■先日の「「有名人」によるウィキペディア否定論=Wikipediaの信頼度4」という文章で、自分のイタいところをつかれた有名人は、どうも正当な記述もふくめて、全否定するきらいがあると、かいておいた。■しかし、だからとって、ウィキペディアがいつもたよりになる、非常に質のたかい記述ばかりであるなどとは、全然おもてっていないことは、再三かいてきたし、「利用者の自己責任」「大衆的な意味でのメディア・リテラシー」って次元の問題なんだということも、くどいほど力説しておいた。■だから、過去には、ウィキペディアの記述の一部がいかに低劣か、いかに宣伝まがいかときどきマイナーだとまちがいがおきても、きづかれないとかも、指摘してきている。
■ただ、「慰安婦」のような、はげしい編集の応酬のばはともかくとして、ハラナ自身が少々かいてきた分野でも、以前の版とおどろくべき異同がみられることは、否定しない。■今回は、編集者が、だれかは特定しないものの、そこに政治的工作がすけてみえるデータを紹介する。■サンプルは、「フェロシルト」の2007年4月13日の版(=最新版)と、2006年7月24日の版。リンクなど一部を割愛してある。


フェロシルト
2007年4月13日 (金) 15:26; 216.8.121.1 (会話) による版

フェロシルトとは、石原産業が2001年(平成13年)から生産、販売していた土壌補強材、土壌埋戻材(石原産業の登録商標)。


概要
酸化チタンの製造工程から排出される副産物(廃硫酸)を中和処理して生産されるもので、2003年(平成15年)に三重県リサイクル製品に認定された。三重県内では、約70万トンが埋め立てなどに使用され、岐阜県愛知県京都府内でも、埋立てなどに使用された。

2005年に、フェロシルトに環境基準を超える六価クロムフッ素などが含まれていることが判明。問題となっている。石原産業の社長のコメントによると、「当時の副工場長が、開発当初とは異なる製造工程で生産し、リサイクル製品認定時のサンプルとは違う製品にした」とのこと。

同年10月末には、フェロシルトは逆有償性などから、産業廃棄物と判断された。埋設が判明した各地方自治体は石原産業に対し、フェロシルトの撤去命令を出して撤去させようとしているが、撤去はなかなか進んでいない。石原産業は「処理施設の不足」などの理由を挙げて地方自治体に撤去期限の延期を度々求めていたが、自治体側は全て拒否。その後同社は「メドが立った」として、要求を取り下げた。

2006年11月6日、同社四日市工場の元副工場長ら4人が逮捕された。


年表
2003年 - 三重県のリサイクル製品に認定
2005年 - 環境基準を超える六価クロムやフッ素などが含まれていることが判明
2005年10月 - 産業廃棄物に指定される
2006年11月6日 - 石原産業四日市工場の元副工場長ら4人が逮捕

関連項目
土壌汚染
石原産業
三重県

カテゴリ: 土壌 | 公害 | 廃棄物

2006年7月24日 (月) 09:27; 202.214.245.2 (会話) による版

フェロシルトとは石原産業が2001年(平成13年)から生産、販売していた土壌補強材、土壌埋戻材(石原産業の登録商標)。酸化チタンの製造工程から排出される副産物(汚泥)を処理して生産されるもので、2003年(平成15年)に三重県のリサイクル製品に認定、70万トン余りが三重県内、岐阜県内、愛知県内、京都府内などに販売、埋立てなどに使用された。三重県がリサイクル製品としてお墨付きを与える形になったため、他の県も検査もせずに利用、さらに被害が広がった。

2005年にフェロシルトから環境基準を超える六価クロム、フッ素、放射性物質のウラントリウムなどが含まれていることが判明し問題となった。石原産業の社長のコメントによると、当時の副工場長が、開発当初とは異なる製造工程で生産し、リサイクル製品認定時のサンプルとは違う製品にしたとのこと。ちなみに当時の工場長はこのコメントをした社長である。石原産業は150円/トンで販売し、運搬費として3000円/トンを購入業者に支払っており、実質、産業廃棄物として廃棄を依頼していた疑いもある。ちなみに産廃処理費用は8400円/トンぐらいである。

