■いわゆる「変死」事件としての「時津風親方を立件へ 力士急死巡り傷害容疑 愛知県警(朝日)」「親方「バットはやめとけ」 力士死亡問題、暴行の兄弟子注意(中日)」「力士急死で検視怠る 愛知県警、病死と判断(朝日)」の続編。


力士死亡で愛知県警初動遅れ  
「病死」疑問も対応とれず
2007年10月17日 朝刊

 大相撲時津風部屋の序ノ口力士、斉藤俊(たかし)さん=当時(17)、しこ名・時太山(ときたいざん)=が死亡した問題で、愛知県警は初動の段階で事件性を見逃した。斉藤さんの遺体の写真は犬山署長も確認し、遺体の不審な点に気付きながらも事件性はないと判断。慎重な捜査に踏み込まなかった県警本部の対応も重なった。

 県警によると、斉藤さんは名古屋場所前の六月二十六日午前、犬山市の時津風部屋宿舎で、約三十分間のぶつかりげいこの後に倒れた。同日午後二時すぎ、犬山中央病院で死亡を確認後、傷やあざがあったにもかかわらず、犬山署刑事課員が事件性はないと判断。事件性がないのを前提に死因を特定する目的で行う「行政検視」を医師立ち会いの下で実施した。


 医師は急性心不全と診断。ただ、急性心不全は死亡状態を指すだけで死因とは言えず、刑事課員は作成した死体検案調書で死因を虚血性心疾患と変更した。心臓肥大との医師の所見もあり、心疾患を広くとらえる虚血性心疾患と判断したとみられる。

 検視をした刑事課員が病死と結論づけたため、犬山署は県警捜査一課の検視官室には連絡しなかった。

 同署幹部も刑事課から報告を受けたが、事件性を視野に入れた司法検視の手続きを取らなかった。都築幸雄署長は「遺体の写真は見たが、刑事課から『傷は死因と結びつかない』と報告があり、事件性はないと判断した」としている。

 犬山署と県警本部の連絡も不十分だった。捜査一課の検視官室には、所轄署で検視したすべての報告書がファクスで送られてくるが、犬山署から同日夕に斉藤さんについての報告書が届いた際、当番の検視官が別の事件で外出しており、室内には誰もいなかった。

 同日午後八時すぎに戻った検視官は、遺体の傷の状況などから「病死」との判断に疑問を抱き、同署に問い合わせたが「遺体がすでに(斉藤さんの実家がある)新潟に向かっていたために対応をとれなかった」(県警捜査一課)という。

 県警は、斉藤さんの死亡から二日後の二十八日、両親の要請による新潟大での解剖で、死因が「外傷性ショックと考えられる」とされてから、事件性があるとみて、捜査を始めた。

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■「力士急死で検視怠る 愛知県警、病死と判断(朝日)」で『週刊現代』の特集記事を紹介したとおり、この『中日』の記事は、到底信用できない。県警や中央病院の言い分は、みんな いいわけにきこえる。■やはり県警などとツーカーになっている番記者さんたちは、愛知県警のたちばを正当化する論理をタレながしているとしかおもえない。■『週刊現代』に掲載された凄惨な遺体のイラストをみて、どこが「事件性はないと判断」できるのか、全然理解不能だね。


【追加記事:10/22】
●「時津風部屋力士急死、解剖医が愛知県警の検視ミス指摘」『読売』(2007年10月15日13時33分)