■日本語人名と漢字表記については、何度かかいてきたが、きょうの素材は『産経新聞』の「主張」。
【主張】名前と漢字
富山県立山町在住の両親の下に生まれた三女に、「稀星」と書いて「きらら」の読み方の名をつけ、立山町役場に出生届を出したところ、「星は『らら』とは読めない」として再考を促された。三女は富山市の病院で生まれたところから、今度は出生地である富山市役所に届け直した。すると、「両親の思いを尊重する」としてあっさりと受理された。
出生届受理についてまちまちに判断が分かれるのは一体どうしたことなのか。子の名は戸籍法によって常用平易な文字を用いなければならない。漢字の場合、常用漢字か戸籍法施行規則の別表に定められた人名用漢字(983字)の範囲に限られる。問題なのはこれに読み方の制限がないことだ。
近ごろの子の命名には「陽翔」と書いてハルトとか、「大翔」でツバサとか、漢字ならぬ感字のような文字選びが行われる向きがある。読み方に規定のないことが混乱を招いている。 続きを読む
【主張】名前と漢字
公共財を棄損する「感字」
富山県立山町在住の両親の下に生まれた三女に、「稀星」と書いて「きらら」の読み方の名をつけ、立山町役場に出生届を出したところ、「星は『らら』とは読めない」として再考を促された。三女は富山市の病院で生まれたところから、今度は出生地である富山市役所に届け直した。すると、「両親の思いを尊重する」としてあっさりと受理された。
出生届受理についてまちまちに判断が分かれるのは一体どうしたことなのか。子の名は戸籍法によって常用平易な文字を用いなければならない。漢字の場合、常用漢字か戸籍法施行規則の別表に定められた人名用漢字(983字)の範囲に限られる。問題なのはこれに読み方の制限がないことだ。
近ごろの子の命名には「陽翔」と書いてハルトとか、「大翔」でツバサとか、漢字ならぬ感字のような文字選びが行われる向きがある。読み方に規定のないことが混乱を招いている。 続きを読む