をこまねいて出動を控えていた。


その佐々淳行氏の発言。

『8割が即死』と言われているのは事実でなく、石原知事の発言は間違っていない。自衛隊の出動で救えた正確な人数はわからないが、石原知事に災害時の初動の重要性を説く際に『2、3000人ほどが助かったでしょうね』と言ったかと思う。
尻拭いというか、議論の纏め方がへただとしか言い様がない。これが朝日新聞の捏造であれば、と思うほどである。石原氏が「2000人は助かった」といい、石原氏を支持する人々が「2000人は誇張だが、かなりの数が助かった。四時間の空白は痛い」と言っている、その程度にとどめておけば、これ以上問題は大きくならないのに、それを7,8時間とか、三〇〇〇人とか、数字を大きくしてどうするのだろう。こういうのは数字をぼかすのがコツだ。多数の人々が自衛隊の出動の遅れで犠牲になった、と言えば必ずしも嘘とは言えないし、具体的数字を上げろ、という論戦にも、対応できるのだ。実際自衛隊への出動要請が遅れたのは事実であり、自衛隊によって救助された人々もいたことも考え合わせるとゼロとは断じて言えない。そして当時の村山内閣や貝原県政に問題点がなかったとも言えない。問題点の指摘自体はなされねばならないし、そういう範囲で言及すれば問題にもならなかったはずである。それを好き好んで失言に失言を重ねていくのは、どういうことか。石原氏はそれを売りにしているし、それを多くの都民が支持しているので私がとやかくいうことではないが、一応安全保障の専門家が根拠も示さずに数字を並べるのは、いささか問題なしとはしない。根拠なき数字を並べるのはプロパガンダでしかない。
実際自衛隊は七?八時間も手をこまねいていたのか。もしそうならばとんでもない無能集団でしかない。石原氏も佐々氏も自衛隊をそこまで無能集団に貶めたいのか。
そして自分が政権を握れば無能集団である自衛隊を活動できるようにしてやれるとでもいうのか。

実際には自衛隊は地震発生直後の午前六時には第三師団司令部が指揮所を千僧駐屯地に、六時一〇分中部方面総監部が伊丹に駐屯地にそれぞれ開設している。実際にはまずは隊内の状況把握や部隊自体も被災しているはずで、その建て直しなどもあったはずであるが、迅速に行動しているのがわかる。そして七時三五分には伊丹駅に三六連隊が普通科小隊を派遣、八時二〇分には同じく小隊が西宮中央病院に派遣されている。それとともに連絡幹部を各自治体に派遣して状況把握に努めている。


第3師団主力部隊は被災地域への進入が遅れ、翌日に延期された。この遅延については松島悠佐氏の「自衛隊かく戦えり」が「激震地への部隊の到着は予想外に遅れ、思わぬ事態となっていった。」と述べているが、大規模な部隊を動かすには、それだけの準備と時間がかかるのである。この問題で自衛隊を責めるのは反自衛隊色の強いサヨクだけかと思っていたが、そうではないようだ。他でもない、防衛施設庁長官まで務めた防衛庁の大物OBや、ひごろ自衛隊を持ち上げている保守派の政治家までが、自衛隊を無能呼ばわりするのだ。震災で消防や警察や行政や地域の人々やボランティアとともに「かく戦った」自衛隊に対して、何と言う侮辱か。七?八時間知事の要請が遅れた、という事態だけではない。実際には地震発生後四時間で知事は要請を出しているのである。七?八時間自衛隊が手をこまねいていた、というのは、自衛隊に対する侮辱でしかないことが石原氏と佐々氏にはわからないのだろうか。佐々氏は一応防衛庁にも在籍していたはずである。自衛隊を侮辱することでしか自分の意見を述べられない人物がOBであることに防衛庁も情けない思いをしているのではないだろうか

実際に震災の時にも活動していた佐々氏ならば、もう少し客観的かつ信憑性のある議論ができたはずだけに、今回の佐々氏の発言は残念の一言につきる。石原氏と貝原氏の感情的な議論を冷静に分析できる人であるし、震災に関しても党派性を超えた提言ができるはずの人だけに、結局この人も党派性でしかものを語れないのか、と思った。政治家が党派性を持つのは当然であるし、だから私は石原氏を強く批判しようとは思わない。石原氏は党派性を持つべき政治家だからだ。しかし佐々氏は専門家としての肩書きでこういう問題に関われたはずだ。佐々氏は自身の持つ価値を自身で棄損したとしかいいようがない。

参考

阪神・淡路大震災における活動_部隊配置1月17日-1_自衛隊の災害派遣について知ることのできるページ

阪神・淡路大震災における活動_部隊配置1月17日-2_自衛隊の災害派遣について知ることのできるページ

阪神・淡路大震災における活動_部隊配置1月18日・19日_自衛隊の災害派遣について知ることのできるページ

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前回もかいたが、この国には、真の意味でのリスク対策の専門家がおそらくいないのである。■官僚しにてこうなのだから、当然、政治家になどいない。「危機管理につよい」とウソぶく、単なるウソつき、ないし誇大妄想のやからなのではないか?
■ちなみに安倍首相も、官房副長官をはじめとした官僚たちの資料調査を事実上無意味よばわりした。■いや、すくなくとも、危機管理についてのシミュレーション関しては、あたらずとしてもとおからずなのかもしれない。しかし、無能よばわりする政治家に見識がそなわっているのかといえば、「受け売り」程度のていたらくなのである。
■政治家が官僚の情報処理能力を信用しないか、「受け売り」するか、といった、批判精神の欠如した両極をみるにつけ、われわれ市民は、だれに投票し、だれに税金をはらっているのかと、おさきまっくらにさせられる。■なにしろ、そういった政治家と、それにつかえる官僚たちの「しきり」に対して、OKサインをだしつづける有権者が人口の3分の1程度おり、小選挙区では絶対的安定多数を維持する状況だからだ。■もはや、だれもとめられないのか?


●「トラックバック・ピープル 安倍晋三