■「あやしいメタボリック症候群騒動」シリーズの続編。■『河北新報』と『読売』から。

メタボ診断適切な腹囲は
…東北大グループ提案

 メタボリック症候群の診断基準となるウエストサイズ(腹囲)は男性87センチ、女性80センチが適切とする研究結果を、東北大大学院薬学研究科の今井潤教授(臨床薬学)のグループが19日までにまとめた。日本肥満学会などが定めた数値(男性85センチ以上、女性90センチ以上)と女性は大きな開きがあり、グループは女性の基準値引き下げを提案している。

 グループは2000―06年、花巻市大迫町の男性118人、女性277人(平均63歳)を対象に健康診断を実施。身長、体重のほかウエスト、血圧、血糖値、中性脂肪などを測定した。

 診断基準のうちウエストを除く、血圧、血糖値、血中脂質に基づき、メタボリック症候群の危険因子を持つ集団を検出。対象者のウエストを調べた結果、基準値は男性が87センチ、女性は80センチとなった。
 メタボリック症候群患者の減少を目指す厚生労働省は、来年4月から40歳以上を対象に生活習慣病の保健指導に乗り出す。グループの浅山敬・上級研究員は「現行の診断基準は根拠があいまいで、実態と懸け離れている。指導を始める前に数値の見直しが必要だ」と指摘している。

 グループは追跡調査を続け、さらに詳細にデータを分析する方針。研究成果は25日から沖縄県で開かれる日本高血圧学会で報告する。
2007年10月20日土曜日



「メタボ腹」基準に異論
「男85センチは平均的」


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 おなかに脂肪がたまるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群、通称メタボ)の診断基準を巡り、専門家から異論が相次いでいる。

 基準の一つであるウエストサイズ(腹囲)が、女性で90センチ以上なのに対し、男性は85センチ以上と、諸外国に比べても厳しいなどが理由だ。この症候群の人を見つける「特定健診・保健指導」が来年度に始まるが、「これでは健康な人まで『異常』と判定される」との指摘もあり、日本肥満学会などは今後、診断基準に関する委員会を開き、基準の見直しの必要性を検討するとしている。

 この症候群は、腹囲に加え、血圧、空腹時血糖、血中脂質のうち2項目以上で異常があった場合に診断される。特定健診・保健指導は、40?74歳が対象で、現在の健診の項目に腹囲測定が新たに加わる。

 内臓脂肪は、内臓の周りにたまる脂肪のこと。画像診断で、へその位置の胴回りの内臓脂肪面積が一定以上の場合、糖尿病や心筋梗塞(こうそく)などを引き起こす恐れが高まるとして、日本肥満学会などが、内臓脂肪面積を基に腹囲の基準を定めた。

 だが、国際的にみても、男性の方が厳しい基準となっているのは日本だけだ。

 米国の指針では、男性102センチ超、女性88センチ超を腹囲の基準としている。 約160の国と地域の医師らで作る国際糖尿病連合の基準では、欧州で男性94センチ以上、女性80センチ以上、中国・南アジアは男性90センチ以上、女性80センチ以上だ。日本人についても今年、男性90センチ以上、女性80センチ以上との基準を打ち出した。

 同連合副会長で中部労災病院(名古屋市)の堀田饒(にぎし)院長は「男性の方が女性より厳しいのはおかしい。腹囲が85センチぐらいの男性は平均的で最も多く、健康な人でも基準に引っかかる恐れが強い」と指摘する。

 診断基準をまとめた住友病院(大阪市)の松沢佑次院長は「腹囲の基準を超えたら病気、基準以下なら健康ということではない。女性の基準値が緩いのは皮下脂肪が多いため。女性の方が心筋梗塞などは少なく、現時点では大きな問題はない」としながらも、異論があることを考慮し、「今後、診断基準の見直しの必要性を検討する」と話している。

 メタボリックシンドローム 腹部の内臓周辺に脂肪がたまり、動脈硬化が進行しやすくなる状態。メタボリックは「代謝」を意味するが、日本では「内臓脂肪が生活習慣病の源流」との考え方から「内臓脂肪症候群」と訳される。一昨年、日本肥満学会など8学会が診断基準を定めた。

(2007年10月14日 読売新聞)

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■しかし、批判されている当のご本人たちは、異様なまでに自信たっぷり。■『読売』の記事から。


男性に厳しいメタボ基準、
変更不要と肥満学会

 男性に厳しく女性に甘いメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の腹囲による国内診断基準が、世界標準と大きく異なる点について、基準策定の中心となった日本肥満学会は19日、「基準を変える必要はない」との見解を公表した。

 内臓の周りに脂肪がたまるメタボリックシンドロームの診断基準は、腹囲が「男性85センチ以上、女性90センチ以上」の条件を満たした上で、血圧、血糖値、血中脂質の値のうち2項目が基準を上回ること。来年度から40歳以上を対象に始まる特定健診では、メタボリックシンドロームやその予備軍と診断された人は、生活習慣病を予防するための特定保健指導を受けることになる。

 しかし、米国の肥満基準は腹囲が「男性102センチ超、女性88センチ超」で、世界的には男性の方が緩いのが普通。特定健診の導入を半年後に控え、基準の妥当性を疑問視する声が出ていた。

 これに対し同学会の松沢佑次理事長は、「内臓脂肪の量から腹囲基準を決めたのは日本だけ」と改めて診断基準の妥当性を訴えた。

 日本の診断基準は、日本内科学会や日本肥満学会など8学会が検討し、05年4月に公表された。


(2007年10月20日1時11分 読売新聞)

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■だって、以前もかいたとおり、諸外国の基準とずれすぎていること、しかもアジア系という要件をもちこんでも、やっぱり不自然って批判があがっていることに、全然有効な反論になりえていない。■やっぱり、スリム化指向が未開拓なオジサマがたをターゲットにすえた「業界」の策動としかみえないんだが…。


●「「メタボ腹」基準に異論 「男85センチは平均的」 これじゃ医療費は削減できません」『勤務医 開業つれづれ日記

●「働きすぎの時代
●「不平等が健康を損なう
●「転載:とてつもない健康被害が始まる
●「自殺者、8年連続3万人以上をかんがえる
●「卵と心筋梗塞、実は無関係だった 厚労省9万人調査(朝日)
●「やせ過ぎ女性の比率の国際比較(社会実情データ図録)
●「酒造各社の いいのがれ
●「若い女性、終戦直後よりスリムに(朝日)
●「疫学的なタバコの社会コストは、たしかにはっきりしないが…
●「タクシー利用のオジサマ方は、あくまで喫煙権を主張するつもりか?
●「なぜこの族議員たちは「抵抗勢力」よばわりされない?
●「学生・生徒の自殺過去最悪、ってホント?」〕。
●「健康リスク軽減は至上命題か?
●「はびこる強迫的非寛容[健康]
●「食育イデオロギー 1」「食育イデオロギー 2」「「ご飯持参給食」で朝食定着 弁当と一緒に朝もご飯(朝日)=食育イデオロギー3
●「体育の日を強化月間みたいにしたスポーツ振興ってなに?=スポーツからみた日本社会19
●「たばこ吸いたい子、6年で半減 文科省の小中高生調査2」〕。
●「書名不当表示?=羊頭く肉論1(「医学は科学ではない」)」 
●「元気ない40?50代、男性ホルモンは60代より少なく(読売)

●Wikipedia「Healthism