■日本人の大半は、ミャンマー情勢やらメジャー・リーグ情報なんぞとちがって、興味ないだろうが、きょうは教科書検定結果が不当だとする撤回要求の大会が沖縄でひらかれ、数万人規模の住民をあつめた。■まずは、『沖縄タイムス』の朝刊から。

2007年9月29日(土) 朝刊 1・2面

文科相「検定の経緯精査」
/意見変更可能性も

 【東京】渡海紀三朗文部科学相は二十八日、沖縄戦「集団自決(強制集団死)」への日本軍の強制を削除した高校歴史教科書の検定問題への対応で、沖縄タイムス社に「今回の検定に至る経緯や趣旨等については十分に精査していきたい」とコメントし、検定過程を詳しく調査する考えを明らかにした。
 文科省はこれまで「教科用図書検定調査審議会が決めたことには口出しできない」などとして、検定を問題視しない考えを示していた。

 渡海文科相が検定経緯の調査にまで踏み込んだコメントをしたことで、文科省側が検定結果を変更する可能性も出てきた。

 本紙は渡海文科相の就任後、沖縄戦の専門家がおらず文科省主導で審議が進んだ検定の経緯などについて質問書を提出。文科相が二十八日に文書で回答した。

 渡海文科相は「集団自決」についても書面で、「多くの人々が犠牲になったということについて、これからも学校教育においてしっかりと教えていかなければならない」とコメントした。
     ◇     ◇     ◇     
山崎氏、見直し要求へ/教科書検定で文科相に


 沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」で軍強制の記述が削除された高校歴史教科書の検定問題について、自民党の山崎拓前副総裁は二十八日、「軍の関与を認めているが、強制の有無が明確ではない」との認識を示し、「検定に過誤があった場合、文科相は(省令で)見直しを勧告できる。文科相と話し合う」とし、山崎派から入閣した渡海紀三朗文科相に、検定見直しの勧告を働き掛ける考えを明らかにした。

 同日午後、宜野湾市内のホテルで開かれた安次富修衆院議員の激励会で述べた。

 山崎氏は来県前、渡海文科相に「二十九日には県民大会が開かれ、県民の琴線に触れる重要な問題。打開に向けた重大な決意が必要」と述べたという。

 渡海文科相は「よく勉強し、県民の考えをよく受け止めて対処したい」と答えるにとどまったという。

 山崎氏は「沖縄選出・出身の国会議員と連携して真剣に取り組み、県民の期待に応えたい」とした。


臨時国会で追及へ/民主・鳩山氏が談話発表


 【東京】民主党の鳩山由紀夫幹事長は二十八日の定例記者会見で、沖縄戦「集団自決(強制集団死)」への日本軍の強制を削除した高校歴史教科書の検定問題について、教科用図書検定調査審議会が記述内容を再検討するよう求める談話を発表した。教科用検定規則の見直しにも言及している。

 鳩山幹事長は、党内で教科書検定に関する勉強会を早急に立ち上げる意向を表明。「民主党としては表の舞台で議論することになる」と述べ、臨時国会で教科書問題を追及する考えを明らかにした。

 談話は「いわゆる集団自決が、日本軍による強制・誘導・関与なしに起こり得なかったことは紛れもない事実」として日本軍の強制性を断定。「悲惨な地上戦を体験し、筆舌に尽くし難い犠牲を強いられてきた沖縄県民にとって、到底容認できるものではない」としている。

 また、「審議会の日本史小委員会の委員に沖縄戦の専門家がいない中で、同審議会の事務局を務める文部科学省初等中等教育局が作成した原案を、実質的・学問的な審議もなく承認している実態も明らかになっている」ことを問題視。今年四月十一日の衆院文部科学委員会で、伊吹文明前文科相が述べた答弁との矛盾を指摘した。

-------------------------------------------
■これはすごい事態である。ま、すじ論からすれば、ごく当然の過程なんだが、そういった正論が全然とおらないのが政府の横暴であり、それらをだらしなく追及しないで容認してきたのが野党の大半だったわけだから。

■おなじく『タイムス』の朝刊1面と27面


手榴弾配り自決命令
/住民が初めて証言

検定撤回きょう県民大会
 一九四五年三月二十五日、座間味村の忠魂碑前に軍命で集まった住民に対し、日本兵が「米軍に捕まる前にこれで死になさい」と手榴弾を渡していたことが二十八日、同村在住の宮川スミ子さん(74)の証言で分かった。長年、座間味村の「集団自決(強制集団死)」について聞き取りをしてきた宮城晴美さん(沖縄女性史家)は「単純に忠魂碑前へ集まれでなく、そこに日本軍の存在があったことが初めて分かった」と指摘している。一方、「教科書検定意見撤回を求める県民大会」(主催・同実行委員会)が二十九日午後三時から、宜野湾海浜公園で開かれる。(又吉健次)
 忠魂碑前で日本兵が手榴弾を配ったとする証言は初めて。

 宮川さんは当時、座間味国民学校五年生。米軍が座間味島を空襲した四五年三月二十三日に、母のマカさんとともに家族で造った内川山の壕に避難していた。二十五日夜、マカさんが「忠魂碑の前に集まりなさいと言われた」とスミ子さんの手を引き壕を出た。

