前便前々便の補足記事。■ふたつきほどまえの『朝日』の記事から。

原発、停止中も危険性 事故率は運転中と同じ 経産省
2007年05月24日07時59分(asahi.com)

 原子炉の制御棒が抜け落ちるなど事故やトラブルが相次いだ問題で、定期検査などで停止中の原発でも、運転時と同程度の危険性があることがわかった。経済産業省原子力安全・保安院は、停止中の原発の安全強化に向け、24日に検討会を立ち上げる。8月までに指針をまとめる。全原発で定期検査の作業手順の見直しが必要となりそうだ。
 原発は複数の安全装置を備え、万が一事故が起きても原子炉を安全に止め、放射性物質が外に漏れて被害が生じないような仕組みにしている。

 だが、定期検査などで原子炉を止める場合、安全装置の一部を停止させることがある。機器の点検や修理で、運転中には行わないような操作をするため、作業ミスがあれば事故が起きやすくなる

 国の定期検査を請け負う原子力安全基盤機構は、東京電力の沸騰水型炉を対象に、停止時に想定される各機器の故障や作業員のミスなどを見積もり、事故発生確率を出してみた。すると、1年間で2?3カ月原発を停止した際に重大な事故が発生する確率は「100万分の1?1000万分の1」程度で、運転時の発生確率と変わらなかった

 保安院は、検討会でまず、定期検査の作業実態を調べる。海外ですでに利用されている確率論的安全評価(PSA)という手法を使い、安全装置の取り扱い方や事故防止策を指針にまとめる。これを受け、保安院は事業者に原発の保全計画の見直しを求める。

 北陸電力志賀原発1号機の臨界事故は、臨界を防ぐ安全装置が定期検査中のため正常に作動しない状態になっていた。制御棒 脱落のトラブルは全国で計10件あったが、いずれも原子炉停止中で、検査で配管の弁を誤操作したことなどが原因だった。

 研究機関や産業界でつくる日本原子力学会(会長=田中俊一・原子力委員会委員長代理)も、原発停止時の事故発生の危険性を評価するため、すでにある評価手順書を来春までに見直す。

 同機構の平野光将総括参事は「制御棒脱落による臨界事故は想定外のできごとだった。停止時は運転時よりさまざまな状況が想定される。きめ細かな対策を講じる必要がある」としている。

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原子力安全・保安院という組織が全然信用ならないことは、すでに何度もかいている。■しかし、そういった原発体制護持機関でさえも、「1年間で2?3カ月原発を停止した際に重大な事故が発生する確率は「100万分の1?1000万分の1」程度で、運転時の発生確率と変わらなかった」って、構造的問題をかかえていることを、のべるしかなかったことは重大。

■それにしても、「制御棒脱落による臨界事故は想定外のできごとだった」ってセリフは、いたい。■あんたたちは、いつも「想定外」をくちにする。しかし、大地震の想定ガル数をはじめとして、自分たちの「想定外」のことばかりじゃないか? 事後的にあやまったって、意味がないわけ。■チェルノブイリ級の大惨事がおきてしまったあとで、あやまったって、おそすぎだよ。「想定外」のことが陸続とおきるということは、周辺住民はもちろん、国民全体のいのちの保証ができない技術水準ってことだ。■それが、どんなに危険なことか自覚があるんだろうか?
■意地とか、利害とかで、こういった重大問題をやられては、こまるんだよね。