■『産経』の記事から。

テロ支援国家の指定解除 
「拉致解決が前提でない」米国務長官


 米国の北朝鮮に対するテロ支援国家指定解除をめぐり、先月27日の日米首脳会談で、同席したライス国務長官が、米国内法の観点からは拉致問題の解決が指定解除の前提条件にはならないとの解釈を説明していたことが12日、分かった。ただ、席上、ブッシュ大統領は「拉致問題も考慮に入れる」と明言しており、政府関係者はライス氏の発言を「米国の法的な建前を説明しただけ」と受け止めている。

 会談では、安倍晋三首相が、拉致問題解決を指定解除の前提条件とするよう要請。大統領が「北朝鮮の問題は国務長官に任せてある」と述べたのを受け、ライス氏が指定解除の法的な手続きを示した。その際、「必ずしも拉致問題解決が指定解除の前提条件にはならない」ことを説明した。

 これを踏まえた上で、大統領は、拉致問題を指定解除の際に考慮する方針を表明。記者会見でも、「拉致問題についての私の強い感情が薄れることはない。この問題は外交的な問題だけでなく、私にとっては形のある感情的な人間の問題だ」と強調。指定解除には法的な問題だけでなく、人道上の観点を考慮する考えを示した。


(2007/05/12 20:52)
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■『産経』はあわてて「ただ、席上、ブッシュ大統領は「拉致問題も考慮に入れる」と明言しており、政府関係者はライス氏の発言を「米国の法的な建前を説明しただけ」と受け止めている……大統領は、拉致問題を指定解除の際に考慮する方針を表明。記者会見でも、「拉致問題についての私の強い感情が薄れることはない。この問題は外交的な問題だけでなく、私にとっては形のある感情的な人間の問題だ」と強調。指定解除には法的な問題だけでなく、人道上の観点を考慮する考えを示した」と、日米政府の友好関係・相互理解を強調するが…。
2007年 05月 13日 04:21:09
米国、北朝鮮のテロ支援国家解除条件と拉致問題を切り離しか - 東京

【東京 13日 AFP】時事通信社は12日、米国が北朝鮮の日本人拉致問題解決を、テロ支援国家指定解除の必須条件に挙げていないことを明らかにした。

 この見解は、4月27日に米国のキャンプデービッド(Camp David)での安倍晋三首相とジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領との会談に出席した、コンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)米国務長官によって示された。

 時事通信社は、米国の法律に照らし合わせた場合、拉致問題の解決が北朝鮮のテロ支援国家解除の「必須条件ではない」とライス長官が明言したことを政府関係者の発言として伝えた。米高官で、拉致問題とテロ支援国家解除問題を、米国政府が切り離す可能性に言及したのはライス長官が初めて。

 時事通信社によると政府関係者は、キャンプデービッドでの会談の中で、安倍首相は拉致問題が解決しない限りテロ支援国家の指定解除しないよう求め、ブッシュ大統領は拉致問題を「考慮に入れる」と応じていたという。

 安倍首相は、会談後の記者会見で「我々は6か国協議の現状、北朝鮮の日本人拉致問題について考えを共有できた」と発言していた。

(c)AFP/Jim WATSON

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■全然、印象がちがうね(笑)。「「米国の法的な建前を説明しただけ」」という政府がわの理解、ないし主張は、単なる「外交辞令」をまにうけただけとか、国内への選挙対策上のとりつくろいの可能性がでてきた。「会談で、安倍首相が「拉致問題の解決をテロ支援国家指定解除の前提条件にして欲しい」と要請したのに対し、同席したライス国務長官が、指定や解除の根拠となる国内法に照らして判断すると説明したうえで「米国民が直接(拉致の)被害にあったわけではない。前提条件にはならない」と述べたという」〔朝日2007年05月12日03時01分〕のが、単なる形式論だとなぜいえるのか? 「日本は米朝関係をテコに拉致問題の進展を図ろうとしてきたが、拉致問題が切り離されたまま米朝が接近する懸念も生じてきた……日本政府内には「ただちに米が指定解除へ向かうわけではないだろう」(外務省幹部)とみる半面、「指定解除と拉致を切り離した初の公式発言」(政府関係者)と深刻な受け止めもある」〔同上〕って懸念は当然だ。
■もともと、6者協議という、朝鮮半島の非核化のばにおいて、「日本人拉致問題」にこだわって、からめない協議をみとめないなんてゴネているのは、日本政府だけだ。■もともと別問題なんだから、当然だ。朝鮮当局はともかく、ほかお4国はみな、「別問題なのに、迷惑だな」としかおもっていない。朝鮮当局同様、「わがままなヤツ」と位置づけられているという自覚が政府にないのか、国内のナショナリスティックというよりヒステリックな圧力に意地になってこだわっているのか? ■いずれにせよ、「日本人拉致問題」は日朝間でサシでやりあう議題であることは、当初からはっきりしていた。
■それと、「テロ支援国家」って分類は、基本的にアメリカ政府の断定なのであって、恣意的なんだよな。「アメリカを敵視する国は、どこであってもテロ支援国家とみなす」ってね。

■とにかく、日本は「強制連行」「従軍慰安婦」っていう、「負の遺産」の清算をまだできず、「敵側」につけこまれる口実をわざわざつくるような、国益無視政府をいただいているわけで、外交上の無為無策は、めをおおうばかりだ。■単純な強硬姿勢をみせびらかすことが、「弱腰外交」でないというアリバイ証明になるという愚劣な発想が支配的で、どうしようもない。世界のわらいものだ。


●「総理の嘘、メディアの嘘」〔『とむ丸の夢』〕
●「北朝鮮6カ国合意と拉致問題」「意味がなくなる日本の対米従属」「「一人負け」の日本」「不利になる日本外交」〔『田中宇国際ニュース解説』〕
●「トラックバック・ピープル 安倍晋三