■「やっぱり巨大だった東京圏」「マッチョでネオリベしか東京の首長になれないというが」の続編。■『朝日』の先日の記事を転載。

「東京圏」への人口流入加速、
バブル期並み超過 総務省
2007年11月26日19時45分

 移り住んできた人が転出した人よりどれだけ多いかを示す「転入超過数」が、東京都は今年1?10月の合計で9万348人になり、昨年1年間(9万79人)を上回ったことが26日、総務省統計局のまとめでわかった。埼玉、千葉、神奈川各県を加えた「東京圏」の超過数はバブル期並みで、首都圏への人口集中が加速している。

 三大都市圏別にみると1?10月の東京圏の超過数は14万7962人。名古屋圏(愛知、岐阜、三重各県)は1万6123人、大阪圏(大阪、京都、兵庫、奈良各府県)はマイナス1万3680人だった。

 東京圏の超過数は94、95両年にマイナスに落ち込んだが、昨年は13万人を超え、88年と同水準に戻った。ただ、バブル期は東京都が毎年5万?7万人超のマイナスで、他3県の人口流入が著しかったのに対し、近年は東京都の転入超過が目立っている。
■バブル経済期に東京都が毎年人口減だったというのは、ちょっとおどろき。■しかし、かんがえてみれば、バブル期ってのは、異様な地上げがすすんでいたわけで、「東京にかせぎにいくけど、とてもすめたもんじゃない」って時期でもあったわけだ(笑)。要するに、東京都住民は減少しても、東京圏はやっぱりふえていたと。
■でもって、業界・業種によってムラはあるものの、一応景気がもどりつつある現今。東京圏のみならず、東京都にも人口がまいもどっているというのは、なにを意味しているんだろうね? ■まさか、『窒息するオフィス』『捨てられるホワイトカラー』的な不安・恐怖のせいで、「24時間、戦えますよ」態勢を維持するために家賃・ローン返済をキツめに設定して会社にできるだけちかいところにすむようになったとかね…。

■それと、京浜工業地帯に伍してきた京阪神地域が地盤沈下し、東西の工業の中核といえば、京浜・中京になってからひさしいが、文化的な威信という点では、京阪神はまだまだ健闘しているだろう。いくら吉本興業の実質的営業が東京にシフトしたとはいえね。■しかし、人口にかぎってみるかぎり、京阪神奈良地域が吸引力をうしないつつあることはあきらか。数字だけでみるなら、東京圏がひとりがちで、京阪神のおちこみ分を中京圏が吸収している感じだね。■もはや、滋賀・奈良など、京阪神と中京圏のあいだ・周辺に位置する地域全体が工業地帯化して連続体にでもならないと、京阪神の地盤沈下はとまらないかも。
■産廃Gメンの石渡さんも中京圏の近年人口動態とか産廃の不法投棄を関係づけて、ほかの地域とはちがった経済動態がうみだされていると推定していたし。