2005年10月末にフェロシルトは産業廃棄物と認定された。 2006年現在、埋め立てに使用されたフェロシルトの回収を石原産業がおこなっているが、すでに土と混じり合っているため販売した量より多い90万トン近くになる模様。回収したフェロシルトは石原産業の四日市工場へ仮置きしているが、ここが満杯になれば最終処分場が見つかっていない現状では、回収がより困難となることが懸念されている

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■一見すると、9か月のあいだに格段に記述が整理・体系化し便利になったようにおもえる。■どちらが百科事典の項目記述としてよいかといわれれば、最新版という読者が大半だろう。一応、それは首肯できる。

■?関連項目などがくわわり、不充分とはいえ年表もかきこまれたこと。
■?リンクさきが未整備ながらも「廃硫酸」など、事態を理解するためにかかせない化学的な術語がかきこまれたこと。
■?関連自治体が撤去命令をだしたことと、それへの石原産業の対応など、その後の進展がかきこまれていること。


■しかし、ハラナのように数十という水準でフェロシルト関連の記事をかいてきた人間には、最新版は、昨年なつよりも後退=改悪されているとおもわれる部分がすくなからずめにつく。

■?「三重県がリサイクル製品としてお墨付きを与える形になったため、他の県も検査もせずに利用、さらに被害が広がった。」という箇所が削除されるなど、不自然な欠落があること。■三重県は刑事訴追などをうけることなく、ひたすら石原産業の不正にふりわされた被害者(ただ、道義的にまずかったという程度)のふりをしているが、三重県はフェロシルト問題にふかくかかわり、その責任は「道義的」といった次元にはない。■てらまちさんたちの「フェロシルトの投棄の問題」や、「石原産業のアイアンクレー・フェロシルト廃棄問題」(『四日市再生「公害市民塾」』)などをみれば、一目瞭然だ。■三重県は、「◆フェロシルトの植物の生育抑制効果、三重県は公表せず。県と石原産業の蜜月の証拠も」などであきらかなとおり、石原産業とよろしくやっていたのであり、いまさら「詐欺師にやられたマヌケ」といった演出でにげきれるような次元にない。
■三重県関係者の工作が非常に濃厚である。


■?放射性物質の存在が不自然に削除されている。

環境基準を超える六価クロム、フッ素、放射性物質のウランやトリウムなどが含まれていることが判明し問題となった。
環境基準を超える六価クロム、フッ素などが含まれていることが判明。問題となっている。

■てらまちさんたち市民運動がひろがりをみせた みのがせない要因は、フェロシルトの大量投棄という問題だけではない。放射性物質への不安がぬぐえなかったことは、はずせないのだ。■当然のことながら、放射性物質の影響(被曝による生理的結果)は、すぐにはわからない。しかし、逆にいえば、粉塵などとしてまいあがったフェロシルトをすいこんだ住民や撤去作業員への疫学的調査はおこなわれていないのであり、最先端の専門家でさえも、被曝の影響を無視できる根拠などない。
■フェロシルトに放射性物質がふくまれていることをひろくしられると、ふつごうな層。具体的には、(a) 石原産業関係者および債権者・投資家、(b) 三重県関係者、(c) 愛知県・岐阜県など、三重県以外で大量投棄されている地域の関係者などが、うたがわれる(産廃業者は、そういったユトリはなかろう)。


■?「リサイクル」製品でなく、単純に産廃であるという判断の決定的根拠になった「逆有償性」という術語は、リンク先が未整備である以上無意味といえる。■以前あった「石原産業は150円/トンで販売し、運搬費として3000円/トンを購入業者に支払っており、実質、産業廃棄物として廃棄を依頼していた疑いもある。ちなみに産廃処理費用は8400円/トンぐらいである」という記述の方がずっと具体的でわかりやすい。
■こういった具体的金額にまちがいがあったのなら、修正すればいいのであって、削除されている点には、工作のうたがいが浮上する。

