■いわゆる「変死」事件としての「時津風親方を立件へ 力士急死巡り傷害容疑 愛知県警(朝日)」「親方「バットはやめとけ」 力士死亡問題、暴行の兄弟子注意(中日)」「力士急死で検視怠る 愛知県警、病死と判断(朝日)」「愛知県警と犬山中央病院の言い分をタレながす地元メディア」の続編。

兄弟子ら、当初から隠ぺい 
力士死亡、救急に「けいこのけが」

2007年10月21日 09時00分

 大相撲時津風部屋の力士、斉藤俊さん=当時(17)、しこ名・時太山(ときたいざん)=が愛知県犬山市の同部屋宿舎で死亡した問題で、斉藤さんに暴行したとされる兄弟子らは事情聴取した警察官だけでなく、最初に宿舎に到着した救急隊員に対しても、斉藤さんの体の傷を「けいこ中のけが」と強調していたことが分かった。当初から暴行を意図的に隠そうとしたとみられる。救急隊は疑問を抱き、現場の状況から不審死と判断していた。

 犬山市消防本部によると、6月26日午後零時50分ごろ、同部屋宿舎から「けいこが終わった後、力士の意識がなくなった」と119番通報があった。電話してきた人物は「呼吸はしている」と話した。

 力士が重体に陥っていると予想されたため救急隊員4人に加え、支援要員2人の計6人が通報から約7分後に到着。斉藤さんは風呂場の洗い場で、全裸の上に浴衣を着せられ倒れていた。脈はなく心臓マッサージも反応がなかった。実際は呼吸もしていなかった

 斉藤さんに外傷があり、土俵ではなく風呂場に倒れていたことから隊員が不審に思い、「なぜ風呂場にいるのか」と聞いた。兄弟子の1人は「けいこで砂だらけになったので、洗うために連れてきた」と答えた。隊員は「不自然な答えだと思った」
いう。

 斉藤さんの額に2センチほどの切り傷があり、両ほおには紫色のあざがあった。足にも切り傷があり、胸や腹は青紫色に変色していた。居合わせた兄弟子らは口々に「けいこ中のけがです」と説明した。しかし、救急車で斉藤さんを病院に搬送する際、救急隊長は不審死事案として犬山署に通報し、出動を要請した。

 病院で隊員らは心臓マッサージを続けたが、医師が斉藤さんの死亡を確認。医師は急性心不全と診断し、心臓肥大との所見もあったことから、犬山署は死因を心疾患を広くとらえる虚血性心疾患の病死と判断した。この際も、兄弟子らは署員の事情聴取に「傷はけが」と説明していた。


(中日新聞)

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■これまた、実にあやしい報道だ。いや、「愛知県警と犬山中央病院の言い分をタレながす地元メディア2」としたいくらいだ。■しかし、今回のばあいは、この日記をよんだのか、「言い分をタレながす」フリをしながら、犬山署などの不審さを 結果的にうきぼりにしている。救急隊員の兄弟子たちへの不信と、医師・犬山署の不自然な判断が絶妙なコントラストとなっているからね。
■「親方や兄弟子たちは当初からリンチの事実を隠ぺい」→「救急隊員は、当初からリンチなどの不審な事態をうたがっていた」→「犬山消防署の救急隊長は『不審死事案として犬山署に通報」→「犬山中央病院の担当医師と犬山署は、兄弟子たちの言い分を合理化するように、不審死をにぎりつぶした
■これらが、「犬山署長は時津風部屋でちゃんこを食べる」といった、人間関係の産物だとうたがうのが、普通の感覚だけど…。

■その意味では、「兄弟子ら、当初から隠ぺい」という みだし、医師名どころか犬山中央病院という固有名詞さえもふせた報道は、「かくしだて」といわれても しかたがない。■もっとも、こういった 当局よりの記事によって、救急隊員が不審に感じた点を逆にうかびあがらせているともいえる(笑)。



■ところで、「兄弟子」って漢字表記は、男女非対称とかいったフェミニズム・男性学的なツッコミの次元にとどまらず、どうかんえても奇妙。「弟子」を「デシ」って発音して不自然と感じない感覚マヒも、「兄弟 子」でなく「兄 弟子」と分節できることを読者に当然のように要求する感覚も…。■もちろん、非対称問題として、「弟弟子」といった不気味な表記、「姉弟子」とか「妹弟子」といった、おそらく無自覚なまま排除されてきた表現などについて、おもいをいたすことも、意味をうしなっていない日本社会。■「親方・弟子」といった、擬似親子関係を自明視してきた相撲部屋とか、その延長線上にある体育系空間の教育文化をみなおすためにもね。■その意味では、これらの構図も別件どころか、全然無関係ではなさそうだ。

【追加記事:10/22】
●「時津風部屋力士急死、解剖医が愛知県警の検視ミス指摘」『読売』(2007年10月15日13時33分)
●「愛知県警、力士急死で「事件性なし」と遺体の司法検視せず」『読売』(2007年10月16日1時2分)