■だいぶまえにかいた「大相撲と八百長9(あいての土俵にのってガチンコにハマった協会2)」のつづきをかくはずだったが、のびのびになってしまった。■ぐずぐずしているうちに、全然別の展開になってしまったので、まえのはとりあえずおいて、あつい話題の方をとりあげる(「くわしくは次回」などとかいてしまったが…)。
■『日刊スポーツ』の記事から。


宮城野親方「八百長報道」提訴せず
 日本相撲協会顧問の伊佐次啓二弁護士が22日、白鵬の師匠にあたる宮城野親方(37=元十両金親)が愛人を名乗る女性に大相撲の八百長を告白したとする週刊現代の報道について、同親方を事情聴取。同弁護士は「北の湖理事長の同席の上で話を聞いたが、内容は発表できない」と話した。

 同誌は、昨年名古屋場所千秋楽で白鵬を横綱に昇進させるために宮城野親方が300万円で朝青龍に負けてくれるように仲介したことを女性に告白したと報道。女性は会話をテープに収録したとしている。

 同協会は、週刊現代による一連の八百長報道を名誉棄損にあたるとし、同誌や講談社などを民事提訴、係争中だが、今回の報道については提訴はしない方針を示した。また同弁護士は「この女性が証人として出廷し、昨年名古屋場所で八百長があったと立証された場合、裁判全体に影響が出てくる。対応策を検討したい」との見解を示した。


[2007年5月23日9時8分 紙面から]
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■「理事長の同席の上で話を聞いたが、内容は発表できない」ってのは想定内として(笑。ま、できっこないでしょうけど…)、「この女性が証人として出廷し、昨年名古屋場所で八百長があったと立証された場合、裁判全体に影響が出てくる」って、公表される「見解」としては、大方の予想をはるかにこえているとおもうんですけどね…。
■いや、徹底的な現実主義にたったばあい、「裁判はゲーム」であり、「ぬれぎぬであろうと、誤解であろうと、確定した判決が事実=真実としてあつかわれる」って、ハラくくるしかないのは、わかるんですよ。■だけど、それは あくまで「ハラ」のなかでのはなしであって、実際には運動論的な意味もあって、「不当判決」といった批判を公表したりもするわけですよね
〔もちろん、ホントに「不当」だって、おもっているばあいが大半でしょうけど〕?■だって、「名古屋場所で八百長があったと立証された場合」って発言は、事実上敗訴を予想したたちばであり、もっといえば、「証人として出廷」してくる「この女性」の言い分の方が説得力がある≒宮城野親方(37=元十両金親)がかたったとするテープに記録された内容が事実らしい、ってみとめたも同然じゃないですか? ■いや、「愛人を名乗る女性」は、宮城野親方と男女関係として決定的にこじれたというはなしなので、うらみつらみもあって、デマカセ部分がまぎれこんでいるおそれはありますよ。■でもね。それわりびいても、「火のないところに けむりはたたない」って ことわざどおり、宮城野親方の周囲で おおっぴらにできないなにかが事実としてあったという可能性がたかまったことには、ちがいない。■かりに「うたがわしきは被告の有利に…」原則がつらぬかれるにしても、裁判の過程であきらかにされるだろう、さまざまな事実がもたらす印象として、どうかんがえても不利。なので「かねもちケンカせず」で、しらんぷりをきめこんだ。という印象しかうかんでこない。■つまりは、「週刊現代による一連の八百長報道を名誉棄損にあたるとし、同誌や講談社などを民事提訴、係争中だが、今回の報道については提訴はしない」ってのは、提訴したくてもできない事情≒女性の証言/録音データによる、宮城野親方発言には信憑性〔シンピョーセー〕があって、到底疑惑をぬぐいさるだけの証拠・証言を用意できそうにない…って構図なんではとね。
■相撲協会の弁護をつとめる法律家は、単に裁判ゲームにとどまらず、法的な広報担当者でもあるとおもうんだが、ここまで「正直」でいいの?(笑)

前回かいたとおり、大相撲のとりくみは、うたがわれているよりずっとフェア=ガチンコ勝負がおおいのかもしれないが、こと決定的なとりくみにおいても、ウラがあるとしたら、その緊迫感・品位は、地におちることになるだろう。■そうなったら、すくなくとも疑惑だらけのボクシングのような興行と同質ってイメージがまとわりつくだろう。■まあ、プロレスみたいに、いかにもシナリオ」ありの「できレース」ってところまではいかないにしてもね。

■「しらをきりとおせば、お客はわすれてくれる」って、どこぞの議会のセンセー方みたいな、あまいかんがえは、通用しない気がするが。


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