■?以前あった「 2006年現在、埋め立てに使用されたフェロシルトの回収を石原産業がおこなっているが、すでに土と混じり合っているため販売した量より多い90万トン近くになる模様。回収したフェロシルトは石原産業の四日市工場へ仮置きしているが、ここが満杯になれば最終処分場が見つかっていない現状では、回収がより困難となることが懸念されている」という記述がけずられいる。■周辺土壌とまじりあってしまっているがゆえに、撤去作業が気のとおくなるよう現状になってしまっていることをふせたい「修正」者がいたとしかおもえない。

■これらの改編は、むしろ、この以前の版の直後の版と比較すると一目瞭然だろう(リンク割愛)。

フェロシルトとは石原産業が2001年(平成13年)から生産、販売していた土壌補強材、土壌埋戻材(石原産業の登録商標)。酸化チタンの製造工程から排出される副産物(汚泥)を処理して生産されるもので、2003年(平成15年)に三重県のリサイクル製品に認定、70万トン余りが三重県内、岐阜県内、愛知県内、京都府内などに販売、埋立てなどに使用された。

2005年にフェロシルトから環境基準を超える六価クロム、フッ素などが含まれていることが判明し問題となった。石原産業の社長のコメントによると、当時の副工場長が、開発当初とは異なる製造工程で生産し、リサイクル製品認定時のサンプルとは違う製品にしたとのこと。

2005年10月末にフェロシルトは産業廃棄物と認定された。


■「修正」箇所を対照しておこう。

フェロシルトとは石原産業が2001年(平成13年)から生産、販売していた土壌補強材、土壌埋戻材(石原産業の登録商標)。酸化チタンの製造工程から排出される副産物(汚泥)を処理して生産されるもので、2003年(平成15年)に三重県のリサイクル製品に認定、70万トン余りが三重県内、岐阜県内、愛知県内、京都府内などに販売、埋立てなどに使用された。三重県がリサイクル製品としてお墨付きを与える形になったため、他の県も検査もせずに利用、さらに被害が広がった。
フェロシルトとは石原産業が2001年(平成13年)から生産、販売していた土壌補強材、土壌埋戻材(石原産業の登録商標)。酸化チタンの製造工程から排出される副産物(汚泥)を処理して生産されるもので、2003年(平成15年)に三重県のリサイクル製品に認定、70万トン余りが三重県内、岐阜県内、愛知県内、京都府内などに販売、埋立てなどに使用された。


2005年にフェロシルトから環境基準を超える六価クロム、フッ素、放射性物質のウランやトリウムなどが含まれていることが判明し問題となった。石原産業の社長のコメントによると、当時の副工場長が、開発当初とは異なる製造工程で生産し、リサイクル製品認定時のサンプルとは違う製品にしたとのこと。ちなみに当時の工場長はこのコメントをした社長である。石原産業は150円/トンで販売し、運搬費として3000円/トンを購入業者に支払っており、実質、産業廃棄物として廃棄を依頼していた疑いもある。ちなみに産廃処理費用は8400円/トンぐらいである。
2005年にフェロシルトから環境基準を超える六価クロム、フッ素などが含まれていることが判明し問題となった。石原産業の社長のコメントによると、当時の副工場長が、開発当初とは異なる製造工程で生産し、リサイクル製品認定時のサンプルとは違う製品にしたとのこと。


2005年10月末にフェロシルトは産業廃棄物と認定された。2006年現在、埋め立てに使用されたフェロシルトの回収を石原産業がおこなっているが、すでに土と混じり合っているため販売した量より多い90万トン近くになる模様。回収したフェロシルトは石原産業の四日市工場へ仮置きしているが、ここが満杯になれば最終処分場が見つかっていない現状では、回収がより困難となることが懸念されている。
2005年10月末にフェロシルトは産業廃棄物と認定された。

■この削除には、正直あきれる。■これら「修正」(というか偽装工作)が、たとえば関連企業によってなされたことが、IPアドレスから特定できるとしたら、タイヘンなスキャンダルといえるだろう。■この記録は公開されるべきだ。


■ねがわくば、てらまちさんなど、運動の最前線にあって事実の経緯・背景を熟知している人材に、これらの記述を全面的にかきかえてもらえたらと…。



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