■移民問題・亡命者問題などについては、一貫して「排外主義みぐるしいぞ」路線で、法務省などの姿勢を批判してきた。■同時に、「単純労働力やサービス労働担当者として、やすくこきつかってやる」式の「開国論」にも反対をくりかえしてきた。
■今回、当然でるよな。という議論がでてきたので、問題を喚起しておこう。

■まずは、トラックバックいただいた『多文化・多民族・多国籍社会で「人として」』の「韓国、先を行く。そして、酷暑の季節にぴったりの、ぞ?っとするお話。」から。

……
なんてことを考えているところで、

派遣労働者に広がる外国人労働者への恐怖感(反米嫌日戦線「狼」(アカにサヨおなら)、2007.8.15)

という悲鳴悲嘆荒れ狂うがごとき記事に出会いました。

う?、
外国人労働者の労働条件を日本人並みにしていかないと、いずれこんな声が出て来るだろうなと恐れていましたし
ネオナチのごとき自民・公明政権にとっては、まさにそういう状況こそが、つくりたくてつくりたくて仕方がないものなんだろうなあとも想像してたのですが、
実際にこのような文章を目にすると、やはりショックです。眠気が吹っ飛びそのまま朝へ……。ふぎゃ!
……
■この文章は、韓国が1990年代に日本の入管体制をマネて、かなりヤバい方向にはしっていたのに、2000年代にはいったら、NGOとかがまともに機能しはじめて、どんどん改善にむかっているといった議論をうけてのもの。■かなりの動揺がみられる…。


■ちなみに、『反米嫌日戦線「狼」』氏の議論を、表層部分だけまにうける こまったさんがいそうなので、クギをさしておくと、氏の批判は、法務省の入管体制万々歳って議論ではないからね(笑)。■氏は、ちゃんと「もちろん、日本人に帰化した人なら、何ぼでも働いてくれ。それに文句は言わないよ。」とつけくわえているわけで、定住する意思のある外国人労働者には キバをむいていない。問題の緊急の所在として「半年働いて、あとは帰国してしまう腰掛外人労働者は、むしろ「害人」でしかありません。やつらの低い労働賃金は、じわじわと日本人労働者の賃金を下げることはあっても、上げることはありません」という、下層労働者の実情をうったえているわけ。■左派やリベラル派の、現実をみない、キレイごとをうっているので、誤解のないように。
■ま、誤解のないようにという点では、氏の「蛇足で書かせてもらうと、知り合いのブラジル人労働者の中には、不正に住宅金融公庫から金を引き出し、新築の家をかまえている輩もいたりして(派遣社員で日本国籍ないのに)、日本人派遣社員の妬みをかい、不満を増長させています」ってのは、まさに「蛇足」。■この記事のなかに、うめこむべきじゃなかろう。だって、この手の人物が少数まぎれこむのは、世の常であって、ごく少数の例外的逸脱者を強調することに結果的になってしまうのは、文脈全体に悪影響をあたえる。個人的にキレてしまう現場の心情はわかるけど、これだとネオナチ的排外主義をも正当化しかねないよまれかたをするだろう。

■それはさておき、氏のつぎの指摘は、なまなましい。

俺の職場には外国人はいませんが、同じ敷地の別工場では、中国人、フィリピン人、ブラジル人、ベトナム人が多数を占め、構内ではいろんな言語が飛び交っています。

そこでは、外国人同士の交流は一切ありません。お互いに理解し合わないで、むしろ差別が横行しています。
中国人グループは、あからさまに南米系を蔑んでいます。南米系はベトナム人を蔑んでいます。
その負のベクトルは「あんな奴らには負けないぞ」と、良い意味で技能の向上に向かっているのは皮肉なことですが……。

俺の職場では、トイレット・ペーパーが、頻繁に盗まれていますが、これは中国人や南米の仕業なので、益々彼等への蔑視は加速されていきます。トイレにはポルトガル語スペイン語中国語で「盗むな!」と書いてあったりします。
今年の春には事務所のパソコンまで盗まれましたが、これも「外国人」の仕業だ、ということになっており、仲間も「たぶんそうだろう」という結論に達しております。残念なことですがね。
また、フィリピン人は、近くの川でボラを採っているのですが、夜中に魚をナイフでさばいていたりして、近所の人が頻繁に警察に通報。「フィリピン人は怖い」という風評が広まっていて、俺も真顔で夜の川に近づくな、と「忠告」されたりしました。
これでは、異人種間での交流なんぞ、とてもとても……100年かかっても無理でしょう。
「貧すれば鈍する」と言われれば、それまでですが……。

さて、俺の職場では、今年から一部の部品を上海で製造しています。メーカーのフランス人社長が下請け会社に「上海での製造」を推進させているからです。
派遣社員の中では「俺たちも中国に飛ばされるんじゃないか」、という不安が増大しつつあります。しかも、「給料は現地相場で支給され、一生日本に帰れない」などという噂が絶えません。
「中国のせいで、俺たちが被害をうける」との声は日増しに大きくなっているのかもしれません。

その感情に「愛国心」が結びつけば……恐ろしいことを想像したりします。



■ここにかきこまれている具体的実態は、2ちゃんねるあたりは、さかんに右派系排外主義を正当化するために援用されるネタなんだろうとおもう。■しかし、「やすけりゃ、なんでもいい」といった生産者・消費者が、日本やアジアの労働現場になにをもたらしているかという意味で、再三味読し、できれば写経して、ふかくふかく反省すべき「現実」だとおもう。

■ちなみに、この氏の文章のきっかけとなった やりとりは、日記の文章にもリンクされているが、「反米嫌日戦線「社民党や共産党は低所得層の心情が理解できない」 」『低気温のエクスタシーbyはなゆー』のコメント欄
■ここの、かきこみもすごい。


■「グローバリゼーションの時空には、資本・情報・素材だけでなく、労働力も縦横無尽に移動するのが不可避」「内外価格差があるかぎり、浸透圧のように諸資源は移動する」っていうかもしれないけど、労働力も食材も「地産地消」を基本にしないと。■特に、「労賃の内外価格差」を前提にした生産・消費・送金は、制度的にはどめをかけないとまずい。それは「消費財をうみだすために必要な労賃の最低価格帯まで、コスト削減がいきついてしまう」から。■その地で長期間日常生活をおくるつもりの人物が、基本的にはそこからあまりとおくない地域への物財・サービスを提供するって、交換の基本をおさえておかないと、「内外価格差」を悪用したムリが、かならず横行する。■国外からの短期アルバイトを前提にした産業、国外の生産拠点を単に労賃だけで転進させていく産業は、最低だ。そして、「国外からの送金」を前提に労働力輸出を推奨する政府もね。
■やはり、「安ければ、それでいいのか」って問題。「内外価格差」は徐々につめていかないと。■その意味では、「低賃金の短期バイト」を横行させるような、入管体制の欺瞞をやめて、?病気・ケガなど不測の事態以外は基本的に5年以上定住してはたらく。?最低賃金をしたまわるような職種を厳格に禁止する。?一定額以上の送金を禁止する(出国時の貯蓄のもちだしは自由)。といった、「荒療治」も一考にあたりするだろう。■本国への送金ができない国に「デカセギ」するヤツなどいないだろう。でもって、生産・サービスの需給関係の基本として「定住者大多数+長期滞在者少数+旅行者少数」って構図は、まちがっていないとおもう。