「社会言語学」刊行会『社会言語学』VIIがでた。

■以下、目次をはりつける。

論文:
ナショナリストが<国際>を求めるとき
 ?北一輝によるエスペラント採用論の事例から?
臼井 裕之

現実を覆い隠す「共生」概念
 ?北九州市の外国籍市民に対する言語教育サービスに見る言語観?
仲 潔

聞こえない親をもつ聞こえる人々の手話学習
 ?フィールドワークにおけるコーダの語りから?
澁谷 智子

自己について語る新聞社と「公正さ」
 ?毎日・朝日の将棋名人戦争奪報道をめぐって?
布尾 勝一郎

数値化された日本語話者
 ?日本統治初期台湾における統計と日本語?
冨田 哲

資料紹介:
「吃音者宣言」の歴史的背景とその位置づけ
渡辺 克典

書評/著者応答:
出版UD研究会
出版のユニバーサルデザインを考える』(読書工房、2006)
しばざき・あきのり

ましこ・ひでのり
ことば/権力/差別?言語権からみた情報弱者の解放』(三元社、2006)
立岩 真也

立岩さんに、おかえしする
 ?整理された課題と未整理の課題、そして政治的果実のゆくえ?
ましこ・ひでのり

田中克彦
エスペラント?異端の言語』(岩波書店、2007)
足立 祐子

小野原信善大原始子
ことばとアイデンティティ』(三元社、2004)
木村護郎クリストフ

既刊号目次/本誌への投稿について
社会言語学の雑誌としては、多言語社会研究会編『ことばと社会』(三元社)がなつに10号をむかえたことを紹介しておいたが、この雑誌も2001年から7年間きっちり年報として発刊されてきた。
■おすすめは、わかい 仲/澁谷/布尾3氏の論考。とりわけ、布尾論文は、将棋の名人戦の争奪をめぐる報道を詳細に分析したものだが、当事者の毎日新聞/朝日新聞にとどまらず、第三者であるはずの読売新聞まで、自派に有利なことしかかず、各社ともそろって こずるいことが立証されていて、わらえる(笑)。■国際化をかんがえるうえでは、仲論文。地方自治体の北九州市の問題性がとりあげられている点もみのがせない。■バイリンガル・バイカルチャーの典型例としてのCODAの心理的葛藤をえがく澁谷論文も大切な論考。
■障害学関係では、しばざき氏による書評も重要。

■エスペラントについてふれた、臼井論文と足立氏の書評もあじわいぶかい。■「本書の題名は誇大広告といわれても仕方がないだろう」といった、木村氏の痛烈な書評は小気味いい。編者たちは、どうよむか?(笑) ま、自業自得だよね。■三元社の刊行物は、同業者(しかも木村氏はぶあつい学術書を三元社からだしている)からきついツッコミをされるという意味でも不思議な出版社(笑)。