■はるにかいた「刑務官は、痴漢以上にみずから冤罪の危険性をせおっている」の続編。■『週刊現代』などで告発記事が掲載された徳島刑務所の「変態医師」による、受刑者虐待疑惑。■まずは、『流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)』の半月まえほどの記事に掲載された告発文の画像がすごい。

西岡研介記者が週刊現代で、刑務所内の人権侵害を暴く記事「徳島刑務所『変態医師』恐怖の“肛門虐待”自殺した受刑者も」を掲載している。徳島刑務所の医務課長を務めている医師が、受刑者の肛門に指を突っ込むという虐待を繰り返しており、80人が告発したというものだ。その告発の内容はすさまじい。

【2、3日前より下腹部が張って痛みがあったので、医務課長、松岡の診察を受けました。いきなり直腸診をされ、当初は自分の感覚では指2本を挿入されたと思います。すると松岡は『この分やったら(便が)出るかもしれん』と言いながら4本指で便の掻き出しすべく、いきなり指4本を挿入され、激痛が走りました。『止めてください』と3回ほど訴えましたが、松岡の指示で看護師職員が脚部を押さえつけ、他の立会職員が背中を押さえつけました。あまりの激痛に我慢できず診療台でもがきましたところ、勢い余って診療台から落ちました。下半身はむき出し、便まみれとなりました。しかし、松岡は(私を)床から診療台に上げて指を突っ込もうとしました。(中略)肛門の傷は血が大腿部から足に伝って床に滴るほどひどいものでした。脱肛創が完治するまで3カ月かかりました】
【喉に食物を詰めて入院したにもかかわらず、いきなり『肛門を診ます』と言われ、指を入れられた】

中には、暴行に耐えかね自殺した人もいるという。2005年10月23日早朝、パジャマの上着の袖を輪状に結び、窓の鉄格子にかけて、縊死したT氏がA氏に託した2通の手紙が引用されている。

【体がどんどん弱ってきます。動けないことを良いことに、2日続いて暴行受けました。私の命脈も終わりが近づいております】

【今回、私を放置しようとしているのは所長の指示です。診療1回目に所長が来ていたのですが、通路に出て、あんな反抗的な奴、点滴なんか打つなと言ってました。もう、私も終わったのかもしれません。こうなるまえに松を放り出したかったのですが、命脈尽きてしまいました】

これらの告発は、刑務所内の人権を擁護する「監獄人権センター」(CPR)への告発ともダブっている。例えば、自殺したT氏については、冒頭の画像(CPR提供)のとおり次のような告発がなされている。

【「松岡の診察には行きたくないと言っているのに、毎日無理矢理診察室に連れて行かれる。診察に行っても診察なんかせずに足払いをかけられたりして、毎日松岡に暴行される。●●も一緒になってやっていて、抑え付けたりする。この体のアザを見て下さいよ。もう死にたい。所長(前所長の浅井)が“こんな反抗的な奴に点滴なんかしなくていい”と松岡に指示していました。」と泣いていました】
……

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■「ヤメ蚊」さんが、ほかにも、「徳島刑務所暴動を伝える記事に陵虐事件のことが書かれていないのはなぜ??告発パート2の画像付」「徳島刑務所で大弾圧が起きているのではないか??CPRからの連絡に回答なしとの情報あり」といった記事をかいているとおり、これは すさまじい権力犯罪がおこなわれているということのようだ。■でもって、この前所長ってのは、「名古屋刑務所事件当時名古屋刑務所で処遇部長を務めていた」というのだから、あきれたはなし。■メディアのほとんどは、なぜキャンペーンをはらないのか? 法務省は、なにをしているのか?


暴動の背景をふせたメディアの実態


■『朝日』の記事もキャッシュでリンクしておく。

10人以上の受刑者が暴れ、
刑務官けが 徳島の刑務所
2007年11月18日

 徳島市の徳島刑務所(荒島喜宣所長)で16日朝、工場で作業をしていた受刑者のうち少なくとも10人以上が暴れ、制圧しようとした複数の刑務官がけがをする騒動が起きていたことがわかった。

 同刑務所によると、騒ぎがあったのは16日午前9時25分ごろ。木工製品などを作る工場で働いていた受刑者約60人の一部が、備え付けの消火器を噴射するなどして暴れだした。監視していた刑務官3人が非常ベルで応援を呼び、数分で騒ぎを抑え込み、一部の受刑者に手錠をかけたという。この騒ぎで、複数の刑務官がけがをしたが、救急車を呼ぶことはなく、通常業務に戻った。受刑者にけが人はなかったという。

 受刑者が暴れ出した理由については「調査中で答えられない」としている。

 同刑務所の宇野泰永庶務課長は「騒ぎの中心になった受刑者は10人以上いる。今のところ、警察には報告していないが、事情を聴いて刑事責任が明らかになれば、事件送致する」としている。

 同刑務所によると、定員1093人に対し、現在1100人が収容されている。刑期の長い罪を犯した者や犯罪を重ねた者が多く収容されている。同刑務所では今年1月、受刑者の経歴をブログに書き込んだとして、男性看守部長が停職3カ月の処分を受けた。また、受刑者に手紙を渡さなかったなどとして、06年7月に徳島弁護士会が同刑務所に警告書を出している。