■『朝日』の記事から。

原発中枢部「変形も」、
保安院が徹底検査要求
 
柏崎刈羽
2007年07月29日16時40分(asahi.com)
 新潟県中越沖地震でトラブルが相次いで見つかっている東京電力柏崎刈羽原発で、経済産業省原子力安全・保安院は原子炉の主要機器も想定外の揺れで肉眼で確認できないわずかな変形やひずみが生じた恐れがあると判断、東電に対して点検の徹底と、再稼働が可能かどうか安全評価の実施を求め、その内容を精査する方針を固めた。31日から始まる同省の調査対策委員会で具体策の検討に入る。

 原発の建物や機器は耐震上の重要度に応じてABCの3クラスに分けて設計している。Aは想定する最大の地震動に耐えられることが条件。最重要機器の原子炉圧力容器や制御棒などは「As」とし、想定よりさらに大きい地震動にも耐えられる設計になっている。
 今回の地震では、全7基で地震動の強さを示す加速度値が想定を上回り、最大680ガル(設計値は273ガル)を1号機で記録した。6号機では原子炉建屋の天井クレーンが破損したほか、3号機横の変圧器では火災も起きた。

 天井クレーンは建築基準法で定める一般建築物の強さの1.5?1.8倍のB、変圧器は一般建築物並みのCに区分されている。Aの点検はこれからだが、保安院は、炉内の機器や配管部分などで、目に見えない変形やねじれが生じている恐れがあるとみている。

 このため、保安院は東電に対し、まず詳細な点検を求める。その後の安全評価では、地震計データをもとに対象範囲を決めて、建屋や機器、配管にどの程度の力がかかり、その力にちゃんと耐えられていたかどうかを分析するよう求めることにした。保安院は対策委を通じ、安全評価の妥当性や、再稼働に向けた具体策を検討していく。

 東電は全7基でクレーンの点検を始めたが、原子炉の点検作業を始めるのは、秋以降にずれ込む見通しだ。05年8月の宮城県沖地震では、東北電力女川原発1号機が想定をわずかに超える地震動を観測、運転再開まで2年近く費やしている。

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■再三かいてきたとおり、原子力安全・保安院自体が信用ならない組織だが、そこが精査する方針をうちだしたというのは、さすがに「火消し」にまわる必要性を痛感したからだろう。■ま、当然だ。おそすぎるともいえる。
■というか、「東電は全7基でクレーンの点検を始めたが、原子炉の点検作業を始めるのは、秋以降にずれ込む見通しだ。05年8月の宮城県沖地震では、東北電力女川原発1号機が想定をわずかに超える地震動を観測、運転再開まで2年近く費やしている」という事態をきかされるだけでも、すぐにおきても不思議でない大震災に対する対応とは、とてもおもえない悠長さだよね。
■技術者さんたちは、「いやいや、現実の点検・改善には時間がかかるんです」というかもしれないが、だったら、なんで、それが以前から想定されて事前の日程にくみこまれていないかだ。■要は、「想定外」つづきという、およそリスク計算・対策ができないまま、「みきり発車」してきたことを白状しているようなものなのだが、その自覚があるだろうか? あるなら、いっさい弁解せず、「きょうあす震災がおきたらどうなるか」を念頭にどうすべきかをかんがえるほかないよね。