■前便のつづき。おなじく『朝日』の記事から。


法廷で取り調べDVD映像 
証拠として初めて再生
2007年05月25日22時28分

 25日午後、東京・霞が関の東京地裁。一部の電灯が消されて薄暗くなった410号法廷で、DVDに記録された映像が、裁判長のわきに置かれた縦横2メートルほどのスクリーンに投影された。


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 検察官「あなたは共犯としてかかわっていたのですか」

 被告「間違いありません」

 日本の刑事裁判史上初めて「捜査機関による取り調べ状況の録画」が証拠として法廷で再生された瞬間だった。

 プロジェクターが映し出すのは山本俊孝被告(55)の姿だ。フィリピンで05年に起きた保険金殺人事件で吉井誠被告(51)の共犯者として殺人罪などで起訴された。

取り調べ状況の録画再生の様子
=25日、東京地裁410号法廷で

吉井被告は殺害を否認。捜査段階で「吉井被告が事件に関与した」と供述した山本被告も、吉井被告の公判では証言を拒むなどした。そこで検察側は、捜査段階の供述が信用できることを立証するため、録画内容を証拠申請した。

 この日は吉井被告の公判。落ち着かない吉井被告の横で、再生は続く。

 検察官「どうして(関与を)認めたの」

 山本被告「言うか言うまいか、ずっと悩んでいましたけれど、吉井被告が黙秘していると聞いたので、自分の口から言わないといけないと思いました」

 検察官「僕が作成した供述調書についても内容をきちんと確認したんだよね」

 山本被告「確認しております」

 山本被告の上半身の映像と、被告と検察官が机を挟んで向き合う状況を見下ろした映像が並ぶ。昨年11月21日午前10時台に撮影したことを証明するための時刻カウンターも秒単位で表示された。再生は正味10分。傍聴者も含め、廷内にいた全員がじっと見入った。

 刑事裁判では、捜査段階の供述が信用できるかどうかをめぐって裁判が長引くことが多い。だが、09年に始まる裁判員制度では、市民の裁判員を長々と拘束できない。

 録画に否定的だった最高検が、録画内容を見せれば捜査段階の供述が信用できることを短時間で立証できるのではないかと方針を転換。法廷での再生につながった。

 しかし、一部始終を録画するよう求める日本弁護士連合会とはなお隔たりがある。この日の一歩は刑事事件の捜査や裁判の姿を大きく変えるか――。

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■裁判員制度をもちこんで、録画映像の再生時間を制限しようってのは、あまりにせこい。だったら、裁判員制度なんて、もちこむなよ。■弁護士連合会が主張しているとおり、取調べ過程を透明化するためには、全部記録し、要求があれば全部再生するってことしかない(あいてかたが不要と判断すれば別だけど、判事さんは全部把握する必要があるとおもうんで、法廷外でしっかり全部みると。少々の「はやおくり」等は、完全否定はしなくてくてもいいだろうけど)。

■さらには、裁判過程の透明化をはかるためにも、法廷内のDVD保存こそ急務だろう。
■メディアに、写真や録画をみとめないという方針は理解できなくもない。■しかし、法廷内でのやりとり自体が聖域化して、記録が文書にしかのこらず、あとは「印象」「記憶」だけってのは、おかしかろう。