■「新潟県中越沖地震」については、だいぶかいてきたが、追加情報。■『朝日』の記事から転載。

中越沖地震、
原発敷地内は「震度7」
京大研試算
2007年10月01日06時00分
 震度6強が最大だった新潟県中越沖地震で、東京電力柏崎刈羽原子力発電所の揺れが震度7だったことがわかった。京都大防災研究所の岩田知孝教授(強震動地震学)らが、原発に設置された地震計データをもとに計算した。気象庁や自治体の「公式な震度計」ではないものの、阪神大震災や3年前の中越地震に匹敵する強い揺れが原発を襲っていたことになる。

 体感や建物被害で決められていた震度は、阪神大震災後の96年、専用の地震計(計測震度計)に基づく体制になった。地震波の波形をもとに計測震度をはじき出し、0?7の震度を出す。

 岩田さんらは気象庁と同じ計算方法で、東京電力の公開データから原発敷地の地表での計測震度を求めた。1号機付近が6.6、5号機付近が6.4になった。

 計測震度が6.0以上の場合は震度6強に、同6.5以上だと震度7と決まっている。1号機付近は震度7の揺れに襲われていたことになる。
 気象庁が震度の発表に使う観測点には、自治体設置のものも含め、精度の検定を受けた計測震度計が置かれる。今回の原発のように、「公式な震度計」ではない地震計をもとに計算した震度は公式記録にはならない。

 ただ、公式観測網でない場所で揺れが大きかった例は過去にもあった。公式な最大震度が6強だった鳥取県西部地震(00年)では、研究機関の地震計の計測震度が6.6(震度7)だった。

 阪神大震災後初の震度7になった中越地震(04年)の新潟県川口町の計測震度は6.5。今回、公式に震度6強を記録した観測点の最大は柏崎市の6.3だった。

 岩田さんは「震源断層に近く加速度も大きかったので、これくらいの数字は自然。敷地内の揺れが大きかったことを示しており、今後に生かしていく必要がある」と話す。

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■ユレのはげしさをしめす「計測震度、加速度」には、いろいろ こむずかしいリクツがあるようだし、より力学っぽい数値である 加速度単位のガルなどと、実際の震災被害の実態との関連性は、しろうとにはよくわからない。■地盤のつよさは一様ではないだろうし、建築物の構造も一定以上のユレを長時間直撃されると、途中から破局をむかえるとか、力学上・工学上の複雑な問題は、しろうとめにも、いろいろあるだろうなと推測がつく。
■しかし、重要なのは、?「公式な震度計」の数値で、震災規模を機械的におはかっても あまり意味がないということ。気象観測地点が「カンカンでりの市街地中心部の路面上などには、ない」ようにね。「精度の検定を受けた計測震度計」ではかれば、それでいいってもんじゃない。
■そして、再三くりかえし論じてきたとおり、?原発関係の設計者たちが全然想定していなかったユレが現実に発生したこと、また、これも再三のべたことだが、■?新潟県中越沖地震は、いわゆる大震災のたぐいの規模ではなかったのであって、たとえば せめぎあう巨大プレートがはじけて 膨大なエネルギーが放出される東海地震なんかとは、全然比較にならないという現実。