■前便の関連記事で、1週間まえの各紙の記事を記録しそこねたので、『中国新聞』のを転載(キャッシュでリンク)。

断層調査、大半を過小評価 
柏崎刈羽原発沖で東電
'07/11/15

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 柏崎刈羽原発(新潟県)沖合で東京電力が一九七○―八○年代に実施した海底断層調査で、疑わしい調査地点のうち三分の二を同社が「断層ではない」と過小評価した上、少なくとも四つの断層を見逃したまま原子炉増設を申請した疑いが強いことが十四日、同社が開示した調査原記録の分析で分かった。国の安全審査もこの評価を認めていた。

 疑われるデータのあった調査地点四十二カ所のうち東電が「断層あり」としたのは三分の一強の十五カ所。原記録を分析した広島工業大の中田高教授(地形学)らは「ほかの二十七個所でも断層とみられる構造があるのに、常識的にはありえない評価。審査した国の責任も重い」と批判している。

 経済産業省原子力安全・保安院は「当時の知見を基に最善の努力を払ったと理解しているが、評価に不十分なところがあった可能性は否定できない」としている。

 東電は、判断の根拠は今では分からないとした上で「過小評価という指摘があるが、当時の研究レベルでは最善を尽くしたのだと思う」と釈明。七月の新潟県中越沖地震の発生より前から断層再評価の必要性を認識していたが、間に合わなかったとしている。

 中越沖地震と強い関連が指摘される断層について、東電は長さ七―八キロとしていたが、中田教授は「二十キロ程度はあると見るべきで、過小評価だ」と指摘。中越沖地震は、それが動いて起きた可能性があるという。

 東電が今回初めて開示した原記録は2、5号機と3、4号機の増設に伴い七九、八○、八五年に実施した延べ約千六百七十キロ分。東電は計十五の調査地点で断層を認め、四つの断層があると評価。増設申請に盛り込み、国の安全審査もこれを通していた。

 中田教授らはこの四断層の延長上に、東電が断層と判断したのと見分けられないほどよく似た構造を示すデータがあり、断層活動に特徴的な地形があることも確認。東電の評価より規模の大きな断層があるとした。

 さらに、このほかにも少なくとも四つの断層があると分析した。

 調査原記録を分析した中田高・広島工業大教授の話 つながっている地形にあるのに、一部は断層で一部はそうではないと考えるのはおかしい。当然、つながった断層と判断するべきだ。当時の知見でもこれは、教科書に書いてあるような常識だ。もし、電力会社や国が今後「最新の方法で調査をやり直したから断層が分かった」と主張するのなら、それは言い訳だろう。一事業者にすぎない東京電力の誤りよりも、過去の安全審査でそれを正せなかった国の責任がより重いと思う。

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■「当時の知見を基に最善の努力を払ったと理解しているが、評価に不十分なところがあった可能性は否定できない」だと? その程度で「まかせなさい」式に地元をなっとくさせてきたのかね?■これをみただけでも、ウソ(悪意)だったのか、アホ(無知)だったのかなど、どうでもいいという気がする。要するに、責任能力がない連中が「大丈夫、大丈夫」を連呼してきただということ。■こんなことをくりかえしながら、「反対派は、根拠もなく非難する」といわんばかりの非難しかかえさないのだから、厚顔無恥というほかあるまい。
■不思議なのは、こういった研究者たちを、なぜ動員して、あらかじめリスク評価をしてこなかったかということ。■おそらく、ダメだししそうな研究者をはずしてきたんだよね。「当時は、いなかった」っていうけど、とてもそうとはおもえない。結局、立地に賛成する御用学者しかよばなかったのとちがう?■許認可で、さかんに権力をふるいまくる政府当局は、こと原発など巨大迷惑施設となると、とたんに大甘になるという、非常に不思議な原則に転換するのだが、どうしてだ???