■「捜査資料、地検「死んでも出さない」 鹿児島12人無罪(朝日)」の続報。■またまた『朝日』の記事から。

「裏づけ捜査に問題」公判中も自覚 
鹿児島12人無罪
2007年04月30日11時54分(asahi.com)

 被告12人全員の無罪が確定した03年の鹿児島県議選をめぐる公職選挙法違反事件(買収・被買収)で、県警と鹿児島地検が、「買収」の動機や「買収会合」の回数などの裏付け捜査に問題があることを十分に認識しながら公判に臨んでいたことが29日、朝日新聞が新たに入手した内部文書で明らかになった。文書は、公判をめぐる県警と地検の協議内容を県警側がまとめたもので、県警の捜査を検証しなかった地検の対応が福岡高検から問題視された経緯などが記されている。

 すでに別の文書で明らかになっている「捜査報告書の改ざん」や「不利な捜査資料を公判に出さないようにする口裏合わせ」とあわせて、事件をめぐる捜査側のずさんな対応がさらに明確になった。こうした内部文書が複数明らかになるのは極めて異例だ。
 この事件の公判をめぐる県警と地検との協議については、これまでの内部文書から、(1)取り調べ時の内規違反などを隠蔽(いんぺい)するために、一連の捜査を指揮していた県警本部の警部(56)が部下に捜査報告書の改ざんをさせた(2)県警と地検が、県警の捜査がずさんだったことを裏付ける資料を公判に提出しないようにする口裏合わせをした――などの経緯が判明していた。

 新たに入手した内部文書は、公判中の04年10月20、26日、同11月2日に開かれた県警と地検との協議をまとめたもの。

 それによると、20日の協議では、「買収会合」が開かれた回数にかかわる「被告」らの供述が数日のうちに「1回」から「4回」に変遷したことについて、地検側が「『本当か』と疑問視しなかったか」と県警側にただした。

 「関係者の話と複合して変遷した」とする県警側の回答に、地検側は「何を理由として『会合があった』ととらえたか、判断となる証拠があるか」とただす一方で、「当初、検察庁は『多額買収、複数会合がなぜ行われたか』との疑問点を持っていなかったのが現状」「福岡高検から指摘されて、あわててその理由付けの検察官調書を作成した」
とも述べている。

 26日の協議でも、地検側は「検察庁としても高検協議の時に、4回の会合が実際行われたかという詳細な検討がなされていなかったと考えている」と検証の甘さを吐露。県警側も「複数会合の検討というのは不十分であったかもしれない」と応じている。また、11月2日の協議では地検側から「検察庁でも消極意見はあった。しかし、主任(検事)が起訴すると決めたら、これに従うのが組織捜査。消極意見が出るのは当たり前」と弁明していた。

 判決は「会合に参加したとされる人物はほぼ同じ顔ぶれで、多額の金銭を供与することに、選挙運動としてどれだけの実効性があるのか疑問」としており、捜査側が自覚していた問題点をそのまま指摘した。

 起訴事実は、「主犯」とされた中山信一さん(61)=県議=夫婦らが、同県志布志市の懐集落(全7世帯)の民家で計4回の「買収会合」を開き、集落などの11人と計191万円の現金を授受したというものだった。

 一連の内部文書について、地検は「コメントしない」、県警は「答えられない」としている。

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■鹿児島地方検察庁も「コメントしない」ではなく、「答えられない=コメントしたら、炎上する」だろう。■要は、内部告発があったということ。あまりの現場のひどさに、みるにみかねた良心派が暴露におよんだとみるべきだろう。
■逆にいえば、こういった内部関係者による暴露(=報復人事も覚悟した)がなかったら、いわゆる「有罪率99.9%」という、検察の威信にかけた工作が、おなじ法曹同士の過大評価にもたれかかる判事との「共犯」関係でそのまま「でっちあげ事件」化していたおそれがある。■「Wikipedia 志布志事件」の以前の記述が、「この判決に対し「冤罪事件」と紹介されることもあるが、冤罪は「事件そのものは存在するが、逮捕・起訴された被告人は事件の犯人ではない」事例のことであり、この事件では逮捕容疑の公職選挙法違反事件の事実そのものが存在しないと裁判で認定されているため、いわゆる「冤罪」には当たらない(「冤罪」とすら言えない)特異な事例」とあったように、真犯人がほかにいる「冤罪」ではなく、犯人にあたるもの、いや犯行の事実そもののが存在しなかった、捏造事件なわけで、それを県警と地検のメンツという、最低の理由だけで、有罪にもちこもうとした、最低の権力犯罪だといえよう。
■関係した県警・地検の連中は刑事罰をうけねばならない。■そうでなければ、被告・家族らは、たまらんだろう。


●「Wikipedia 志布志事件
●「取調べという名の犯罪?元被告たちが日本の刑事手法の前近代的実態を告発」〔『JANJAN』〕
●「権力犯罪としての誤認逮捕」「とじこめる/みはる/ころす」「権力犯罪としての横浜事件」「「『はい』以外言うな」 富山の冤罪男性に取調官(朝日)」「裁判官の守秘義務って、なにをまもっているの