■先日かいた「大資本の搾取を公然と正当化する最高裁(コンビニ裁判)=あやしいコンビニ6」の続報というより、補足的訂正。

■『コンビニ問題』というウェブログ最新号「セブン・チャージロス最高裁判決の考察」から、ほぼ全文を転載。 

 私たちのコンビニ加盟全国被害者の会から、この判決に対する評価をいたします。
・加盟契約時の事実認定がもれている。
 本部に求められている事前説明義務とは契約締結以前のものであり、契約後の研修会や試用期間中での説明は事前説明とはならない。この件について、その事実関係の審理が欠落しており、問題が多い。
・勧誘時に使用している「荒利分配」の「荒利益」の一般的な概念について審理されていない。
  一般的、慣習的に使用されている荒利益の概念、意味をまったく審理せず、一般社会通念を無視した判決といえる。
・ コンビニ会計といわれる不正・不当会計について、最高裁自身が判断を先送り、回避したものである。
・ 判決文後段に記載されている二名の裁判官による意見から、この判決は裁判官の中で当初意見がわかれたものと推測できるものである。したがって、セブンイレブンにとっても決して有利なもの、勝利したものとは言えない判決である。

※ この判決文は、次のサイトに掲載されており、ダウンロードすることができます。
  http://web1.nazca.co.jp/combinidorei/combini.pdf/
以上、本会の評価をしました。
なお、この判決結果は、加盟店経営者側が負けたように感じられますが、決してそうではないのです。この度の最高裁判決で特筆されるべき判断がありました。 「廃棄・棚ロスからチャージが取られている」という会計事実が認められたということであります。今までコンビニ本部企業は廃棄・棚ロスからチャージを取っていないと主張しておりましたが、今後、このような虚偽の主張は認められないということであります。
この度の最高裁判断が2審に差し戻されたという内容は、「セブンイレブンは加盟契約時にロスチャージについて説明していたが、加盟店側が理解していたかどうか良くわからないので、以前に2審で出された賠償命令判決を取り消すから、もう一度2審で審理しなおしなさい」というものであります。
 私見ですが、最高裁は断定判断を避け、玉虫色の判決を出したと考えられます・・実のところ、セブンイレブンという上場企業に配慮した不公平、不公正な判断であります。神に誓って正しい判断を下せば大企業に甚大なダメージとなるということに政治的な判断をしたというのが率直な感想であります・・最高裁の裁判官たちよ、こんなことでは誰も司法など信用しなくなりますぞ・・
しかし、今回の判決がNHKなどの公共放送でこの問題が報じられたことは大きな意義があります。私たちの会が、一貫して主張してきた「ロスチャージの事実」が公に認められ、広く世間に報じられることとなったからです。また、今回の判決が玉虫色であっても、いずれは米国で起きたような訴訟結果になっていくことは十分予想されますので、決して本部企業にとって有利な材料になるとは考えられません。これからの闘いが、いよいよ楽しみになってきました。本書の果たす役割がますます大きくなってくると確信しております。

最後に、フランチャイズ・コンビニ問題という奴隷商法をさらに深く理解していただくために、次頁の本(昨年11月、本の泉社刊)もぜひ併せてお読みください。欺瞞勧誘や不正会計などのコンビニ問題について必ずや理解が深まるものと思います。
いずれ、今回の判決はセブンイレブン本部にとっては一時の難逃れでしかありません。不正会計により生活に足る収入すら得られない加盟店経営者は、自らの意思で脱却し続けるのであり、今後さらに不正・不当と闘う加盟店が増加することは必定であります。
本部企業は、これらのことを悩み続けることとなるでしょう・・加盟店がなくなれば、こんな奴隷商法もなくなるものですから・・

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■?判決文のURLは、みつからなかったので、リンクしなかった。
■?「「廃棄・棚ロスからチャージが取られている」という会計事実が認められたということであります。今までコンビニ本部企業は廃棄・棚ロスからチャージを取っていないと主張しておりましたが、今後、このような虚偽の主張は認められない」「今回の判決が玉虫色であっても、いずれは米国で起きたような訴訟結果になっていくことは十分予想され…、決して本部企業にとって有利な材料になるとは考えられません」という指摘はタイヘン重要。
■?「最高裁判断が2審に差し戻されたという内容は、「セブンイレブンは加盟契約時にロスチャージについて説明していたが、加盟店側が理解していたかどうか良くわからないので、以前に2審で出された賠償命令判決を取り消すから、もう一度2審で審理しなおしなさい」というもの」という総括は法律家をほっとさせるかもしれないが、「セブンイレブンという上場企業に配慮した不公平、不公正な判断で……神に誓って正しい判断を下せば大企業に甚大なダメージとなるということに政治的な判断をした」という指摘こそ重要。
■?「今回の判決はセブンイレブン本部にとっては一時の難逃れでしかありません。不正会計により生活に足る収入すら得られない加盟店経営者は、自らの意思で脱却し続けるのであり、今後さらに不正・不当と闘う加盟店が増加することは必定」という見解は、これまでのハラナの見解をうらづけているとおもう。


●「あやしいコンビニ1」「」「」「」「」「