 二人は、米軍の砲弾を避けながら二十―三十分かけ、忠魂碑前に着いた。その際、住民に囲まれていた日本兵一人がマカさんに「米軍に捕まる前にこれで死になさい」と言い、手榴弾を差し出したという。スミ子さんは「手榴弾を左手で抱え、右手で住民に差し出していた」と話す。

 マカさんは「家族がみんな一緒でないと死ねない」と受け取りを拒んだ。スミ子さんはすぐそばで日本兵とマカさんのやりとりを聞いた。二人はその後、米軍の猛攻撃から逃れるため、あてもなく山中へと逃げた。

 聞き取りが当時の大人中心だったため、これまで証言する機会がなかった。スミ子さんは「戦前の誤った教育が『集団自決』を生んだ。戦争をなくすため、教科書には真実を記してほしい」と力を込めた。

 宮城さんは「日本軍が手榴弾を配ったことが、さらに住民に絶望感を与え、『集団自決』に住民を追い込んでいった」と話している。

 一方、県民大会の実行委員会は五万人以上の参加を呼び掛けており、九五年十月二十一日に開かれた米兵暴行事件に抗議の意思を示した県民大会以来十二年ぶりの規模となる。県議会や県婦人連合会、県遺族連合会など二十二団体の実行委員会と約二百五十(二十八日現在)の共催団体が超党派で加わっている。

 大会では実行委員長の仲里利信県議会議長や仲井真弘多県知事、「集団自決」の体験者、女性、子ども、青年団体などが文部科学省に抗議の意思を示す。文科省が高校歴史教科書から沖縄戦の「集団自決」への日本軍の強制を削除させた検定意見の撤回を要求する。


     ◇     ◇     ◇     
市民広場利用 米軍が認めず/大会関係者怒り


 【宜野湾】二十九日の「教科書検定意見撤回を求める県民大会」で、大会実行委員会(委員長・仲里利信県議会議長)が大会当日に宜野湾市役所向かいの「市民広場」を駐車場として利用することについて、米軍が「中立の立場を維持する」として許可しないことが二十八日、分かった。同広場は普天間飛行場の提供施設内で、市に無償開放されている。超党派の県民大会での駐車場使用を米軍が許可しないことに同実行委からは「県民の思いを理解できない」など反発している。

 同広場は約二百台の駐車場があり、通常は市民らが野球やゲートボールなどを楽しんでいる。大会当日は会場までバスでピストン輸送する予定だった。

 同飛行場のリオ・ファルカム司令官(大佐)は「日本国内の重要かつ慎重を期する問題について、中立の立場を維持する必要性がある」と強調。「論争となっている日本国内の政策については、支持あるいは不支持と受け取られることを避けるというのが私たちの方針」と説明している。

 宜野湾市の伊波洋一市長は「あえてゲートを閉めれば不支持と受け止められる。県民感情を逆なでする行為だ」と憤慨。「直接、基地に関係するものでもなく、納得できない。通常通り開門するべきだ。閉鎖すれば大会の怒りは基地に向かうだろう」と話した。

 県民大会実行委員会の玉寄哲永副実行委員長は「大会は超党派で日本軍強制の事実が削除されたことに対し、記述の回復を求めるもの。政府の顔色をうかがい、県民の思いを理解できない米軍人の思考回路はまったく理解できない」と批判。小渡ハル子副実行委員長も「県民の土地を奪い取り使っているのに米軍は恥を知らないのか。だから米軍は県民に嫌われる。言語道断の話であり、県民をばかにしている」と憤った。

------------------------------------
■いつもは過敏なぐらい、日本政府が こっけいなポチぶりをしめしてきたのに、この親日的=反琉的な態度をしめした米軍は、ひごろの「思いやり予算」などの、おかえしのつもりか(笑)?

■ともかく、文部科学省は、『1984年』の「真理省」みたいな検閲をやめて、自由主義を標榜する国にふさわしい調整機関へと即刻変貌をとげるように。


【シリーズ記事】
●「検閲機関としての文部科学省(「集団自決」記述)
●「検閲機関としての文部科学省(「集団自決」記述)2
●「検閲機関としての文部科学省(「集団自決」記述)3」 
●「検閲機関としての文部科学省(「集団自決」記述)4
●「文科省が削除要求 「集団自決」修正(沖縄タイムス)=検閲機関としての文部科学省5
●「全軍が自決強要しなければ、教科書にかかせないか?=検閲機関としての文部科学省6
●「「集団自決」検定 調査官「つくる会」と関係(琉球新報)=検閲機関としての文部科学省7
●「やっぱり「集団自決」記述削除の犯人は文科省官僚=検閲機関としての文部科学省8
●「アベ政権は沖縄県民ではなく日本軍を守る(なごなぐ雑記)=検閲機関としての文部科学省9
●「県議会「集団自決」意見書可決(沖縄タイムス)=検閲機関としての文部科学省10
●「【慰霊の日】に合掌する(なごなぐ雑記)=検閲機関としての文部科学省11
●「62年前に見た集団自決の現場 「軍曹が命じた」(朝日)=検閲機関としての文部科学省12
●「慙愧に耐えない(なごなぐ雑記)=検閲機関としての文部科学省13
●「沖縄県議会、また「自決強制」削除批判=検閲機関としての文部科学省14
●「「集団自決」修正/全国地理研も決議(沖縄タイムス)=検閲機関としての文部科学省15
●「「南京」検定も国主導/職員、反証文献出版にお礼(沖縄タイムス)=検閲機関としての文部科学省16